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その3 日本の神様って大勢いすぎて訳がわかりません…問題#➊

こんにちは!吉次(きちじ)です。

「神社好きだけど、神道ってよくわからない…」という方に向けて、
神道のいろはをお伝えするシリーズです。

今回は、もう大勢いすぎて把握できない神々集団を整理して、
わかりやすくしていこー!というチャレンジです!


多神教と一神教


神道は多神教です。
神様はたーっくさんいらっしゃいます。
八百万やおよろずの神々」という言葉を聞いたことがあると思います。
八百万とは、800万という意味ではなくて
もーすっげー大勢!という意味です。

古代の信仰はほとんど多神です。
エジプト・ギリシャ・メソポタミア・ケルト・アイヌ・インダス・ゲルマン・ハワイ・アンデス・中南米・北欧…
もうみーんな多神教。

ところが今現在、多神教宗教として現存しているのは、
神道・ヒンドゥー教・道教ぐらい…。
あんなにいっぱいあった多神信仰は、消えていきました。
残ったのは神話だけです。

なんで消えちゃったの?

そりゃ、あなた。
他民族や他文明、他宗教に侵略されて、否定され破壊されたからです。

猛烈な勢いで文明を拡大し、古代の多神信仰を破壊していった宗教がキリスト教です。
ローマ帝国がキリスト教を国教と定めたのが4世紀。
イエス・キリストが磔刑に処せられてから300年ちょっとたった頃ですね。

このあとローマ帝国は東と西に分裂するし、キリスト教も様々に分派していきますが、ユーラシア大陸の2/3ぐらいを巻き込んだ権力争いにともなってキリスト教はどんどん広まっていく。

ご存じのように、キリスト教とイスラム教はユダヤ教から派生した宗教だ。
この3つの宗教は一神教
神様はたった一人。これをちょっと難しくいうと「唯一絶対神」となる。
キリスト教 → イエス・キリストが絶対
イスラム教 → アッラーが絶対
ユダヤ教  → ヤハウェが絶対
だから、これらの宗教を国教とした国は、他の宗教を認めないのよ。

近世大航海時代で、キリスト教はユーラシア大陸の外にも広まった。
近代植民地時代で、世界にわずかに残っていた多神信仰は絶滅させられたと言ってよいだろう。

キリスト教が悪いんじゃないし、一神教がダメだっていってるんじゃないよ。
ただ、<人類は「神」という概念を使ってこんな歴史をたどりました>という事実があるだけです。

つまり、
文明以前=土着の民族信仰=自然発生宗教=多神教 → 絶滅危惧種
文明主体=社会秩序的信仰=政治的宗教 =一神教 → 近代科学の種

ってなかんじ。
非常に乱暴で、どこからか怒られそうな論だけど、わかりやすいでしょ?
最後の「近代科学の種」って何?って思うだろうけど、
それは、追々このマガジンで説明していきます。



全く分類にならない「神々の分類」


で、神道は世界にほんのわずか残っている、多神教宗教なんです。
まあ神道も第2次世界大戦に負けて、絶滅の危機に遭遇したけどなんとか生き延びた…。

「文明以前の自然発生宗教だから、自然物を神様に見立てたんだよね」

そうそう、そうなんだけど…
それだけじゃないところが、神道の神々をわかりにくくしているのよ。

わかりやすくするために、こんな分け方してみました。
① 自然神  = 海・山・太陽など自然物を神としたもの
② 神話の神 = 古事記・日本書紀に登場する神
③ 祖先が神 = 一族(氏)の創始者や古代地域のリーダー
④ 人間が神 = 偉人や人間とは思えないパワーがあった人
⑤ 生活神  = 人間の生活を守ってくれるような神
⑥ 眷属神  = 偉大な神のお使い
⑦ 動物神  = 動物が神様(もしくは神の異姿)
⑧ 人間が発見する神

で、この①~⑧の区分はあいまいだし、重複もしております。

例えば、
一番有名な|天照大神《あまてらすおおみかみ》は、
①太陽と、②神話に登場する神と、③そもそも伊勢地方地域の神(だった)が被っております。

また、
海という自然物の神様
大海神おおわだつみと言うけれど、これはお名前ではないのよね。
お名前がある海の神様で有名なところは、
住吉三神とか宗像三女神で、
これらの神々は記紀に登場する神々ですが、こちらも住之江地方、宗像地方の海洋域を守護する神様なんだよね。

でも、住吉神社って全国にあるし、江ノ島神社の神様も宗像三女神だしね。
更に、古事記に登場する海の神様は龍神だ!

だから、①・②・③・⑤・⑦がぐちゃぐちゃになっているわけ。

???????????????

わけわからんよね…。
もうねぇ、
ちゃんと把握しよう!
全部理解しよう!
と思わない方がいい。

だったら、きちじさんのマガジン読む意味ないじゃん!

そうだよねぇ…。
そういわれると思って、⑧を設けておいたのですよ。ふふふ。


「神」とは何か?


江戸時代の偉い国学者に本居宣長もとおりのりながという先生がいらっしゃる。
宣長先生は、御著書「古事記伝」において神をこう定義した。

世のつねならず、すぐれたることありて、かしこきもの

本居宣長「古事記伝」

つまり、尋常でないパワーとエネルギーをもった、怖ろしいほどモノスゴイものが「神」だ!ということです。

これは、逆からみれば、
人間が「凄ーいっ!」「こわーいっ!」「ものすげー‼」と鳥肌が立つほど心が揺すぶられるものが「神」だということです。
神を発見するのは人間なのです。

樹齢千年を超すような巨木を見た時に、涙がでるほど感動したならば、その木は神なのです。
「ただの樹木じゃん」という人が見れば、それは神ではないのです。

尋常でないパワーとエネルギーをもった、怖ろしいほどモノスゴイものといえば、原子力発電です。
原子力発電は神の領域のものです。
それを「ただの科学技術じゃん」と侮った不始末は、皆様ご存じでしょう。

道端に咲く彼岸花の尋常ではないデザイン性や
羽化したばかりの蝉の怖ろしいほど薄い羽や
人体のモノスゴイ精巧なしくみに触れた時に、
人間が神を発見するか?しないのか?
ここがポイントです。

太古の人類は、自分をとりまく世界のあらゆるものに神を発見した

だから、多神になったのです。

多神信仰のほとんどは、人類の文明発達の過程で消えていきました。
でも、日本には神道が残っている

これがどれほど素晴らしいことか!
どれほど貴重なことか!

きちじは声を大にして訴えたいのです。

まあ、長い日本の歴史の中で多神信仰が絡まりあって
もう把握できない…
理解できない…
と、難儀なことになってしまいましたがね。

今回もまったく問題解決にはいたりませんでしたが、
次回引き続き神々の整理にチャレンジいたしますので
どうぞお付き合いくださいませ。

では。


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最後までお読みいただきありがとうございました。








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