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消しゴムはんこ
2022年8月11日 08:41
終わった。全てを失った気分だ。大好きなカメラにも触りたくないくらい、喪失感にかられていた。シャッターを切る。そんな一瞬さえも君に使えばよかったと思えるほど大切だった君は、僕のカメラには映らないくらい遠い存在になってしまった。 ***外でなにやら大きな音がする。「あぁ今日花火だったか」それまではなにも頭になかったのに、急に切
2022年7月30日 11:46
「いや!すごいだろ!」「あははは!なにそれ!」今日も他愛もない話で盛り上がる。あなたの隣で笑っていられるだけで幸せだった。「あれ?次の授業なんだっけ?」「…」「ん?ねぇ、聞いてる?」返事が返ってこなかったから、ふとあなたの方に目を向けた。そこには、教室の端で女の子と笑い合う“あの子”を見つめる君がいた。あぁ。そうか。本当は分かってた。あなたがどれだけ“あの子”が好きなのかも。
2022年7月24日 10:02
「なんでスマホばっかみてるの」「は?別に良くない?」いつからこうなってしまったのだろう。「よくないでしょ。私とこうやって会ってるのに」「だって別に2人でいても喋らねぇもん」他愛もない会話をしていても、気がつけば口喧嘩をしてしまっていた。ごめんね。私じゃない方があなたはよかったのかも。ずっと言おうと思ってた。私たち、もう無理だねって。そう。2人は終わった。1秒にも満たない
2022年7月22日 13:16
「今年の夏は、一緒に花火見に行こうか」「いいね!行こう!」―あの時の君の笑顔を、君との約束を、僕は果たすことができなかった。 ***僕の春は終わった。これから始まる暑いこの季節を、君と迎えることは叶わなかった。「もう…会うこともないのか」君1人がいないだけなのに、部屋がものすごく広く感じた。窓を開けた。窓
2022年7月18日 11:19
わかってる。どれだけ手を伸ばしても届かないことも。私になんて振り向いてもらえないことも。 ***「あ!先輩!お疲れ様です!」「おぉ、おつかれさまー!」今日もいつもの場所にあなたを見つけた。「ちょっと先輩、またたばこ吸ってたんですか?」「なんだよ。だめか?」私が咎めるような視線を向けても、気にせず胸ポケットから
2022年7月10日 12:19
僕が大切にしたいと思うのは君だってことに気づいたのは、君を失ってからだった。 ***雨が降っていた。僕らのこれまでを、全て洗い流してしまうように。「私ね、疲れちゃった。もうダメみたい。」 そう言って消えそうな笑顔を浮かべ、君は部屋を出た。君の最後の言葉が、部屋に1人残された僕の頭の中にこだまする。
2022年7月6日 09:07
ねぇ、私さ、高望みしてたのかな。「私だけを見ててほしい」なんて、贅沢だったのかな。 ***「好きだよ。」「え?今なんて…」「だから、君が好きだよって。」「え、あ、ありがとう。」「彼女になってくれないの?」「よ、よろしくお願いします。」ずっと好きだったあなたからの突然の告白。そんなの断れるわけないじゃない。