元小説家・大澤ミントに聞く2
今回も引き続き、元小説家・大澤ミント氏のインタビューをお送りします。内容は少し、プロだからこそ分かることについて触れています。
―過去、YouTubeで公開してきた「実話怪談」ですが、制作の裏側を教えてくれますか?
実話怪談に関しては、私の友人・知人、小説家時代の先輩などや実体験を元に作っています。人物、時代背景等(プライバシー保護のため)は、変更したりしていますが、起きたことはすべてそのまま原稿に書いています。
実際にYouTube用に原稿を書いている際に、何度か怪奇現象が起きたことがあり『実話』の恐怖を身をもって感じました。その恐怖のはざまで生み出されました。
―今さらながら、なぜこの活動を行っていたのですか?
第一線から遠のいていましたが、ぜひ協力して欲しいという要望があったからです。とはいえ、最初は正直なところ気ノリはしませんでした。
私は、執筆としての活動をするのであり、YouTubeはあくまで宣伝としてのツールであり、そのように活用していると私をご存じの方々にはお伝えしてきました。しかし、YouTubeに投稿するようになり、予想以上にたくさんの方々に見ていただける機会が増え、それに伴いに弊害なども出てきたのが事実です。そこで本来の目標通り、宣伝としてのYouTubeでの活動をやめ、本来の執筆活動だけに力を入れていこうという運びになりました。
―では、現在はnoteでの活動及びアメブロでは本のレビューと日記を書いていますが、どんな思いで執筆しているのですか?
noteでは現在は実話怪談を書いています。今後、機会があれば本来、私がプロのときに書いていたように、創作の怪談小説も書いていきたいと思います。アメブロの方は、私が日々読んでいる本についての簡単な感想や執筆中の日常についてを簡潔に『大澤日記』として、日々更新しています。
―それでは、本題ですが、前回言っていた『怖い話』について聞かせてください。
私はYouTubeの方だけでなく、Twitterでも定期的に『実話怪談』を発表してきましたが、実話の怪談というものは毎日投稿というのは創作や盗作でない限り、不可能と言えます。なぜそこまで言い切れるのかというと、実は私には実話小説のストックが400以上が、物書きとしてデビューする前から現在にわたるまで集めてきた100%オリジナルのものだから、毎日は投稿できませんでした。400以上あれば多いと思われますが、毎日書いているとすぐにそのストックは尽きてしまうため、毎日投稿するのは不可能なわけです。
世の中には実話と称し、非常に質の悪い第三者から盗作したものを加筆修正して『オリジナル作』と発表している人がいます。一般の人は分からないかもしれません。プロの端くれだった私だからこそ一目でそれが実話ではないと分かりましたし、現役のプロから見たら瞬時に見抜くことができます。実話怪談というのは、非常に集まりにくい部類のものであると私は思います。
世の中には多数、さまざまなジャンルの実話怪談があふれていますが、その中に『オリジナル』は、ごく一部でしか存在していません。これは私が作品を盗作されたという経験、以前から見聞きし経験してきたからこそ言える主張です。ただし、昔話や伝承などの口伝のものは意味が違います。それは人から人へと伝わってきた伝説の話であり、場合によっては警鐘として使われたものであるので、これらは上記の発言には該当しません。だからこそ、それほど実話怪談というものは、貴重なものなのです。
次回
大澤氏は現役時代、新人小説家だったころ盗作被害を受けています。これはある意味では業界内の洗礼に近いもので、当時は多くの新人小説家がこの盗作被害で泣かされてきました。それでも大澤氏はギリギリのところまで耐え、小説家の道を歩む努力をしてきました。
そして今、彼女は現代のやり方に若干の違和感はあるものの、自分なりにできることをできる範囲で執筆活動を再開しているのです。
ここまでインタビューを続けて、大澤氏も会話に弾みがつき始め、話題は尽きなかったので、この続きは次回のインタビューでお伝えします。第3弾の内容は「大澤ミント氏が住んだ4件の事故物件」についてご紹介します。
ライティング・吉川チョコレート