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【連載小説】私、悪役令嬢でしたの? 侯爵令嬢、冒険者になる ~何故か婚約破棄されてしまった令嬢は冒険者への道を選んだようです、目指すは世界最強!魔王討伐! スキルは回復と支援しかないけれど……~

43. 令嬢、捌く ⑥

 ストラスとレッド、ホワイト、もちろんハンスも首を捻って考える中、エマだけが不思議な態度を見せ、ジャックに答えたのであった。

「緑の実はプラム! 黄色くなれば食べれるみたいでしてよ、でも大きなタネの中身は食べてはいけないのですわ、絶対! 種の中には毒があるそうですわ! 青酸配糖体せいさんはいとうたい? とかなんとか……

どうしても食べたいならば塩漬けにした後で紫の紫蘇シソ、ルビンバジルと一緒に数か月漬け込んだ後、食する事が安全であるようですわ! そしてその黒々とした方の実はタブノキの実、そのまま食べても無害なようです、ねっとりとして美味しいそうですわよ、あぼがど? の仲間だそうですわ! どう? ジャックさん、オッケイですか? 」

「は、はい! オケイです! ありがとうございました、エマ様! 」

 これもここ最近の日常の一コマであった。
 森や林の中で見つけたキノコや木の実、山菜の類が人に害を為す物かどうか、一々エマに確認する事がこの集落では当然になっていたのである。

 エマは聞かれた都度、心中で精霊、カーリーにお伺いを立てて、その度にカーリーのありがたい解説を皆に告げ続けて来たのであった。

 カーリーのアドバイスには収穫物の保存方法なども含まれることが多く、お陰で集落の食糧事情も大幅に改善されたのである。

────受講生たちの魔力量も随分増えて参りましたわ、デビットやイーサン、マリアが教えているみんなも自発的な訓練を始められているようですし、生活力も高まって冒険者として活躍しはじめている…… これは、そろそろ……

「さらに上を目指す時なのですわ! 」

 突然大きな声で訳の分からない宣言をしたエマを心配そうに見つめるストラスと二人の師匠達。

 レッドが優しく声を掛ける。

「大丈夫かいエマ? 疲れてるんだったら少し休みなよ」

「? いいえ、大丈夫でしてよ? ここの皆さんも大分落ち着いて来てらっしゃるでしょう?
ですからそろそろ私達、ノブレスオブリージュ自身も成長すべきではないかと思ったのです、
具体的にはシルバー冒険者になってダンジョンに潜り、ステハムやお師匠様達の様なゴールド冒険者を目指す時だと思い至ったのですわ」

 エマの言葉を聞いたレッドとホワイトは手放しで喜んでいる。

「そっか、それはいいね、魔石の累積は十分過ぎるし申請だけなら手続きもすぐだよ、ね、ホワイト? 」

「ああ、それにエマ達四人は俺やレッドより個々の実力は全然上だからね、あっという間にゴールドに上がれるよ! こりゃ追い抜かれないように頑張らなきゃな、レッド? 」

「ああ」

「ありがとうございますわお師匠様、徒弟エマ一所懸命に努力しお師匠様達に追いついて見せます! 楽勝なのです! 」

 無言でやり取りを見ていたストラスがエマとレッド、ホワイトの双方に話し掛けた。

「あー、レッドホワイト、それにエマよぉ、そんなに簡単じゃないと思うぜ? 」

「ええ、何故ですの? ステハムが言い出した事でしょう? 先程お師匠様が言われた、個々の実力なら私達の方が上だと、そうでしょう? 」

 ストラスは頷いて答えた。

「確かに言ったぞ、でもな一対一で優れているからといってもな、パーティーにはバランスってのが必要だからな、その点ノブレスオブリージュはパーティーバランス的に後一つ欠いている部分があると俺には感じられるんだよ、まあいいさ、やってみるんだな! そうすればお前にも気が付く事が出来るだろうさエマ」

「足りない部分、ですの? ミッシングピース? 分かりましたわ、心に留めて置きましょう、ありがとうステハム」

「ああ、気を付けろよ」

 少し釈然としないままではあったが、エマはジャック達やパーティー達に対して、今後は冒険者としての成長を中心に活動する旨を伝え、各種作業の引継ぎ期間として二週間を設ける事を告げるのであった。

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お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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※この作品は『小説家になろう』様にて、先行して投稿している作品です。宜しければこちらからご覧いただけます^^↓

公爵令嬢冒険表紙01-3m


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