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日常会話ができる程度の英語力を身につけたいとみんな言うけれど

留学を始めた長期の中学高校留学生たちに聞くと、日常会話ができる程度まで英語力を伸ばしたいと言う。

確かに、「英語がペラペラ」のイメージは、日本語で友達としている話を英語でできるイメージと重なるのだろう。

でも、今までのたくさんの留学生たちや海外で暮らしている英語を第二言語とする人たちに聞くと、日常会話が一番難しいと言う。

日常会話の話題は、とても幅広い。その人自身の話から、昨日見たドラマや出会った人、そして暮らしている場所や国、教育や文化、政治や経済、歴史まで、いつ誰が何の話をするのかわからないし、自分からどんな話をしてもかまわない。そして、その日常会話の中で、「ああ、この人はこんな人なのだ」とみんなが理解していく。

そして日常会話では、多くの人は日常的なスピードで、日常使っている言葉で会話をする。それは、学校の授業で先生が話すスピードより速いことも多いし、教科書に載ってない言葉もたくさん出てくる。

だから、日常会話ができる程度の英語力は、おそらく留学を始めた中学高校生が想像しているよりも、レベルが高く幅が広い。

そして、中学高校留学を終える頃に、たとえ友達と日常会話ができる英語力が身についていても、それで英語は完璧か、といえば、全くそうではないだろう。

友達と日常会話ができるだけでは、英語を第一言語とする大学や専門学校に進学できるレベルではないだろうし、たとえ大学や専門学校に進学できたとしても、そこで現地の学生と同じように勉強をするだけで、同じように単位を取っていくことはかなり難しいだろう。

また、高校留学を終える頃に身につけているであろう日常会話のレベルでは、場合によっては仕事をするには足りないこともあるだろう。

だから、「日常会話ができる程度の英語力を身につける」ことを、中学高校留学の最終的なゴールにしている留学生たちには、もう少し違う基準で英語力のゴールを設定するのも一つの方法です、と伝えるようにしている。

もちろん、それぞれの留学生の将来のゴールによっては、中学高校留学を終えた時に、友達と日常会話ができればそれでいいこともあるかもしれない。

でも、その後の人生で、海外で大学や専門学校に進学を希望したり、英語を使って仕事をしたいと考えているのなら、実際には想像以上にレベルの高い日常会話に加えて、大学や専門学校、仕事の場でも、十分通用する英語力を身につけることが大切だと思う。


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