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すばらしく良い場所

「誰かが見ているよ」ってよく言うじゃないですか?
良いことも悪いこともどこかで誰かが見ているから、面倒なことでもコツコツ頑張って、小さな悪事もしないようにしよう、みたいな意味で。性善説にやや傾いた使い方をされると思う。わたしとしては小さい頃によく言われたから、信じてるというよりは体に染みついている言葉だ。

昼はいつも公園で休憩している。ここにはでかい芝生がある。この間まで養生してて立ち入り禁止だったけど、最近開放された。青々とした芝が夏の日差しに照らされて、きれい。
芝の周りはカラフルな旗で囲われている。旗には
The great good place とおしゃれ風にプリントされていた。ちょっと待って。グレイトとグッドってダブってる感じするけど大丈夫そ?
試しに翻訳してみたら素晴らしく良い場所、だそうです。その絶妙なダサさも含めて、広くてきれいで居心地が良い。

ここには造園管理の人が居て、いつも何かしら整備をしている。この人たちは恐らく公務員なんだろうけど、とても腰が低くい。このエリアはあと何分で水を撒きますよとか、作業してて通りづらくてすみません、とか丁寧に声をかけてくれる。

最近は芝の手入れを頻繁にしていて、なにやら地面を掘ったり、戻したりしている。それこそこの炎天下に、コツコツ、コツコツと。

コツコツ、コツコツ
グレイトグッドプレイス


いつものように公園の端の日影でコーヒーを飲んでいた。夫婦らしき男女が話しながら歩いて来て、会話が聞こえた。この規模の芝をこんなに綺麗に維持するのは大変だ。端まできちんと整備されていてすごい、等と。男性の方は造園業に詳しいらしく、その仕上がりを褒めちぎっていた。

今日も管理の人は遠くの方で作業をしていて、もちろんこの男性の言葉は聞こえていない。
別に人の目を気にして生きる必要も、善く生きる必要もないとは思うんだけど、それでも。

ああ。この人は、「誰かがみている」の「誰か」だなあと思った。


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