見出し画像

やりたくないこと“も”やろう

自分でもすっかり忘れていましたが、私…キャリアコンサルタントでした。

キャリアプランについての相談よりもライフプランの相談ばかりで、最近めっきり就労系の話題に触れていなかった気がします。

毎回のように書いていますが、私は障害者の社会進出、地域定着の支援をして1年になります。

最初は生活支援と就労支援を別個で行っていたのですが、今では就労を目指す障害を抱える方の生活面の助言や指導に傾倒していました。

就労とは、安定した生活のためのモノではなく、安定した生活を継続・向上させるモノだと私は考えています。

特に障害者にはさまざまな福祉的な給付が行われていますから、最低限度の生活は障害者年金と就労継続支援事業という福祉サービスを利用するだけでも賄えてしまう側面があります。

ですが、一般就労されていて、メンタル不調などから精神障害を患われた方には、そうもいかない方々も多くいらっしゃいます。

ご結婚されていたり、自宅や車などのローンを抱える中で障害認定された方にとって、働けない状態が続くことがストレスとなり障害を悪化させるケースもあります。

例えば、お子さんが生まれたことで、より仕事を頑張ろうとした矢先に、思いもよらない人事異動や仲の良かった同僚との離別、新しい上司からのパワハラなどによって、うつや統合失調症に罹患したとします。

理解のあるパートナーやご家族の支援があったとしても、その優しさがつらくなる時があります。

そうして、働けない自分に自己嫌悪し、就労から遠ざかってしまった場合、私のような福祉施設で働く支援者はどのように、その障害者の人生観や職業観と向き合っていけばいいのでしょうか?

ということで、今回は障害者だけじゃない、皆さんのような一般就労されている方も含めて、キャリア形成で必要な考え方について書いてみようと思います。

最後までお付き合いいただけると幸いです。

男性・ノートPC・ブログ・キーボード

ーーーーーーーーーー

…と、最初に。

この記事の内容に近いことを、過去に書いたことがあります。

そのときは、まだ障害者支援という職には就いていませんでしたが、今でも基本的な考え方は変わりません。

「私は○○が好きだから、それを仕事にしたい」

「俺は○○が得意だから、それを仕事にしたい」

このような「好きなことを仕事に」や「得意なことを仕事に」という考え方は偏っているということを、改めて述べたいと思います。

まず考えてほしいことですが、「誰がそれを思っているのか?」という視点です。

あなたが得意だと思っていることは、世の中の上位何%に入る技能でしょうか?

そして、それは市場性を有していて、適正な価値が存在するモノなのでしょうか?

「ジョハリの窓」という心理学モデルがあるのですが、その中に「盲目の窓」という領域が存在します。

これは「自分では自覚していないけれども他者からは見えているあなた自身」を指します。

あなた以外の誰かが、あなたの言動について評価をしたモノであれば、そこに市場性と優位性が存在することを忘れないでください。

…これはつまり、好きではなくても他者よりも秀でている才能の存在を意味します。

男女・ウエディングドレス・結婚式・プラハ・大聖堂・教会・建築・新郎新婦

ーーーーーーーーーー

次に考えてもらいたいのが「好きなことを仕事にする」という考え方自体が偏った前提条件の上に在るということです。

例えば、今まで友人だと思って気を遣うこともなく、自然と一緒にいた異性を好きになる…なんて話があるとします。

人間関係において考えたとき、「好きだから結婚した」は悲しい関係だと思いませんか?

これは過去から現在までの視点でしか評価できない人が陥る罠です。

一般的に、恋愛結婚よりも見合い結婚のほうが離婚率が低いのは周知の事実です。

考えてもらえば納得いただけると思うのですが、見合い結婚の場合、評価する過去がありません。

現在から未来にかけて関係性を築いていく過程で好きになっていくのです。

つまり、「結婚して好きになった」もあり得るということです。

…話を就労に戻してみましょう。

好きだと思ってもいなかった職業に就くことが、必ずしも不幸だとは限りません。

思いもよらない才能を開花させたり、実は、自分の能力よりも周囲の人間関係があなたにとっての「働きがい」だったとしたら、好きではない職種に就くことも幸せになり得るのです。

イラスト・男性・鏡・王様・自己評価・過信・過大評価・錯覚・反射

ーーーーーーーーーー

このように、自分の価値観だけで人生を決めてしまうことは、非常に効率的だと錯覚しているだけで、大きな損をしている可能性もあります。

「まずは行動から」なんて謳い文句も横行していますが、ある意味では間違ってはいないのです。

好きか嫌いかは、行動の前から考えられますが、行動後に変化することもあります。

やりたいことだけやる人生は、ストレスを感じさせないでしょうし、魅力的でしょうし、誰もが掲げる理想です。

しかし、絵に描いた餅で腹は膨れないモノです。

やりたくないこと”も”必要だという話でした。

ーーーーーーーーーー

ということで、最後までお読みいただきありがとうございました。

今回の投稿は以上です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?