【SF】初めてロックフェスへ行った日
一年の出来事を振り返る。
ちなみに年末に過去ばかり振り返る奴は成長しないというのが自虐を込めた持論である。よいこのみんなは来年の目標を立てよう。
今年は初めて経験することが多々あった。
Cinema4DやAe、Blenderを触る、Unityで変なゲームっぽいものを作ってみる、電子工作に挑戦する、テクノのクラブに潜入、ボルダリング、スノーボード、snsで知り合った方とお会いする、出勤日を間違え仕事を一日すっぽかす、石油王からナンパされる、飼い犬が喋るようになる、未来から猫型ロボットが来る、天空の城を発見したり、ゾンビと戦って親指を立てながら溶鉱炉に沈んだりした。
中でも特に陽キャ代表のような文化であるロックフェスに参加したことが一番大きい経験だった。
学生時代はクラスのヒエラルキーの下の方に位置し、集まりに行けば「あれ?同じクラスだったっけ?」と言われ、教室の片隅で寝たふりをするような地味な学生生活を送っていた自分がまさかそんな文化に触れると思っていなかった。
ROCK IN JAPAN FES.2019参加
さて、本題に入ろう。
8月12日、我々はROCK IN JAPAN FES.2019の会場へ出向いた。
今回友人Y氏に誘われてのフェス参加だった。旅費を抑えるため青春18きっぷを使用して北の大地から茨城県まで在来線だけで向かった。約丸一日かかったのでつくば市に前泊した。
チケットの代わりであるリストバンドを装着し、いざ入場する。
フェスの会場はとても広く、複数のエリアから成り立ちステージがたくさんあった。飲食スペースやグッズ購入テントなどもあった。日差しがとても強く、ドリンク販売コーナーは長蛇の列ができていた。
最初にメインステージへ向かい、MONGOL 800、東京スカパラダイスオーケストラのライブを聴いた。猛暑の中スーツで演奏するスカパラに圧倒された。その後別のステージに移動し、くるりやCHAI、そして知らないバンドの演奏を聴いた。
ミュージシャンのライブに参加すること自体が初めてでノリについていけなかった。どう振る舞えばいいのかわからず、視察に来たおじいちゃんのように腰の後ろに手をやって少し離れたところから眺めた。リズム感覚がないので手をあげるタイミングが完全にずれていた。さすが太鼓の達人0コンボ保持者である。赤面した。
帰り際、リストバンドを外そうとしたが留め具が硬く全く外れない。後から知ったのだが、紛失や不正の防止のためにチケット代わりのリストバンドは一度つけると簡単には外れないようにできているらしい。外したい場合にはあらかじめ手が抜けるようにゆるく止めておかなければいけないという。友人Y氏は初めから緩めに装着していたようで、さっさと外して会場ゲートから出て行ってしまった。
小生は焦った。リストバンドはフェスに参加している証である。リストバンドを外さなければフェスの世界から現実に戻るできない。このままでは一生このフェスの会場から出られないのではないか。
「あ、Y氏ちょっと待って。まだリストバンド外してない。」
遠ざかるY氏に慌てて声をかけたが、聞こえなかったようだ。Y氏は小生が後ろからついてきていると思い込んでいるようで振り返ることなくどんどん進んで行く。そのうちY氏の姿は人混みにかき消されて見えなくなった。
というわけで、結局小生はリストバンドを外すことができず、ROCK IN JAPANの会場から出ることができなかった。小生は今、あの日のフェスの会場でこの記事を書いている。自分の他にもリストバンドを外せなかった参加者たちが同じ会場に囚われたまま、日々強制的にフェスに参加させられて過ごしている。同じ曲ばかりで聞き飽きたしもうヘトヘトだ。
現世では2019年も終わりが近づいているらしいがこちらはまだ2019年8月12日である。日付が変わる時刻が近づくと、どこかのタイミングで時空がねじれるようだ。あれから毎日同じ8月12日を繰り返している。毎晩、この記事を投稿することであれから何日経ったのか計算している。
誰か早く助けてくれ。
---2019/08/12 17:55
【SF】初めてロックフェスへ行った日
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《おわり》
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