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伊藤忠兵衛の別れ方【歴史から見る生前整理】

伊藤忠商事の創業者である初代伊藤忠兵衛は、
1842年(天保13年)に近江国(今の滋賀県)で生まれました。

11歳で麻布の行商を始め、
1858年(安政5年)忠兵衛15歳のときには、
関西から関東をはじめとする全国各地へ行商する「持ち下り」をスタートし、
それ以降、幕末から明治期という激動の時代に、持ち前の才覚で各種の事業を興し、それらを大きく育てあげました。
※なお、1858年は伊藤忠商事創業の年とされています。

また、忠兵衛は従業員に対して慈悲心を持って接し、それは主従の関係というより、家族主義的な姿勢となってあらわれていました。
若手を信頼し、毎月1と6のつく日には、全従業員参加の無礼講のスキヤキパーティーを開き、
そのほかにも、芝居や相撲見物、納涼船遊びなど、数々の行事を催して、従業員をとても大切していたそうです。

そして、近江商人の家に生まれた忠兵衛は、熱心な浄土真宗の信者であり、
『商売は菩薩の業、商売道の尊さは、売り買い何れをも益し、世の不足をうずめ、御仏の心にかなうもの』
という、後の「三方よし」の表現(「売り手よし、買い手よし、世間よし」)につながる理念を生涯実践した人物でした。

そうした商人として、多方面で活躍した伊藤忠兵衛ですが、
晩年は肝臓がんを患いました。
自分の命運を悟ったのか、忠兵衛は、親族、友人、従業員、村人などを招き、別れを告げるための大宴会を3日間にわたって催しました。

忠兵衛は、
「これでさっぱりした」
と側近の人に語ったそうです。

1903年(明治36年)7月8日に、初代伊藤忠兵衛は永眠しました(享年61歳)。

身近な人をとても大切にした伊藤忠兵衛。
忠兵衛が催した3日間の大宴会は、忠兵衛にとって、別れを告げるとともに、自分と関わった人々への最大限の感謝の表現方法だったのだと思います。

最近は、自分が生きているうちに行う「生前葬」を考える方が増えています。
ただ、その形式は、必ず葬儀と同じにする必要はなく、大勢の人とのパーティーのような形で行うなど、自分が望む自由な形式で行うことができるのがひとつの特徴です。
あなた様も、「葬儀」とは異なる自分なりの「別れ方」、そして「感謝の伝え方」を考えてみてはいかがでしょうか?
考えが浮かんだら、是非実践してみてください。

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