詩）教室

此処は濃縮された世界
戦争も差別も宗教も全てが混沌とした世界
狭い部屋の中では逃げられない
四方を壁に囲われて
窓から見える景色すら虚像と疑う

部屋の中にはシャボンが浮かぶ
シャボンに触れたら大変だ
弾けて中身が飛び出てしまう
割れたら最後
戦争の始まりだ
弱者は追われ強者は鞭を振る
どちらでもない者は
耳を伏せて下を向く

誰が偉くて誰が奴隷なのか
ピラミッドの頂点から神が叫ぶ
信者は同じ衣服で着飾り得意顔
神に近づかんと必死にもがく
神を信じぬものは隅においやられ
声を失い存在すらも消される

こんな世界は出鱈目で
今日も嘘を貼り付け笑顔をつくる
此処は地獄か天国か
気狂い亡者がはしゃいで回る

この詩は、舟さんの詩から着想を頂きました。
舟さんの詩は、若かりし日に置いてけぼりになった気持ちを思い起こさせられるものが多く、誰もが抱いた事のある違和感を見事に切り取られています。
共感とか寄り添うというよりも、抉り取られる様な詩の世界を是非、体験してみて下さい。