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勉強で成績を上げたい! どうすれば…~“反比例”から考える

執筆しているのは12月中旬。ということは共通テストまで約1か月。大学を目指す高校生(浪人生)はラストスパートをかけている段階だと思います。大学を受験する高校生以外に、高校を目指す中学生、中学受験に挑む一部の小学生も、みなさん頑張っていると思います。今年の受験と関係なく勉強を頑張っている人もいるでしょう。これから勉強を頑張りたい人もいると思います。そういう人たち、もしくはそれを支える人たちへ、私なりの考え方をお話します。

ここで述べていることは、「勉強で今より成績をあげるためにどうすればいいか」ということを出発点として考えたことです。ですが、勉強以外でも、成果をあげたいときに使える考え方だと思います!

考えるきっかけは?

私が塾講師として働き始めたとき、ある先生が次のように話していました。

「勉強の質よりも、勉強の量が大事だ。何度もこなしなさい」

これを聞いたとき、私は「成績をあげたいとき、質と量にはどのような関係があるのだろうか?」と考え始めました。

たし算で考えたほうがいいのか? でも、たし算だったら、勉強時間0分の人でも勉強の質がよければ点数が取れてしまう。逆に「覚えよう」「考えよう」とせずひたすら読み書きする質の悪い勉強を長時間しても、成績は良くならないだろう。なら、たし算で考えるのは無理なのではないか。だったら、どう考えればいいのだろう? 次に考えたのはかけ算です。

かけ算で考えてみる

つまり、「質×量」。この考え方に基づいて考えてみました。「勉強0分なら点数が取れない」のはわかる。「勉強量が多くても成績が上がらない人がいる」ということも説明できる。ということは、次の式で表せるのではないか?

勉強の成果=質×量

この関係式で、質と量を変数として考えれば、反比例になります。グラフで図示すると以下の通り。

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つまり、勉強の質と量が決まれば、勉強の成果は下の図のように面積で表せます。

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具体的にどう考えるのか?

では、具体的にどう考えるのか?を説明します。
この考え方では、質と量という2つの変数(要素)があります。


・今まで50点しか取れない人の勉強量を増やすとどうなるか?

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上の図の説明をします。同じ勉強の質(=Yとします)で、勉強時間が5(時間)から8(時間)に増やしたと仮定しています。その場合、座標平面の横軸では①のように動くので、座標は②のように右に動きます。曲線は「勉強の成果(=質×量)」と表しているので、勉強の成果が、5Yから8Yに増えます。その結果、50点よりも上の点数(上の図では、たとえとして60点としています)になり、その点数(上の図なら60点)となる曲線③が描けます。上の図はそのようなことを表しています。

・同様に、勉強の質を上げることを考えます。

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その場合も同様に、同じ勉強量(=Xとします)で、質をAからBに高めたと仮定しています。その場合、座標平面の縦軸では①のように動くので、座標は②のように上に動きます。その結果、50点よりも上の点数(上の図ではたとえとして60点としています)になり、その点数(上の図なら60点)となる曲線③が描けます。上の図はそのようなことを表しています。

ちなみに質をA→Bと文字にしたのは、質を数値化する・単位を決めるのが難しかったからです。「質を高めた」と考えてください。


・もし両方上げるとしたら、下の図のように考えることができます。

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補足・さらに発展して考えると…

もちろん、「勉強の質と言われても、数値で測れないでしょ」と思う人がいるかもしれません。私は勉強の質を数値で測る方法を知りません。ですが、私が伝えたいのは、これはあくまで「今よりも成績をあげようとしたとき、勉強の"量"と"質"という観点で考えることができるよ」ということです。つまり、「今と比べてどうすればいいか?」という観点で考えていることを知ってほしいです。

「その時々によって勉強の質が違う」と考える人がいると思います。その場合、高校数学で習うシグマ(Σ:たし算の記号)を使って、

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と表すことができるかもしれません。

それから、「量よりも質の方が大事だということを織り込みたい」と考える人もいると思います。そのときは、質に累乗をつけて考えればいいと思います。たとえば2乗・3乗です。そうすれば、考え方の幅が広がります。(高校数学のレベルを超えますが…)


これは私の考え方です。ほかの人と議論したことはありませんし、専門家の主張を調べたこともありません。なので、もしご意見等ありましたらコメントいただきたいです。

この考え方は教養

以前(2020年12月12日)の投稿で、「教養とは、知識の応用能力・知識の運用力だ」という話をしました。今回の話は学校で学ぶ反比例を応用したものなので、「教養」といえると思います。

「なぜ数学を学ばなければいけないの?」という意見を持つ人もいるかもしれませんが、少なくとも私が数学を学んでいなければこのような考え方はできませんでした。この考え方は、反比例以外に「要素を分けて考える」という因数分解の考え方も使っています(要するに、勉強の成果は「質」と「量」に因数分解できる)。数学もあきらめずに学んでいれば、何か疑問に感じたときに、数学的な考え方を使って、物事を解決することができるかもしれません。

また、これは経済学の「効用関数」の考え方に似ています。私は経済学部出身なので、このような考え方ができたのだと考えています。逆に、この説明が理解できれば「効用関数」の考え方を学んでほしいと思います。

まとめ:伝えたいこと

・行き詰った場合は、因数分解をするように質と量という2つの要素に分けて、それぞれの立場から考えてみよう

・成果を出したいと悩んだ時に、「質だけを意識しよう」「量だけを意識しよう」のように片方だけ意識すると、あまり成果が上がらないことがありえます。だからこそ一方に偏ることなく、「質または量のどちらかを今よりも上げよう」と考えてほしい。

時間を削る必要があるが成果を出したいときは、質を上げることが絶対必要

量が圧倒的に足りず時間も確保できる人はまずは量を増やすことを考えましょう。量に限界が来たら、自然と「質の高い勉強をしないといけない」と感じるはずです。

・「質」は成果が見えにくいので、「質を上げる」ということを考えるのは「量を増やそう」と意識するより難しいかもしれません。例えば、集中できる環境にしよう、インプットだけに偏らずアウトプットも意識しよう、ゲームやLINEなどをしながら勉強する「ながら勉強」をやめよう、「今よりも疑問を多く持つ」をテーマにしよう、などいろいろ考えられると思います。「私は時間を増やすことができないから質を意識しなければいけない」と考えるだけでも、情報の接し方が変わってくるのでオススメです。

結論

勉強(もしくは勉強以外)の成果をあげたいとき、「質×量」を意識しよう。この2つの要素がかかわっているのは事実なので、質と量という2つの要素に分解して考えてみよう。特に、新たな時間が取れないならば、「どう質を上げていくか?」、そのような視点から考えてみよう。

 

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