勝手にぱんだ賞【俳句】
こんにちは、ぱんだごろごろです。
遅くなりましたが、勝手にぱんだ賞【俳句】を発表いたします。
4部門に分かれていて、各部門3句ずつの選出です。
では、さっそく参ります。
【色香にクラクラしました賞】
名月やひとり場末のショットバー(チューダ)
*十五夜の名月を他所に、ひとりバーボンを飲んでいる図だそうですが、いやいや、この後、誰かと待ち合わせしているでしょう?
名月よりも美しいと、鑑賞したい(そして、触れ合いたい)相手が来るはず。
もう、妄想の止まらない、色香に溢れた句です。
足早に向かふ待合夕月夜(中岡はじめ)
*『待合』の説明がそのまんまで、すごかったです。
情熱とはノンストップで、なだれ込むもの。
今回の十六夜杯、「とにかく惹きつけられた」句を選べ、と言われたら、
この句が文句なしの一等賞です。
圧倒的な句です。
尾を引きて残り香と星流れゆく(ヒスイ)
*「尾を引く星」はいいですよ。「流れ星(ほうき星?)」ですよね。
しかし、「尾を引く残り香」とは、何ですか⁉
けしからんです、余りに色っぽ過ぎて、ぱんだはクラクラしてしまいました。
さすが、ヒスイちゃん、と唸った一句。
【光景が美しいで賞】
十六夜に白金のごと映ゆる街
(k_maru027)
*都会のキラキラした街を思い浮かべてしまいました。
「十六夜」と「白金」の取り合わせが、絶妙に「映えて」います。
字面から、視覚の美しさを刺激される一句。
上り月雲ににじむも煌々と(くーや。)
*まだ満月にはなりきっていない月が、きらきらと輝いている。
雲がかかってはいるけれど、そんなこと気にならないくらいに。
月の光の美しさ、きらきらしさと、満月前の月の初々しさまでもが感じられる作品。
水底の揺れる琥珀か散り落ち葉(チズ)
*とにかく美しいの一言。
情景を想像すると、もうそこから目を離せなくなります。
澄んだ水の底に、輪郭もおぼろげに、揺れる「琥珀」の美しさ。
そこだけ切り取って、絵に描いて、いつまでも眺めていたい作品。
【心情が美しいで賞】
ひとことが言えずにかすむ十六夜(deko)
*そのひとことを言いたかった相手は誰だったのだろう。
お互いの気持ちが絶頂の時になら、言えたかも知れない。
でも今は、クライマックスを過ぎ、日常もほの見え、気持ちも落ち着きを取り戻しかけている・・・。
そんな想像をかき立てられました。
語りえぬもの語る友月の宴(かっちー・雪ん子)
*この友人は、言葉で語ったわけではないのかもしれない。
一目、見つめ合うだけで、お互いに、一万語を尽くして語るよりも、わかり合えることがある。
そのような友を持つ作者へ、羨望と憧憬を感じる一句。
うつむいた心に届く照紅葉(こたつぶとん)
*紅葉の美しさが、疲れた心を、そっと癒やしてくれる・・・。
そんな情景が目に浮かびました。
今すぐ飛んでいって、抱きしめてあげたい。
そんな気持ちにさせられる一句です。
【秋と言えば食べ物で賞】
啄木鳥や豆とあられとガレットと(とのむらのりこ)
*「豆とあられとガレットと」と聞くと、もうこれ以外の組み合わせが考えられなくなるくらい、魅力的な取り合わせだな、と思いました。
実際に、一緒に食べても美味しそう!
糠の隅忘れ去られた胡瓜かな(これでも母)
*このきゅうり、食べても大丈夫なのかなぁ、とずっと考えていました。
ああ、食べてみたい、このきゅうり。
だって、だって、美味しそう!
星降る日ベランダで飲むミルクティー(ちょこ)
*このひとがベランダで飲んでいたのは、ロイヤルミルクティーに違いない、そんな風に思わせる句です。
ちょっと肌寒いベランダで、この作者は、星を見ながら、何を思っていたのだろう。
過去のことなのか、未来のことなのか、気になります。
以上、4部門、合計12句でした。
素晴らしい12句に、心からの拍手と喝采を贈ります!
ありがとうございました。
(敬称略)
(各句の順番は、「十六夜杯俳句一覧」の番号順に依っています)
初めて、「勝手に賞」に挑戦してみました。
間違いがございましたら、お知らせくださいませ。
訂正いたします。
行き届かない点は、何卒ご容赦くださいますよう、お願い申し上げます。
十六夜杯スタッフの皆様、十六夜杯にご参加下さった皆様、
ありがとうございました。
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