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[すこし詩的なものとして]0083 夏の終わりは遠い明日のようで

寝ぼけ眼に
したたる汗
カーテンにそよぐ
ぬるい風

昨日の夜空に
火花が散って
僕のついた嘘は
儚くも
かんたんに見破られてしまった

明日も記録を塗り替える暑さのようだ
セミとカラスが
声を枯らしている
辟易とした
真夏の太陽と
とろけるような地表の熱

背中には
宵闇の入り口を
目の前には
祭りの灯り
汗と笑顔の最果て

明日はまだまだ続いていく
晴れた広い空が
明日もずっと続いていくのだと
だからどうしようもないユーモアを
僕は君に届けよう

君がくれたあの歌を聴く
夏の最中の出来事
永遠と
瞬間と
どちらでもいいこの世界との契約
夏をこの体に染み込ませる

まぶたを閉じて
まもなく夏も終わるのだろうか
でも明日はまだまだ暑いだろう
たぶん

揺れし髪の流れ
僕はあなたに
刻まれる
話したいわけでも
触れたいわけでもない
ただ暑さの中で見惚れていたいだけ

時が過ぎれば
こんな気持ちも和らいで忘れていくだろう
そしてまた次の夏も
くらげのように
ふわふわと
ゆらゆらと
眩い暑さと
明日を憂う心を
変わらず持ち続けてしまうのだ

————————————
夏は恋の季節とでも言えましょうか。
何かに夢中になる季節。
僕もご多分に漏れず、そうであるように、夏を過ごしました。
まもなく終わる夏は、いつでも何かを心に刻んで去っていきます。
そしてその名残は、美しく心に残りましょう。

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