広瀬すず/松坂桃李出演で映画化!『流浪の月』を読みました。
2020年の本屋大賞受賞作が文庫化しました。
本屋大賞は書店員さんが売りたい本を選ぶ賞です。毎年、発表を楽しみにしています。凪良ゆうさんの小説は初めて読んだのですが、プロの技が光る作品でした。感想を綴ります。
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人柄と人との距離感が魅力
人の書き方に唸った作品でした。
もう少し書くと、性格がわかる行動やセリフがあり、ぶれない。キャラクター自身の見方と、周りからの見られ方の両方をちゃんと書いています。
また、距離感がセリフにのっていて、近い-遠いがなんとなくわかります。
パーソナルスペースに入っているのか?いないのか?が検討が立ちます。迷惑をかけることが多かったりょうくんはパーソナルスペースに入り込むことが多かったですし、更紗の上司はパーソナルスペースに入り込まなかったです。
距離感でいうと、文と更紗の距離はずっと同じだったように見えます。2人の絆が表現されていますね。お互いに傷つけないけど、安心感を感じられる距離をずっと保っていました。
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文と更紗の距離にはルールがあったように思いました。
①相手を否定しないこと
②自分のしたいことをすること
③触れないこと
ルールは直接書いていませんでしたが、そう感じ取りました。
2人は自然にこのルール下で行動を共にしていましたが、現実ではどうしょうでようか。人と距離をどのように詰めるのかいいのか、この小説で分からなくなった気がします。だって、ルールのすり合わせをせずに、更紗と文は最初からできていたからです。
だからこそ、2人の距離は特別で、小説としての面白さがあるのかもしれないですね。
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人柄と距離感がいい小説は稀な気がします。
横から別の展開が発生すると、距離感が崩れますし、だいたいハッピーエンドの距離感になりがちです。でも、本書は、この終わり方も素敵だなって思わせる終わりだったので、気に入っています。
人に勧めたくなりました~
映画化するようなので期待ですね。
最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。
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