米国株決算マン2世(米国企業決算から見るビジネス最前線)

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米国株決算マン2世(米国企業決算から見るビジネス最前線)

投資とビジネスに役立つ、決算データで見る注目企業動向。 2020年6月にStrainerファミリーに。2023年6月に初代決算マンから交代、ストレイナーの米国記事を掲載しています。

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  • 月刊 米国株決算祭り

    優良企業・話題の企業を中心に米国上場企業の決算データおよび企業動向を毎四半期ベースで定点観測。Twitter:米国株決算マン https://twitter.com/KessanMan で3年以上配信してきた内容をさらにアップグレードして配信。

最近の記事

chocoZAPの先輩格?”意識低い系”フィットネス店「Planet Fitness」の戦略

昨日チェックした『chocoZAP』に関連して、改めて紹介したい企業がある。米国のフィットネス施設チェーン「Planet Fitness」だ。 同社については大昔に取り上げたことがあるが、何度見てもユニークな会社だ。どう見てもフィットネスジムなのだが、「我々はジムではない」と主張。「We're Planet Fitness」だそうだ。 月額料金わずか10ドルで、マシントレーニングなどの設備を利用できる。典型的なサイズ感は2万平方フィート(≒1,858㎡)と大きい。ちなみに

    • Adobe 3Q決算「Firefly」一般公開に新料金プラン、11月には値上げで更なる成長へ

      大手テクノロジー企業の一つ、Adobeが株式市場における評価を高めている。 同社はPhotoshopやIllustrator等のソフトウェアで知られ、世界中のクリエイティブに携わる人達が使う。さらに現在は、「生成AI」周りでの打ち手を積極的に進めている。 株価は年初来57%もの上昇、一年前からは倍増した。それでも2021年末のピーク時と比べると23%減。株価収益率は50倍に迫り、一般的な水準で見て評価が低いわけではない。 売上高は前年比10%増の49億ドル。営業利益は同

      • 食料品スーパーの”買い物代行”で圧倒的シェアを掴んだ「Instacart」が新規上場へ

        食料品スーパーと消費者をつなぐプラットフォーム「Instacart」が、新規上場に向けた申請書類(Form S-1)を提出。運営元の会社は「Maplebear」という名前である。 Instacartは2012年に創業、やがてユニコーン企業の一つとして知られるようになった。非上場企業としての評価額は、2021年に390億ドルにのぼった。 多くのユニコーン企業と同様、その後も評価を維持できたわけではない。2022年には評価額を240億ドルに引き下げた。今回の新規上場において、

        • スモークフリーを目指す世界的タバコ会社「アルトリア」の現在

          現代の資本市場において、タバコ産業は微妙な環境におかれている。 商売としての「儲かり具合」は折り紙付きだ。米国で主に展開するアルトリアグループの場合、2022年の売上高251億ドルに対して原価は64億ドル(売上の26%)。 マーケティングや一般管理費用は計23億ドル(同9.2%)で、実力値として64%を超える営業利益率を有することになる。現実にはタバコ販売への課税(同18%)により、営業利益率は47%にとどまる。 このような中でアルトリアが掲げるビジョンは、「スモークフ

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          今なお急成長を続ける中国Eコマース企業「拼多多」海外向けTemuでも色々な話題

          中国のEコマース企業、拼多多(PDD Holdings)を覚えているだろうか。アリババやJD.comと並ぶ中国有数のマーケットプレイス企業として、大きな存在感を誇る会社だ。 今年4月、同社のアプリがAndroidの脆弱性をつき、利用者のスマホから不正に情報を取得していた件をCNNが報じた。 この件が問題となったのは中核の『Pinduoduo』であるが、報道により新サービス『Temu』にも懸念が広がった。新たに開始した、海外向けのショッピングアプリである。 そんな懸念など

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          株式市場で低調の「PayPal」三つの戦略で成長懸念を払拭できるか?

          どんな優良企業も、株式市場で常に高く評価され続けることは難しい。 少し前だと、FacebookやInstagramを傘下にもつMeta Platformsが2021年後半からの一年強で株価を急減させた。昨年末より広告市況の底打ちが明らかになると、株価も安値から約3倍にまで復調した。 今の環境において、似たような境遇にあるのがオンライン決済サービスの老舗、PayPal Holdingsだ。株価がピークに達したのは2021年7月。その後は急坂を転げ落ちるように下落してしまった

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          「NVIDIA」驚異の決算で時間外株価上昇、来年まで供給面も四半期ごとに拡大へ

          NVIDIAが8月23日、2023年5〜7月期決算を発表。誰もが注目する企業の動向が明らかになった。 前回決算において売上予想は110億ドルと開示され、市場からの期待値は大きく高まった。ところが蓋を開けてみると、実際の売上高は135億ドル(前年比101%増)。上げた期待をさらに大幅に超える結果となった。 さらに驚くのが収益性である。営業利益は前年比13倍の68億ドル。半年前の売上高をも上回る、とてつもない大幅増益である。市場の反応も今のところ上場で、時間外株価は6%を超え

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          新興国向け越境決済「dLocal」が好調すぎる

          新興国向け越境決済プラットフォームを手掛けるdLocalが、株式市場における評価を高めている。8月16日に新たな決算が発表された後、本日までに株価は53%もの急騰となった。 損益推移を見れば、その勢いは容易に見て取れる。2023年4〜6月の売上高は1.6億ドル(前年比59%増)、営業利益は4,800万ドル(同36%増)だった。 世界広しといえど、これほどの規模で高成長と高収益を両立させる企業はそうあるものではない。時価総額は56億ドルを超え、直近一年間における純利益(1.

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          Work OSを標榜「Monday.com」マルチプロダクト戦略で急成長を続ける

          ワークマネジメントツールのMonday.comが、マルチプロダクト戦略による成長を続けている。 同社は「Work OS」を標榜し、人々がより効率よく働くためのツール群を提供する。プロジェクト管理からCRM、開発者向けなど、展開する製品領域を成長とともに広げてきた。 重かった販売費用も対売上比で圧縮され、すっかり黒字化が近づいたように見える。先日発表された4〜6月期決算で、売上高は前年比42%増の1.76億ドル。営業損失は1,200万ドルだった。 収益性を高めつつ成長率も

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          Palantir 2Q決算:強い需要を集める「AIP」そのポテンシャルはいかほどか?

          ソフトウェア企業のPalantirが8月7日、2023年4〜6月期決算を発表。 売上高は前年比13%増の5.3億ドルと続伸、会社予想の上限近くで着地した。調整後営業利益は1.35億ドルとなり、会社予想の上限(1.22億ドル)を上回った。 株式市場におけるPalantir人気は、いまだ冷めやらない。株価は5月から本格的な上昇をはじめ、執筆時点で年初来181%を超える高騰。時価総額は380億ドルを超えた。 足元の進捗を踏まえ、通期売上予想は「22.12億ドル以上」に引き上げ

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          Apple 3Q決算:減収続くもサービス売上は最高、高金利預金が計100億ドルを超える

          Appleが8月3日、2023年4〜6月期決算を発表。同社では第3四半期にあたる。 売上高は818億ドルで、前年比1%の減少だった。一株あたり利益(希薄化後)は1.26ドルとなり、同5%の拡大。時間外株価は執筆時点2%の下落である。 第3四半期として、Appleが前年比での減収に直面したのは2016年以来のこと。当時も2015年が好調で、その反動が顕著になった時期だった。 その後も前年比減収になった四半期はあったが、多くはサプライチェーン逼迫など一時的な問題によるものだ

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          Uber 2Q決算:初の営業黒字化!供給重視でモビリティ続伸、デリバリー収益性も改善中

          Uberが8月1日、2023年4〜6月期決算を発表。 プラットフォーム全体の月間アクティブ利用者数(MAPCs)は1.37億人(前年比12%増)と続伸。取扱高は336億ドル(同16%増)、売上高も92.3億ドル(同14%増)と拡大した。 特筆すべきは、同社の歴史上初となる「営業黒字化」を達成したこと。減価償却費やら株式報酬を差し引いた「調整後」ではない、正真正銘のGAAP営業黒字である。 ダラ・コスロシャヒCEOは「力強い需要、新たな成長施策、引き続きのコスト管理が良い

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          デジタル銀行「SoFi」決算翌日に株価20%高、預金残高は127億ドルに続伸

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          Microsoft 決算!クラウド&AIが牽引し増益も、売上予想弱く時間外株価は下落中

          Microsoftが7月25日、2023年6月期決算(通期)を発表。4〜6月の売上高は562億ドル(前年比7%増)、営業利益は243億ドル(同18%増)で増収増益を果たした。 一口に「18%」と言っても、規模を考えれば並の増益ではない。増やした営業利益は37億ドル。純利益は33億ドルだ。市場が5,000億円も拡大すれば相当の成長市場だが、Microsoftは一社でそれを体現しているような状態(しかも三か月間)である。 サティア・ナデラCEOは「組織が問うているのは、次世代

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          Netflix決算「ペイドシェアリング」で加速!広告付きプラン会員は1Qからほぼ倍増

          Netflixが7月19日、2023年4〜6月期決算を発表。売上高は前年比3%増の81.9億ドルにとどまったが、営業利益は18.3億ドルで16%増。7〜9月には成長が加速する予想も開示したが、翌日の株価は8%を超える急落となった。 すっかり成長が鈍化したNetflixは、再成長を実現するための打ち手の一つとして「ペイドシェアリング」の展開を掲げていた。全体で一億世帯以上がアカウントを共有しているともされる中、本格的な「取り締まり」を始めたのだ。 5月には100を超える国

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          Tesla 最新決算:売上増も収益性は低下、3Qは工場アップグレードで生産数減少へ

          電気自動車メーカーのテスラが7月19日、2023年4〜6月期決算を発表。 売上高は前年比47%増の249億ドルに拡大。一方で営業利益は24億ドルにとどまり、2四半期連続での減少となった。為替変動による営業外収益の拡大により純利益は26億ドルで、前年比で15%増益だった。 イーロン・マスクCEOは「生産・販売台数、売上高が過去最高を記録した」「Model Yが世界の全車種で最も売れた」と強調。より低単価な競合他社を上回ったのは驚くべきことだと主張した。 高い金利水準に加

          Tesla 最新決算:売上増も収益性は低下、3Qは工場アップグレードで生産数減少へ

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