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[すこし詩的なものとして]0086 君は空をたゆたう

僕は見えない君を
探していたのかもしれない

探していたとは言うけれど
血眼で探していたわけではない

そびえ立つ街のビルの隙間は
虚空をただただ晒していた

行く当てのない
空に漂う雲たちは
その足跡を
空に残す

物語を奏でるのは
いつでも
僕らの勝手なリズムだ

道端に咲く花は
背伸びをするようい
空に向かって伸びている

僕はそれを見て
なんだか微笑んだ
でも同時に
かなしみがこみ上げる

当てのない
僕たちの旅
僕たちの道
新しい足跡は
自分でつけていくしかない

空を見る
たゆたう君は
いったい何を思うのだろう
懐かしい季節と
新しい季節
同時に香る
その風の匂い
僕はそれをやさしさと思う

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書く言葉は難しい。
大概のことが断定的になってしまうからだ。
だからそれを捕捉する言葉をつなげてしまう。
話し言葉は、そこを雰囲気や強弱で表現できる。
でも、前者は形を残し、後者は煙のように消えていく。
果たしてどちらがいいのか…そんなことを少し思った。

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