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見立ての言語化と具現化
見立てというのは、「きっとこうなんじゃないのかな…?」と仮説を立てることです。
私たちは無意識に、この見立てを行って生活しています。
空模様から数時間後の天気を予想したり、初対面の相手と挨拶を交わしながら人となりを想像したり、推理小説を読みながら犯人を捜してみたり…。
見立て力は、訓練をすることで向上する能力ですが、個人的にはセンスも必要だと感じています。
…と、いきなり書き始めてしまいましたが、今回は「見立て」という、ちょっと聞き慣れない方もいるかもしれない言葉について書いていこうと思います。
最後までお付き合いいただけると幸いです。
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他者を見立てる際に、難しいと感じるのが言語化です。
見立ては、慣れないうちは感覚的なモノなので「なんとなく…」程度のモノを声に出して良いものなのか戸惑うことがあります。
例えば、女性に「髪の毛、切った?」という一言ですら、多くの男性にとっては難しい問題です。
なぜなら、男性は間違いや恥を他者に晒すことに強い抵抗感を示す方が多いからです。
本当は間違えてたって「あなたのことを見ていますよ」というアピールにはなりそうなのですが…。
女性側からしたら、言われたくない相手もいるかもしれませんね(笑)。
ともあれ、自分の感覚的なモノを言語化するには、大前提として語彙力があること、そして、相手の反応を想像する力が必要です。
良かれと思って発した言葉で他者を傷つけるのなら、その見立ては言葉にしてはいけないモノなのですから。
何を基準に、どのように相手に伝えるのか?
自分の中で線引きを持つことが大切だと思います。
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言語化よりも難しいのが具現化です。
例えば、友人のパートナーが明らかに友人にとってよろしくない人物だと見立てても、実際に、あなたが二人の仲を引き裂く権利はありません。
大抵の場合は、友人をさりげなく説得して、別れてもらう方向にもっていくのが良策でしょう。
しかし、一歩間違えれば、反発する力が増してしまい、より強固にパートナーに依存してしまう状況を作り出しかねません。
そもそも見立てとは、冒頭に述べたように仮説に過ぎません。
言語化にも通じることですが、立証するための手段と時間は十分に備えておきましょう。
観察力と言葉のチョイスが求められる行為だと思います。
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私がキャリアコンサルタントやライフコンサルタント、そして福祉コンサルタントとして働くうえで、見立てが相手の将来を左右するケースも多くあります。
キャリアプランでは、相手が何に迷い、どうしたいと考えているのかを知る必要があります。
ライフプランでは、ときに相手が隠しておきたいことも、聞き出さなければならないときがあります。
福祉においては、利用者に対しては本人の特性や希望と現実社会にどれだけの乖離があるのか、また、事業所などに対しては現場の空気感や管理状況などを確かめる必要があります。
見立て力を磨く中で感じているのは、実は自己肯定感が低いと思っている方のほうが、見立てる力があるということです。
自信という言葉を聞くと、ほとんどの方が欲するモノであり、備えたいモノだと言うことでしょう。
しかし、自信を持つことで自分の価値観を固定してしまうと、主観が見立てを邪魔してしまうことがあるのです。
つまり、相手の状況から想像するのではなく、自分の中の常識を物差しにして予測してしまうということです。
この状態に陥ると、相手をゼロベースで見ることが出来なくなり、結果として自信家は孤立するという状況の根拠にもなると、個人的には考えています。
…まあ、これは余談でしたが(笑)。
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見立てをするということは、人間が本来持っているリスク回避の能力でもあります。
出来る限りの情報を集め、状況を自分にとって不利にさせないための防衛手段というワケです。
ですが、この見立てる力が乏しい人が増えてきているように感じています。
利己的に、自己都合だけを主張する人は、いずれ社会から孤立します。
さまざまな事象に仮説を立て、検証する力は多くのことに役立つ能力ですから、意識して培ってみてはどうでしょうか?
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ということで、最後までお読みいただきありがとうございました。
今回の投稿は以上です。
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