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独特な感性のダークサイドを描く映画6選

ヒーローが悪者から町を救う。
ヒーローはいつの時代にも悪を倒していました。その様子を描く映画は枚挙にいとまがありません。一方、悪役やサイコパスを主人公に据えた映画も数多く存在します。

日常ではなかなか経験できないような狂気を映画で体験することができます。今回はかなり独特な感性を持つキャラクターが登場する映画を6作品紹介します。悪にも哲学があるようなんです。では、見ていきましょう。

①ジョーカー(2019年)

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あらすじ
「どんな時も笑顔で人々を楽しませなさい」という母の言葉を胸にコメディアンを夢見る、孤独だが心優しいアーサー。都会の片隅でピエロメイクの大道芸人をしながら母を助け、同じアパートに住むソフィーに秘かな好意を抱いている。笑いのある人生は素晴らしいと信じ、ドン底から抜け出そうともがくアーサーはなぜ、狂気溢れる<悪のカリスマ>ジョーカーに変貌したのか? 切なくも衝撃の真実が明かされる!出典:filmarks

悪の哲学が整形されるのを間のあたりにする映画です。
バットマンの宿敵・ジョーカーの誕生譚を描いた話で、公開されるやいなや話題になりました。どんな人でも闇落ちする可能性があるんだなって思いました。主演のホアキン・フェニックスの渾身の演技が日常に潜む悪にリアリティを与えています。

最初から悪者ではありません。悪者になっていくという意味では興味深い映画です。期待があるから絶望が深くなり、戻れなくなっていきます。ピエロのメイクの意味や各シーンの突発的な行動を考察してみたいです。

②永遠に僕のもの(2018年)

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あらすじ
ブロンドの巻き毛に透き通る瞳、艶やかに濡れた瞳、磁器のように滑らかな白い肌。神様が愛をこめて創ったとしか思えない美しすぎる17歳の少年、カルリートス。彼は欲しい物は何でも手に入れ、目障りな者は誰でも殺す。息をするように、ダンスを踊るように、ナチュラルに優雅に。やがて新しい学校で会った、荒々しい魅力を放つラモンと意気投合したカルリートスは、二人で様々な犯罪に手を染めていく。だが、カルリートスは、どんなに悪事を重ねても満たされない想いに気付き始める―。出典:filmarks

セリフのないシーンと音楽が不気味さを際立たせる映画です。
万人受けするタイプではないかもしれません。息をするようにモノを盗み、ヒトを殺す。。。罪の意識が主人公にほとんどなく、表情の変化もかなり乏しいです。綺麗な顔をした主人公がクラスメイト(?)とその家族と一緒に盗みをする話です。

混じりけのない感性というのか、日常のゲーム化を楽しんでいるのか、共感できるポイントが少なく、奇妙さ不気味さが色濃く表現されています。ただ、哲学を感じるセリフはよかった。「世界は泥棒と芸術家のものだ」とか。実在した事件に基づいていることも怖さを感じるポイントです。

③キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(2002年)

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フランク・アバグネイルの自伝小説を原作に、レオナルド・ディカプリオとトム・ハンクスの豪華共演で映像化。16歳から21歳までに大金を稼いだ天才詐欺師とそれを追うFBI捜査官の姿を描くクライム・コメディ。出典:filmarks

実在した天才詐欺師を描いた映画です。
今回紹介した映画の中で一番見やすいです。間違えなく。有能なサラリーマンのように、詐欺師にも思考力、実行力、運、度量が必要なんですね。「悪運が強い」という言葉の意味がわからなくなりました。この映画を見た人には伝わるかな???

人のものを盗んではいけない、人を欺いてはいけない、のような法律があります。主人公は法律をゲームのルールくらいに解釈して、攻略しようとする趣があります。独特な感性です。一度は見たい映画としてもおすすめです。

④プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年)

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あらすじ
キャシー(キャリー・マリガン)は【明るい未来が約束された若い女性(プロミシング・ヤング・ウーマン)】だと誰もが信じて疑わなかった。ある不可解な事件によって不意にその有望な前途を奪われるまでは。平凡な生活を送っているかに見えるキャシーだったが、実はとてつもなく頭がキレて、クレバーで、皆の知らない“もうひとつの顔”を持っていた。夜ごと出掛ける彼女の謎の行動の、その裏には果たして一体何が――?出典:filmarks

復讐にすべてをかけた執念と信念を描いた映画です。
主人公のすべての行動がある目的につながります。善良な親や地位も名誉もある旧友にばれないように顔を使い分けるのはかなり厳しいでしょう。でもやりとげるんです。過去のある出来事が原因でした。

復讐を描く映画の中で、「復讐してもむなしい」のようなセリフが出てきます。たしかに、復讐の結果誰も幸せにはならないのかもしれません。でも、主人公にとって、「あいつ」は幸せになってほしくなかったのかもしれません。湊かなえさんの「告白」を思い出しました。

⑤セブン(1995年)

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あらすじ
2人の刑事が追うのは、怜悧な頭脳を持つしたたかな連続殺人鬼。男は七つの大罪のいずれかに該当する者を狙い、おぞましい殺人を繰り返していた。そして最後には観る者の心を食い破る、驚愕のクライマックスが待つ。出典:filmarks

サイコパス映画として有名で、ある種の完成形です。
天才的な頭脳は使い方次第で毒にも薬にもなるようです。ほかのサイコパス映画と同じく連続殺人鬼には共感性があまりないよう見えます。だからこそ、ブレが少ないのでしょうか。「もてあそぶ」というところに本物の狂気を感じます。

強い言葉を使ってキャッチコピーを作ることが多く、誇大だなと思うこともしばしばありますが、この映画は「驚愕のクライマックス」がぴったりです。かなりショッキングな展開なので、閲覧注意です。

⑥ゴーン・ガール(2014年)

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あらすじ
結婚5周年の記念日。誰もが羨むような幸せな結婚生活を送っていたニックとエイミーの夫婦の日常が破綻する。エイミーが突然姿を消したのだ。リビングには争った後があり、キッチンからは大量のエイミーの血痕が発見された。警察は他殺と失踪の両方の可能性を探るが、次第にアリバイが不自然な夫ニックへの疑いの目を向けていく。新妻失踪事件によってミズーリ州の田舎町に全米の注目が集まり、暴走するメディアによってカップルの隠れた素性が暴かれ、やがて、事件は思いもよらない展開を見せていく。完璧な妻エイミーにいったい何が起きたのか…。出典:filmarks

無色透明な狂気を感じる映画です。
目に見えない裏切りの威力に戦慄しました。最後のシーンで裏の意図がわかったとき、軽く女性恐怖症になりかけました。だって、その一言が、ほんと、こわかった、、結婚って何でしょうか。

セブンの監督さんの作品です。どうやって映画を作ったのでしょうか。度が過ぎてはいますが、夫婦のキャラを薄めればどこにでもいそうな夫婦なんですね。日常も感じながら、非日常も感じられるバランス感覚がつくりに表現されています。

*

サイコパスは刹那的な快楽を楽しむタイプと用意周到に計算しつくすタイプがいるようです。

刹那的快楽を求めるタイプ
 「ジョーカー」「永遠に僕のもの」

中間 
 「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」

計算しつくすタイプ 
「プロミシング・ヤング・ウーマン」「セブン」「ゴーンガール」

個人的にはこの分類かなと思っています。そして、共通点は「極端」であることです。「法を犯してから、サイコパスとして輪郭がはっきりすること」はある意味恐ろしいです。このような映画も、たまにはアリだと思うので、パンチのきつい映画を見たいときにみましょう!

最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。

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