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競技人口世界2位のスポーツ、クリケットは守備がすごい!/Best Run Outs 4選

 どんなに上手いバッツマンでも、どんなにその試合で点を取っているバッツマンもRun Outの前には無力だ。

 たった一度でもRun Outは試合の流れを大きく変えることがあり、World CupやTest Matchでは更にそのインパクトは大きくなる。そして人々の記憶にも永久に刻まれるものになるだろう。今回は筆者の独断と偏見で選んだBest Run Outsを4つ紹介する。


①Temba Bavuma/South Africa

2016年のAustraliaとのTest Matchで見せた見事なRun Out。
Bavumaは162cmという小柄な体格ながら、ボールまでの俊敏なピックアップ、そして正確なスローにより歴史上でも最も素晴らしいRun Outの1つを生み出した。
ちなみにBavumaはSouth AfricaのCapetownにあるLangaというタウンシップ(アパルトヘイト時代に黒人の居住区として作られた町)の出身。黒人のバッターとして初めてSouth AfricaのTestチームに選ばれた選手でもある。


②Pat Cummins/Australia

現在、AustraliaのODI,Testキャプテンを務める世界屈指のボーラーであり、バッティングでもIPLで15balls Fiftyを記録し、端正な顔立ち、そしてメディア対応も卒なくこなすMr.Perfect Pat CumminsはもちろんFieldingも世界最高レベルだ。
ボールを補給した後に無理な体制からでも最短でボールをウィケットに当てることのみにシフトしたこのリターンも世界最高のRun Outの1つだと言えるだろう。


③Martin Guptill/New Zealand

New ZealandのWhite-ball Format(T20I,ODI)でオープニングバッツマンを務めるGuptillが生み出した最高のRun Outは2019年のCricket World Cup Semi-Final vs Indiaで生まれた。
この試合でIndiaは2nd inningsにNew Zealandのターゲット240を追いかける中、トップバッツマンが早々にアウトになってしまう。しかしIndiaの国民的英雄、そして歴代屈指のFinisherであるDhoniがNew Zealandの前に立ちはだかっていた。そして、Indiaが残り10球25点の48.3overにそのRun Outは生まれた。Bowler Fergusonが投げたショートボールにやや詰まらされたDhoniの打球がSquare Boundaryを守っていたGuptilの元へ。何としても打ち続けたいDhoniは一か八かで2runs目を狙うも、そこにほぼ真横の角度からGuptilのダイレクトリターンが見事Wicketに直撃。Indiaの決勝進出の希望の芽を摘む決定的なプレーとなった。そしてこれはインドの英雄Dhoniの国際大会Last inningsにもなった。(しかし、その後進んだWorld Cup決勝でGuptilにはとんでもなくアンラッキーな展開が待っていることはこの時は誰も知らなかった。)


④Nathan Lyon/Australia

通称"Gary"、そしてAustraliaの歴史上3番目にTest MatchでWicketを獲得しているNathan Lyonの稀代のRun Outは2017年Englandとの伝統戦Ashesの第1戦で生まれた。AshesはTest Match(5日間の試合)×5試合のシリーズのため、シリーズを勝ち越すためには序盤の試合で流れを掴むことが非常に大事である。Ashesの初戦、EnglandはBatting Firstを選び2番と3番のStonemanとVinceがそれぞれ50を達成することで、試合の流れを掴みかけていた。しかしVinceが83点の時にこのプレーは生まれた。Off sideにVinceが打った打球をLyonは片手で補給し、すぐさまランニングスローでVinceをRun Outに。この試合の、そしてAshes全体の流れを変えたRun Outだった。(その後Australiaはこの年のAshesシリーズで4勝0敗1分けで大勝した)

今回紹介したRun Out以外にも最高なRun Outは山ほどあるので、別の機会に紹介できればと思う。

以上

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