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シリコンバレーのレジェンドの教え!『1兆ドルコーチ』を読みました。

質問をするだけではなく、質問される側-答えを求められる側-にもなりはじめ、教えること、答えるの難しさを感じ始めています。

そこで、コーチングの本も読んでみることにしました。
シリコンバレーで伝説となっていたビルキャンベルという方の教えをまとめた本です。appleやgoogleなど有名企業のCEOの頼った人はどのような人かだんだん見えてきました。

アメフトのコーチ出身でありながら、優秀なプロ経営者。ジョブズの師であると同時に、グーグル創業者たちをゼロから育て上げたコーチ。アマゾンのベゾスを救い、ツイッター、ユーチューブCEOらを鍛え、たった1人で、シリコンバレー中の企業に空前の成功をもたらした伝説のリーダー、ビル・キャンベル。これまで謎に包まれてきたその驚くべき教えのすべてがいま、初めて明らかに―。(BOOkデータベースより)
目次
■序文――シリコンバレー最大の伝説(アダム・グラント)
■CHAPTER1:ビルならどうするか?――シリコンバレーを築いた「コーチ」の教え
・スティーブ・ジョブズとの信頼関係
・グーグルCEOたちへのコーチング
・ビル・ゲイツへのハグ
■CHAPTER2:マネジャーは肩書きがつくる。リーダーは人がつくる――「人がすべて」という原則
・「第一原理」で人を導く
・プロダクトがすべてに優先する
・異端を受け入れよ
■CHAPTER3:「信頼」の非凡な影響力――「心理的安全性」が潜在能力を引き出す
・信頼は「きれいごと」ではない
・「完全な率直さ」を身につける
・「勇気」の伝道師になる
■CHAPTER4:チーム・ファースト――チームを最適化すれば問題は解決する
・「正しいプレーヤー」を見つけよ
・「最大の問題」に切り込む
・正しく勝利する
■CHAPTER5:パワー・オブ・ラブ――ビジネスに愛を持ち込め
・「やさしい組織」になる
・つねにコミュニティに取り組む
・創業者を愛せ
■CHAPTER6:ものさし――成功を測る尺度は何か?
・ビジネスを成功させるカギ
・リーダーは「行動」でその座を勝ち取る
・「人間的な価値」が成功につながる

*

「勝利の人間性」、つまり(個人としてではなく)チームとして倫理的に正しく勝つこと(p209)

これが最終的に目指されるべき姿だと思いました。
「正しく勝つ」という表現に、シリコンバレーのレジェンドービル・キャンベルーの教えが凝縮されているような気がしました。もっというと、正しく勝つために必要な資質、手段が本書にまとめられているように感じます。

例えば、ビル・キャンベルは4つの資質を人に求めたそうです。

①知性(かけ離れたものごとをつなげる発想)
②勤勉
③誠実
④グリット(打ちのめされても立ち上がり、再びトライする情熱と根気強さ)(p177-178)

この4つの資質がある人には欠点があっても目をつむったそうです。チームで正しく勝てるために持つべき個人の資質のように思えます。
特に4の「グリット」は、チームがピンチに陥った時、チームを救う要素です。いつも前向きで、誠実な人のもとで、仕事をしたいですね。

また、このように「正しく勝てる」チームメンバーの信頼を引き出すようなことも自然と行っていたようです。

エリックは10年以上のあいだ、毎週月曜日の午後の1時にスタッフミーティングを行ていた。~中略~だが、エリックは普通とは違うことを1つやった。スタッフが部屋に入って腰を落ち着けると、まず1人ひとりに週末何をしたかを尋ね、旅行帰りの人がいれば、簡単に旅の報告をしてもらった。

~中略~こうしたやりとりは、一見行き当たりばったりで仕事とは無関係に思われるが、じつはビルが長年かけて開発し、エリックとともに磨きをかけたコミュニケーション法の一環だった。

目的は
①メンバー同士が興味深い人として知り合えること
②最初から楽しんでミーティングに参加できること

仕事以外の話をするだけで、共感性が高まり、雰囲気がよくなるという。仕事をしていると、仕事の話はしてもプライベートな話をする機会がありません。どんなものが好きなのか、どんな風に時間を過ごすのがすきか、を知っているだけで、人としての魅力に気付くのだと思いました。

楽しい職場環境がパフォーマンスと関係があることを示すよい例です。雑談には効果があることを再認識しました。

*

ビル・キャンベルはすでに亡くなっています。本書は、ビル・キャンベルと関わってきた人にヒアリングしてつくられた本です。「この時、ビルは~といった」のような書かれ方をしています。

問題が起きた時、ビルは電話をして「~」といい、結果として○○の問題は解決された。という文構造が多いです。その構造に注目すると、気づいたことがあります。

「GAFAをはじめとする巨大企業のCEOであっても、悩み、苦しみ、自ら解決を図れないことがある」ことです。

本書で登場する人は、appleの創業者のスティーブジョブズをはじめ、そうそうたる人物です。とてつもなく良い大学を出て、人を惹きつける魅力にあふれ、何十倍も努力し、結果を残し続けた人たちだと思います。

上に立つ人でも悩んで、人に頼ってもよい、つまり、弱いところをさらけ出して解決の糸口を見つけ出してもらうこともある。
雲の上にいるようなイメージの人が急に身近に感じられる瞬間でした。
これに気づいて、心が軽くなったような気がします。

頼っていい。弱くなっていい。

そして、助けてくれる人がいるはず。

「正しく勝てる」の教えは、「正しく負けれる」ことにもつながっているようなきがしてなりません。ビルキャンベルが誠実であることにこだわっている理由がなんとなく、わかりかけています。

日の当たる大きな道を歩くことに大きな意味を感じた読書体験でした。

最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。

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