第一の親友

そいつとは小学校から一緒だった。

初めて意識したのは、同じクラスになってから。
そいつが休み時間にトイレかなんか行ってたのかな? 教室に笑顔で帰ってきて、その顔が眩しかった。白く光ってるように感じた。魂のメロディーというんですか。
そういうのに惹かれました。
そして声をかけました。

ねえ、俺も一緒に遊んでいい?

うん!

そうして、俺の友達の輪は広がった。
それ以降、そいつとは中学、高校と一緒で、帰り道はいつも一緒に帰ってた。

小学校のときの帰り道。
各々の家への別れ道で、そこの近くの柵に手を置いて、ずっとギリギリの時間まで喋り倒した。

色んなことを話したな。
特に覚えていないのだが。
そこの雑談で、俺の人生哲学は出来上がったようなものだ。

そこで出た俺の名言というか、所感というか、理想だな。

『親友というのは、やがて会わない時間があっても、また再開したときには、まるで昨日会ったかのように、気さくに昨日の続きをするように話すことができる間柄のことを言うのだろう』。

大学はさすがに違うところへ行った。

私が携帯を持ち始めたのは大学に入ってからだ。
どうやってメルアド交換とかしたんだろうな?
そこらへんの能力はあるようだ。

大学一年生、前期はメールの返信が来ていた。

途中から返信が来なくなった。
嫌われたのかなと思ったり。

その後、彼のことを心配しながら、彼の家の近くを散歩していたら、バッタリ出くわした。

おう、どうした。

いや、機種変更してさ。

そっか。じゃあ、また番号教えてくれや。

みたいなね。

あとから聞いた話。
彼は携帯を失くしたのかな。新しい携帯にしたときに、連絡先がすべて消えたそうだ。
でも、親友なら、俺の実家の電話番号を教えているのだから、メルアド(携帯)代わったよって、教えてくれても良いよな?

そう言ったら。

いや、特に連絡する用事とか無かったからさ。
と。

それと、親友だと思ってたのは俺の方だけで、向こうは友達の一人だと思っていたそうだ。
まあ、彼の言い分では、そもそも、友達と親友と別ける必要なくね? とのことなのだが。

俺はロマンチストなのかな。
お互いに、親友だと思い合えてたら、それはとっても素敵だなって。

理想像↓

俺→親友と思ってる→●←親友だと思ってる←彼

ところが、

現実↓

俺→親友だと思ってる→●←友達の一人だと思ってる←彼


この話を聞いたときは、親友が一人減ったなあと思ってしまったけど。

友達は友達でも、親交歴は長い友達だから、優遇してくれない?
ダメ?🥺

そんな彼ですが、仮面ライダーのベルトの玩具を手に取ると、その気になって、成り切ります!
シュッ、バッ!

ってな!😂

どこか天然なところが憎めないのよな。

ブラックな上司に悩まされてるところはあるみたいだけど、精神はタフだから、たぶん大丈夫だろう。

これが、小学中学高校と一緒だった親友の話です。

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