詩)美しい詩
美しい言葉の羅列を意味深に謳う
自己陶酔と何処かで借りてきた感情が
隙間を埋めるように詰め込まれ
流れる景色に同化して
誰の目に留まる事もない
二酸化炭素よりも軽い言葉の羅列は
何のために生み出されたのか
意味も名前すら与えれる事なく
空に吸い込まれては霧散した
運良く地面を捕まえた所で
石ころや雑草の様に静かに佇む
誰かの耳に残したくて紡いだ言葉は
結局、誰かの模倣に過ぎず
自らをさらけ出してみたものの
己の事すらわからぬ者の戯言に過ぎず
耳障りな落書きに終わる
美しい詩を作りたい
曇ることも汚れる事もない透明な詩を
霞む事なく鎮座する誇らしい詩を
いや美しくなくてもいい
誰かの心に残る雑音で構わない
忘れ去られる事のない詩を
誰かの心にしがみ付き離れる事のない
呪いの様な啓示の様な一節を
誰かに何かを与える詩を私は書きたい