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【ベトナム7年】ベトナム人スタッフのマネジメントのためにした10のこと

こんにちは。
今日もちょっと太ってる、ほあいたいです。

コロナによる社会隔離が終わり、日常に戻ったハノイは外に出たくないほどの猛暑が続いてます。体感温度は40度超え。。

ということで、家に引きこもり、自分の仕事について書いてみようと思います。

なぜハノイにいるのか

僕はIT系の会社のベトナム現地法人で仕事をしています。
初めてハノイに来たのは2013年11月19日でした。もう7年目ですね。

その時は、ベトナム人エンジニアの教育とブリッジ業務のため、出張で来ました。

ベトナムに来る前はベトナムのことは、ほぼ何も知らなかったです。
フォーと生春巻きくらい(笑)どうでもいい話ですが、ベトナム1食目は日系の焼き肉でした。

その昔、野球をしにロサンゼルスに行ったことがあるのですが、そのときにリトルサイゴンは怖いから行かない方がいい、みたいな感じだったので、ベトナム人は怖いイメージでした(偏見かもしれないです、すみません)

僕は人見知ラーなので、ベトナム人とうまくコミュニケーションが取れるのか不安しかなかったです。正直最初は行きたくないと思いました。でも、実際来てみると、180度違いました。僕は恵まれてるのかもしれませんが、僕の周りには明るくて素直で性格が良いベトナム人が多いです。

6ヶ月間の出張を終えて、日本に帰りましたが、ベトナムで働くモチベーションとベトナムスタッフへの愛着が湧き、戻ってきたいという意志が強く、駐在という形でハノイへ戻りました。
そこから、6ヶ月後に現地代表を引き継ぎ、現在5年目になりました。

居心地の良い場所

ベトナムは家族文化で家族を優先し、家族をとても大事にします。
会社は週の大半の時間を過ごす場所です。なるべく、居心地がよく楽しい、家族といるような空間にしたいと思ってやってきました。

僕とスタッフ、スタッフ同士のコミュニケーションを重視しています。
とにかく、お互い信頼を得ることが大事だと思っています。

そして、これは良いのか悪いのか、働き方はゆるゆるです。

遅刻、外出、早退OKです。
理由は、はっきり報告してもらいますが、家族の用事だった場合、それをすませてから作業してもらった方が、効率が良いと思いました。

ランチタイム以外の適度な休憩もOKです。
1日8時間フルで集中するなんて無理ですよね。業務外のことをしてるときにアイディアなど、ひらめきもあるものです。

ただ、最低限のルールは設定していて、ホウ・レン・ソウとタスクの期限を守ることが絶対条件です。みんなルールをちゃんと守ってくれているし、納期意識も高く持っていると思います。

IT人材は旬なので、転職が多い中、離職は少ない方かなと思います。毎年退職者は出ますが、ほとんどの理由はポジティブだし、出戻りも何人もいます。会社をやめてからもスタッフ同士、仲が良いです。

会社を第2の家族と言ってくれ、会社を好きでいてくれるスタッフが多いように感じています。それでも、100%は難しく、中には良い辞め方をしなかったスタッフもいます。

人間性を重視する

一緒に仕事する上で人間性は重要だと思っています。ある程度スキルが無いと仕事になりませんので、もちろんスキルも必要です。

人間性を変えるのはなかなか難しいですが、スキルを上げていくことは、意識で変わると思っています。センスや地頭の良さは関わってきますので、そこでの差は出るとは思いますが、ある程度のところまでスキルを上げることができると思っています。

入社面談では、技術的なところは各リーダースタッフに任せて、僕は人間性をみます。

・挨拶
・座り方
・表情
・雑談をしたときの雰囲気
・スマホを気にしないか(ベトナム人は電話が来ると平気で出ますw)
・最後に自分が座っていた椅子を直すか
...etc

ざっくり、
特別なことはありませんが、こんなところです。

あとは会社の雰囲気に合うかですね。
今いるスタッフとの相性もみます。直感ですけどね。

ベトナム人スタッフのマネジメントのためにした10のこと

さて、本題ですが、いままで実際にマネジメントのためにしてきたことを具体的に書いてみます。

ベトナム人(ハノイの人の性格かな)は初めは警戒心があり、人の様子をよくみてる気がします。その代わり、信頼を得ると、一気に距離が縮まる感覚があります。

すべては信頼関係を作るために実施した行動です。

①日本語ができるコミュニケーターと仲良くなる
②フェイスブックでの間接的コミュニケーション
③覚えたベトナム語をすぐに使う
④同じ目線でいる
⑤体験を共有する
⑥裏方になる
⑦手作りのプレゼント
⑧テトの手紙
⑨家庭訪問
⑩スタッフ退職希望時の面談

①日本語ができるコミュニケーターと仲良くなる
ベトナム語で100%なコミュニケーションができないので、まずは日本語ができるコミュニケータースタッフと仲良くなるようにしました。仕事の話だけでなく、趣味の話も、ご飯の話も、恋愛の話も。

ベトナム人はおしゃべりで、人の噂が好きです(悪い方向に出るときもありますけど)コミュニケーターはコミュニケーションが仕事なので特に。まず、コミュニケーターに僕のことを知ってもらい、僕のことを口コミでスタッフに広まれば良いんじゃないかと思い、コミュニケーターと仲良くなるようにしました。

おかげさまで、退職したコミュニケーターとは今でも連絡を取り合う友達です。

②フェイスブックでの間接的コミュニケーション
ベトナムでは、フェイスブックでのコミュニケーションがさかんなので、スタッフと友達になります。ベトナムでの生活のこと、ベトナム料理のことなどをポストし、オープンな場で、間接的にベトナムが好きなことを伝えました。

ベトナム人は愛国心が強いので、ベトナムが好きということは喜んでくれるんじゃないかと思います。

③覚えたベトナム語をすぐに使う
ベトナム語はできないなりにも覚えたい意欲はあり、ホント簡単な会話はできます。7年いてそれだけかよって感じですが(笑)
覚えたらすぐにスタッフに使うようにしてます。特に若者言葉を仕入れて、使うとウケます。

日本語を勉強してるスタッフが日本語で、僕がベトナム語で会話する。これが面白いです。

日本語を勉強して日本語で話しかけてきたら嬉しいですよね。逆も同じだと思います。

④同じ目線でいる
どの国にいても、その国の文化や人間性を理解することが必要だと思います。そして、例え経済レベルが下の国でも同じ目線になること、むしろ自分が、下になるくらいの気持ちを意識してきました。僕が発展した日本に生まれ育ったのは、たまたまです。

上司と部下の関係でも同じだと思っています。
同じ目線で一緒に頑張ろうという気持ち、むしろエンジニアたちのほうがスキルや知識を持ってますので、逆に助けて欲しいという気持ちを持っています。

⑤体験を共有する
共に仕事をし、共に遊び、共にお酒を飲む。

スタッフみんな年齢より若いです。スポーツするときも全力、ゲームするときも全力で楽しむ。特にお酒を飲むときは乾杯したらコールとともに一気飲み。死ぬほどビール飲んできました。いつも死にかけます(笑)

⑥裏方になる
お客様と仕事をするときは、なるべくスタッフが評価されるようにしたいと思っています。実際に作業するのは僕ではなくスタッフです。

成功したときに評価されるのはスタッフ、失敗したときの責任は僕です。
トラブルが起こらないように、プロジェクトのチャットグループではなく裏でアドバイスをし、なるべくスタッフがうまくいくようにしています。

ときにはわざと注意されるようにすることもあります。
あきらかに伝え方が悪く、伝わらないなってときに、裏でそれだとこういう結果になると思うよ、って事だけ伝え、実際そうなると僕が言ったことが正解になるので、またそこで信頼が得られると思っています。なにより、スタッフの経験にもなりますね。

⑦手作りのプレゼント
ベトナム人はイベント事が好きで、みんなでイベントを楽しむことはマネジメントする中で大事なことのひとつです。

誕生日、こどもの日、中秋節(十五夜)、ハロウィン、クリスマス、バレンタイン、、など。日本にないイベントと言えば女性の日ですかね。女性に感謝する日です。

基本的には会社でイベントを行いますが、僕からも個人的にプレゼントを渡します。物を買うこともあるのですが、他にない手作りの物を考えて渡します。

例えば、中秋節には月餅や月見団子、ハロウィンにはジャック・オ・ランタン、クリスマスやバレンタインにはケーキ、女性の日にはデザインした植物を手作りました。

⑧テトの手紙
"テト" とは旧暦のお正月のことです。テト期間中はベトナム人は故郷に帰り家族と過ごします。そのときに仕事の話もします。家族からの会社に対する評価が良くないと転職しなさいと言われ、実際に退職につながるケースもあります。

スタッフへ感謝の気持ちを伝えるために、毎年テト休みに入る前に手紙を書いています。

この手紙を渡すことは、同じベトナムにいて尊敬する方がやっていたのを参考にしました。手紙はPCでのタイピングではなく、ひとりひとりに手書きで書くということを付け加えました。
家族にも読んでもらえるように、ベトナム語で書いています。

⑨家庭訪問
スタッフの家族ともコミュニケーションを取ります。

テト休み中には、行ける限りスタッフの実家巡りをしたこともあります。お酒をお土産に、家族と乾杯をします。ベトナム語でのコミュニケーションには苦労しますけどね。実家に行くと逆にたくさんお土産をいただいて帰ります。ベトナム人は、おもてなしの精神が強いと思います。

スタッフに子供ができたときは、必ず会いに行きます。また、イベントに家族も招待するようにしています。

⑩スタッフ退職希望時の面談
退職希望があったときは、引き止めることもありますが、理由をちゃんと聞き、受け入れることのほうが多いです。ベトナム人はわりと頑固ですので、すでに決めたことを変えるのはなかなか難しいです。

退職を承認するときも本人と面談をします。ゆるい感じの面談です。
まずは、今までの感謝の気持ちを伝えます。
そして、理由を改めて聞き、(内容によりますが)応援すると送り出します。
あとは、思い出話などの雑談をします。
さいごに、もし戻りたくなったら相談して、ということも伝えます。

この効果なのかはわかりませんが、退職後、戻ってきたいと言ってくれるスタッフは結構います。

退職するスタッフから感謝の手紙をもらったときは嬉しくて感動しました。

最後に

僕がしてきたことは正しかったのか正しくなかったのか、ホントに効果的だったのかは、ハッキリとはわかりません。自分ができることをやりました。そして、まだここで終わりではありません。

一番はスタッフが会社に来て仕事をしたいと思ってくれて、会社にいる時間が楽しいと思ってもらえることです。

スタッフみんなを幸せにするとか、たいそうなことは言えないです。幸せを感じるのは瞬間的なものです。でも、自分がしたことの結果、そう思ってもらえたとき、それは僕の幸せの瞬間です。

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