見出し画像

[すこし詩的なものとして]0166 梅雨はなにかの諦めのように

カーテンの隙間に見える
目前に迫る梅雨は
なにかを諦めたかのように
湿った衣を羽織っている

感情は手に入れた
生命の進化は
もしそれが不要なものであるならば
身につくことはない
僕らは
感情を押し殺すことに
慣れすぎてしまった
稚拙で効率的ではないとするのなら
僕らは自らを否定することになるのだろうか

海にボトルを投げたところで
行き先は知らない
人生の崩壊なんて
トイレにいても起きる

恥ずかしさが追いつかないうちに
頬を撫で
額を撫でる

カーテンの隙間に見えるそれ
梅雨はなにかの諦めのように

————————————
季節の移ろいを肌で感じながら、同時になにか忘れているような気になる。それが大事なもののような気もするし、そうでない気もする。梅雨はなにかの諦めのように、この先に待ち受けるさざなみに、身を任せようと思うほかない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?