米国株決算マン2世(米国企業決算から見るビジネス最前線)

投資とビジネスに役立つ、決算データで見る注目企業動向。 2020年6月にStraine…

米国株決算マン2世(米国企業決算から見るビジネス最前線)

投資とビジネスに役立つ、決算データで見る注目企業動向。 2020年6月にStrainerファミリーに。2023年6月に初代決算マンから交代、ストレイナーの米国記事を掲載しています。

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記事一覧

Apple最新決算:前年の反動でiPhone売上は一割減も時間外株価は6%高

Appleが5月2日、2024年1〜3月期決算を発表。売上高は前年比4.3%減の907億ドル、営業利益は同じく1.5%減の279億ドルだった。 サービス売上高は過去最高を更新。ティム・ク…

スーパーマイクロ3Q決算!業績続伸見込むも株価は急落、液体冷却製品の量産本格化

AIサーバーの取り扱いで注目を集めるスーパーマイクロコンピュータが4月30日、2024年1〜3月期決算を発表。売上高は38.5億ドル(前年比290%増)、営業利益は3.8億ドル(同37…

Amazon 1Q決算:配送改善とAWS加速で収益性向上、AI需要拡大に向け設備投資を拡大

Amazonが4月30日、2024年1〜3月期決算を発表。売上高は前年比12.5%増の1,433億ドル、営業利益は同じく220%増の153億ドルだった。 アンディ・ジャシーCEOは「良い一年の始…

Alphabet 1Q決算!大量に情報入力できる『Gemini 1.5 Pro』発表、検索事業の盤石さアピール

アルファベットが4月25日、2024年1〜3月期決算を発表。売上高は805億ドル(前年比15%増)、営業利益は255億ドル(同46%増)だった。 スンダー・ピチャイCEOは「検索、YouT…

Microsoft 3Q決算!クラウドからソフトウェアまでAIが成長を牽引中

マイクロソフトが4月25日、2024年1〜3月期決算を発表。同社においては第3四半期にあたる。 売上高は619億ドル(前年比17%増)に拡大し、営業利益も276億ドル(同23%)と堅…

メタ・プラットフォームズ1Q決算!損益堅調もAI投資拡大を表明、株価は急落へ

メタ・プラットフォームズが4月24日、2024年1〜3月期決算を発表。売上高は365億ドル(前年比27%増)、営業利益は138億ドル(同91%増)だった。 増益基調が続く中、メタ社…

テスラ 1Q決算!販売台数減少の中リストラ表明、新型車種の発売は前倒しへ

電気自動車メーカーのテスラが4月23日、2024年1〜3月期決算を発表。売上高は213億ドル(前年比8.7%減)、営業利益は11.7億ドル(同56%減)となった。 業績悪化がすでに織…

TSMC 1Q決算:スマホ軟調もHPC牽引、下期は売上復調見込むが粗利率悪化へ

半導体ファウンドリ最大手のTSMCが4月16日、2024年1〜3月期決算を発表。 復調期待が大きく高まった前四半期と比べると売上・利益ともに減少し、決算発表翌日の株価も4.9%…

Netflix 1〜3月決算:有料会員続伸も時間外株価は下落、今後の成長持続は可能か?

Netflixが今朝方、2024年1〜3月期決算を発表。売上高は93.7億ドル(前年比15%増)、営業利益は26.3億ドル(同54%増)だった。 足元の成長は力強いが、2024年の売上成長率…

ウォルマートとの連携で急成長!”レシート買取”アプリの老舗「Ibotta」が新規上場

米国で人気のキャッシュバックサービス、Ibotta(アイボッタ)が近くニューヨーク証券取引所への新規上場を果たす。 2012年に創業した同社を立ち上げたのは、なんと法律家…

創業約10年でARR1,000億円超!セキュリティベンダー「Rubrik」が新規上場

2013年創業のセキュリティベンダー、Rubrikが4月1日に新規上場に向けた申請書類を提出した。 まず目につくのは事業規模の大きさだ。ARR(年次リカーリング収益)は直近で7…

2023年後半から大変貌!AIインフラ向けソリューションの「Astera Labs」が上場

AIインフラ向けソリューションを手がけるAstera Labsが三月、ナスダック市場への新規上場を果たした。 同社を創業したのはジテンドラ・モハン(Jitendra Mohan)。インド…

創業19年、今なおユーザー数が増加中「Reddit」が新規上場

コミュニティサイト運営の「Reddit」が3月、ニューヨーク証券取引所への新規上場を果たした。同社は2005年に設立され、多様なトピックを網羅していることで知られる。 202…

コロナ禍乗り越え株価急騰!積極出店を進める「Kura Sushi USA」の現在

回転寿司チェーン「くら寿司」の米国法人、Kura Sushi USAが株式市場での注目度を高めている。4月4日に発表された決算で、2023年11月〜翌2月の売上高は5,730万ドル(前年比…

カスタマイズ型の上場企業データベース「Finboard」をリリースしました

おはようございます。今回は、運営元である(株)ストレイナーから新サービス開始のお知らせとなります。 当社では2017年から経済メディア運営を開始し、2020年に米国株決…

収益体質へ変貌した「ServiceNow」ARR100億ドルを目前、生成AI活用へ本腰

SaaS企業をめぐる評価が成長から収益へとシフトする中、かえって大きな躍進を遂げた企業がいくつかある。その一つが、ITサービスマネジメントプラットフォームとして始まっ…

Apple最新決算:前年の反動でiPhone売上は一割減も時間外株価は6%高

Apple最新決算:前年の反動でiPhone売上は一割減も時間外株価は6%高

Appleが5月2日、2024年1〜3月期決算を発表。売上高は前年比4.3%減の907億ドル、営業利益は同じく1.5%減の279億ドルだった。

サービス売上高は過去最高を更新。ティム・クックCEOは、新製品『Apple Vision Pro』がもたらす「空間コンピューティング」の可能性に言及した。来週にはさらにエキサイティングな発表も控えているという。

決算発表後の時間外株価は6%以上の上昇中

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スーパーマイクロ3Q決算!業績続伸見込むも株価は急落、液体冷却製品の量産本格化

スーパーマイクロ3Q決算!業績続伸見込むも株価は急落、液体冷却製品の量産本格化

AIサーバーの取り扱いで注目を集めるスーパーマイクロコンピュータが4月30日、2024年1〜3月期決算を発表。売上高は38.5億ドル(前年比290%増)、営業利益は3.8億ドル(同372%増)だった。

業績としては堅調に見えるが、株式市場の期待には届かなかったようだ。3月にピークをつけた株価は軟調な推移が続いており、今回の決算発表後における時間外株価は約10%の下落となった。

チャールズ・リャ

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Amazon 1Q決算:配送改善とAWS加速で収益性向上、AI需要拡大に向け設備投資を拡大

Amazon 1Q決算:配送改善とAWS加速で収益性向上、AI需要拡大に向け設備投資を拡大

Amazonが4月30日、2024年1〜3月期決算を発表。売上高は前年比12.5%増の1,433億ドル、営業利益は同じく220%増の153億ドルだった。

アンディ・ジャシーCEOは「良い一年の始まりだった」と回想。インフラを刷新する企業の需要に生成AIへの引き合いが加わり、AWS事業の売上成長が加速。AWSの売上規模は、今や年間1,000億ドルペースにのぼる。

ストア事業では、品揃えと価格競争

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Alphabet 1Q決算!大量に情報入力できる『Gemini 1.5 Pro』発表、検索事業の盤石さアピール

Alphabet 1Q決算!大量に情報入力できる『Gemini 1.5 Pro』発表、検索事業の盤石さアピール

アルファベットが4月25日、2024年1〜3月期決算を発表。売上高は805億ドル(前年比15%増)、営業利益は255億ドル(同46%増)だった。

スンダー・ピチャイCEOは「検索、YouTube、そしてクラウドが事業を牽引した」と表明。独自の生成AIツール『Gemini』を含め、会社全体で勢いが増していることをアピールした。

重要視するのは、AIをめぐる業界でのポジショニングだ。新たな大波を見

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Microsoft 3Q決算!クラウドからソフトウェアまでAIが成長を牽引中

Microsoft 3Q決算!クラウドからソフトウェアまでAIが成長を牽引中

マイクロソフトが4月25日、2024年1〜3月期決算を発表。同社においては第3四半期にあたる。

売上高は619億ドル(前年比17%増)に拡大し、営業利益も276億ドル(同23%)と堅調。株価はこの一カ月で5.4%ほど下がったが、決算発表後の時間外株価は4.6%上昇した。

サティア・ナデラCEOはプレスリリースで「CopilotシリーズがAI革命の新時代を指揮している」と豪語。あらゆる職種や業界

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メタ・プラットフォームズ1Q決算!損益堅調もAI投資拡大を表明、株価は急落へ

メタ・プラットフォームズ1Q決算!損益堅調もAI投資拡大を表明、株価は急落へ

メタ・プラットフォームズが4月24日、2024年1〜3月期決算を発表。売上高は365億ドル(前年比27%増)、営業利益は138億ドル(同91%増)だった。

増益基調が続く中、メタ社の株価はこの一年間で138%もの上昇。ところが決算後の時間外株価は、執筆時点で15%以上の急落となっている。理由の一つは、4〜6月の売上予想が365〜390億ドル(前年比14〜22%増)と減速が見込まれるためだ。

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テスラ 1Q決算!販売台数減少の中リストラ表明、新型車種の発売は前倒しへ

テスラ 1Q決算!販売台数減少の中リストラ表明、新型車種の発売は前倒しへ

電気自動車メーカーのテスラが4月23日、2024年1〜3月期決算を発表。売上高は213億ドル(前年比8.7%減)、営業利益は11.7億ドル(同56%減)となった。

業績悪化がすでに織り込まれていたこともあり、時間外株価は目下13%もの上昇中。イーロン・マスクCEOが語る今後の展望に、気持ちを揺さぶられる投資家はまだまだ少なくないようだ。

マスクCEOが語る成長戦略の中心には、自動運転と新型車種

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TSMC 1Q決算:スマホ軟調もHPC牽引、下期は売上復調見込むが粗利率悪化へ

TSMC 1Q決算:スマホ軟調もHPC牽引、下期は売上復調見込むが粗利率悪化へ

半導体ファウンドリ最大手のTSMCが4月16日、2024年1〜3月期決算を発表。

復調期待が大きく高まった前四半期と比べると売上・利益ともに減少し、決算発表翌日の株価も4.9%の下落。生成AIの盛り上がりとともに関連する需要が高まっているが、会社全体を上向かせるには至っていない。

とはいえ、結果を断ずるのは時期尚早と言える。大きな割合を占めるスマートフォン向けは、業績が軟化した最大の要因。パソ

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Netflix 1〜3月決算:有料会員続伸も時間外株価は下落、今後の成長持続は可能か?

Netflix 1〜3月決算:有料会員続伸も時間外株価は下落、今後の成長持続は可能か?

Netflixが今朝方、2024年1〜3月期決算を発表。売上高は93.7億ドル(前年比15%増)、営業利益は26.3億ドル(同54%増)だった。

足元の成長は力強いが、2024年の売上成長率は「13〜15%」に落ち着く見通しを表明。昨年から始めた「ペイドシェアリング」(アカウント共有対策)による売上成長が一巡する見通しが固まり、時間外株価は目下4.9%の下落となっている。

それに加えて注目を集

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ウォルマートとの連携で急成長!”レシート買取”アプリの老舗「Ibotta」が新規上場

ウォルマートとの連携で急成長!”レシート買取”アプリの老舗「Ibotta」が新規上場

米国で人気のキャッシュバックサービス、Ibotta(アイボッタ)が近くニューヨーク証券取引所への新規上場を果たす。

2012年に創業した同社を立ち上げたのは、なんと法律家出身の起業家だ。イエール大のロースクールまで通ったにも関わらず、「自分のやりたいことではない」と考えて起業家に転身。法律とは真逆の世界に見える”レシート買取アプリ”を立ち上げることになった。

今ではレシート買取にとどまらず、名

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創業約10年でARR1,000億円超!セキュリティベンダー「Rubrik」が新規上場

創業約10年でARR1,000億円超!セキュリティベンダー「Rubrik」が新規上場

2013年創業のセキュリティベンダー、Rubrikが4月1日に新規上場に向けた申請書類を提出した。

まず目につくのは事業規模の大きさだ。ARR(年次リカーリング収益)は直近で7.8億ドルを超え、前年比47%もの拡大。ホーム・デポやペプシコ、ゴールドマンサックスなどの大手企業も顧客として名を連ねている。

2014年1月末時点でのネットリテンションレートは133%にのぼり、既存顧客からのアップセル

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2023年後半から大変貌!AIインフラ向けソリューションの「Astera Labs」が上場

2023年後半から大変貌!AIインフラ向けソリューションの「Astera Labs」が上場

AIインフラ向けソリューションを手がけるAstera Labsが三月、ナスダック市場への新規上場を果たした。

同社を創業したのはジテンドラ・モハン(Jitendra Mohan)。インド工科大で電子工学を学び、スタンフォード大で修士課程を修了した経歴の持ち主だ。半導体企業のテキサスインスツルメンツを経て、2017年にAstera Labsを立ち上げた。

業績推移を見ると、2023年6月までの損

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創業19年、今なおユーザー数が増加中「Reddit」が新規上場

創業19年、今なおユーザー数が増加中「Reddit」が新規上場

コミュニティサイト運営の「Reddit」が3月、ニューヨーク証券取引所への新規上場を果たした。同社は2005年に設立され、多様なトピックを網羅していることで知られる。

2021年の「ミーム株」騒動において、その中心にあったプラットフォームこそがRedditだ。上場に先立って、同社の人気フォーラム「r/WallStreetBets」で同社を空売りすることへの投稿が話題に。

設立から20年近くが経

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コロナ禍乗り越え株価急騰!積極出店を進める「Kura Sushi USA」の現在

コロナ禍乗り越え株価急騰!積極出店を進める「Kura Sushi USA」の現在

回転寿司チェーン「くら寿司」の米国法人、Kura Sushi USAが株式市場での注目度を高めている。4月4日に発表された決算で、2023年11月〜翌2月の売上高は5,730万ドル(前年比30.5%増)だった。

くら寿司は2009年、カリフォルニア州アーバインに米国初となる店舗を出店。Kura Sushi USAとして2019年にナスダック市場へ上場、コロナ禍を乗り越えながら事業を拡大してきた。

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カスタマイズ型の上場企業データベース「Finboard」をリリースしました

カスタマイズ型の上場企業データベース「Finboard」をリリースしました

おはようございます。今回は、運営元である(株)ストレイナーから新サービス開始のお知らせとなります。

当社では2017年から経済メディア運営を開始し、2020年に米国株決算マンがグループインしました。2023年6月には先代決算マン氏が退社することになりましたが、会社としては粛々と記事の制作を続けてまいりました。

決算記事を執筆する上で土台とも言えるのが、各企業の決算データの収集です。長年をかけて

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収益体質へ変貌した「ServiceNow」ARR100億ドルを目前、生成AI活用へ本腰

収益体質へ変貌した「ServiceNow」ARR100億ドルを目前、生成AI活用へ本腰

SaaS企業をめぐる評価が成長から収益へとシフトする中、かえって大きな躍進を遂げた企業がいくつかある。その一つが、ITサービスマネジメントプラットフォームとして始まったServiceNowだ。

かつて粉飾会計によって倒産したペレグリン・システムズでCTOを務めたフレッド・ラディが2004年、50歳を目前にして創業。自宅オフィスの一台のノートパソコンから始まったServiceNowは、今や世界を代

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