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語学学習用の洋楽はどうやって選ぶ?という質問に答えてみた

前回「51歳からドイツ語の勉強を始めてみた」と題して私の勉強方法を書いたところ「ポップソングでどうやって勉強するのか」という質問を受けた。なので、今回は語学用の曲の選び方を書いていこうと思う。前回「ですます」調で書いてみたら結構面倒だったので今回は普段の私の話し言葉で失礼。

前回の記事はこちらです↓

曲選びのポイント

ネットなどで、よく「英語学習にオススメの洋楽」などの記事がでているので、歌で語学を学びたい人は一定数いるのだとは思うが、個人的には「特定のオススメ曲」を探すよりは「曲選びの指針」あるいは「ガイドライン」を知るという方がしっくりくる。

なぜかというと、現時点での語学レベル、曲の好み、歌詞の内容、曲のテンポの速さなどなどによって、曲のタイプも様々だし、その曲から何を得られるかも人によってまちまちだから。そもそも、こちらがいくらオススメしたところで、その人が好きな曲でないと何十回、何百回も聞くことなどできないので、オススメする意味がない。

なので、私は個人的に「どの曲がオススメですか?」と聞かれた時には「あなたの一番好きな曲で」と答えることにしているが、これではあまりに雑な答えなので、私が自分で曲選びをする時のポイントをあげてみる。

 1.何度でも聞きたいと思えるほど好きな曲である
 2.自分の語学レベルでところどころ歌詞が聞き取れる
 3.歌詞をざっと自動翻訳したときに共感できる内容である
 4.歌詞の繰り返しが全体の3分の1程度ある
 5.その曲を聴くと気分が上がる

このポイントにはちゃんと理由がある。

まず、大前提として、同じ曲を少なくとも何十回と聴くことになるので、嫌いな曲では続かない。いくら世間で流行っている曲でも、自分が好きでないと楽しくない。なので、逆にいうと、語学学習に向いてなさそうな曲でも自分がいいと思ったものを選べばいいと思う。

好きな曲が自分に合っているかどうかはまた別の話なので、ここで「ところどころ聞き取れる」という要件が入ってくる。上級者なら多少速いテンポの歌でも良いと思うが「何を言っているのかさっぱりわからない」という場合は、先にテキストや動画などで基礎の単語や文法を学んでからにするか、スローテンポの曲でないと難しい。個人的には、歌詞の意味が少しずつわかってくると楽しい、と思えるくらいが一番ちょうど良いと思う。

歌詞に共感できるかどうかも大きなポイント。なぜかというと、最終的には「その歌に感情移入して音読する」ところまで行くので、共感できない歌詞ならいくら音読してもそれはただの「言語的な記号」であり、使える言語としての練習にはならないから。少なくとも私にとってはそう。

言い方を変えると「上達したときに、その歌詞のように会話したいかどうか」が私の判断基準になっている。52歳の私が、易しいからといって子供向けの歌を選ばないのは、子供用の歌詞を練習して子供の話し方を今から身に付ける必要はないと思うから。

歌はたいていサビの部分が繰り返しになっているから、歌詞の全体量としては繰り返し部分を除くとだいたい200ワード前後になる。プリントアウトするとA4版1枚くらい。辞書を引いたり、文法を調べたりする手間もあるので、無理せずこれくらいの分量がちょうど良い。曲のテンポにもよるが、1曲あたり3分から長くても4分以内の曲なら、歌詞がだいたいこのくらいに収まるし、繰り返しがあるのはそれだけ音読回数が増えることにもなる。繰り返し部分の歌詞が気に入っていると尚良い。

その曲を聴くと気分が上がるのも結構大事。私はテキストや問題集などの勉強に飽きた時や、通勤の行き帰りなど手に何も持たない状態のときにポップソングを聞きながら、マスクの中でつぶやいていることが多いので、モチベーションが下がる歌は基本的に使わない。何度も聞き、何度も口に出す言葉なので、できるだけポジティブな言葉で気分が上がるものを選んでいる。
歌詞をあらかじめ自動翻訳にかけて共感できるかどうかをチェックするのはそういう意味でもとても重要。

専用のプレイリストを作る

上記のポイントを踏まえた上で、私はいつも語学学習専用のプレイリストを作り、携帯に保存し、いつでも聴けるようにしている。

今はドイツ語を勉強しているので、Apple Musicで「ジャーマンポップスデラックス」のプレイリストをチェック。毎週最新のヒットソングに更新されるので、いいなと思った曲はここで「候補曲」としてダウンロードしておく。
英語ならドイツ語よりももっとたくさんのプレイリストがあるので、好きなアーティストで選ぶもよし、好きなジャンルで選ぶもよし。私は80年代大好きなので、80年代ロック・ポップスを選んでいる。

Apple Musicは月々980円かかるので、無料でというかたはYouTubeにもいろんなプレイリストがあるので、「洋楽 和訳」とか検索するとたくさん出てくる。私はYouTubeで探すことはやっていないが、好みのプレイリストをゆっくり探すのも楽しいんじゃないかと思う。

「候補曲」が100曲くらいたまったところで、上記で述べた「選別ポイント」にしたがって、仕分けをしていく。この仕分け作業は土曜日の夜中とか、翌日が休みで家族に邪魔されずに3時間くらい一人で集中できる時にやるのがベスト。スタバとか外でやるのは気が散るし、歌詞に集中できないのでおすすめしない。ま、人それぞれだけど。

最終的に10曲程度に絞り込んで、iTunesに専用のプレイリストを作る。これを毎日聴く。とにかく聴く。暇があれば聴くか流す。その言語特有の音が耳になじむまで聴く。

数日たつと「うーん、この曲はそんなに好きじゃないかも」という曲が出てくるので、それを外す。残った曲はたいてい5曲程度。

この5曲はこれから長い付き合いになるので、歌詞と仲良くなっておく必要がある。私はプリントアウトして意味を調べるけど、iPadとかタブレットでいい感じのアプリがあれば、それの方が便利かもしれない。
単語を辞書で引き、構文を調べ、文法を調べ、意味を完全に理解するまで調べる。(ほらね、1曲あたりA4版ペライチくらいが限界でしょ^^)わからないところは先生や上級者にたずねるか、のちの宿題としておいておく。

歌詞の意味が完全にわかったところで準備OK。ここから音読とシャドーイング兼ひとりカラオケを進めていく過程で歌詞がどんどん聞き取れるようになってくると、リスニング力が上がったのが実感できて楽しい。

長くなったので今日はここまで^^トレーニングのやり方はまた次回。


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