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友情努力勝利の原点!?『描きたい!!を信じる 少年ジャンプがどうしても伝えたいマンガの描き方』を読みました。

マンガ家は職人だなって思いました。少年ジャンプのこと、マンガのことがもっと好きになりました。マンガの話が書かれていますが、クリエイティブにかかわる人には参考になると思います。

表情やセリフに戦略があることを知れるだけではなく、書き方のテクニック的なことだけではなく、描くことの敷居を下げてくれるとてもよい本でした。感想を綴ります。

もくじ
第1章 技術論の前に「描きたいもの」を育てる
第2章 2ページ漫画を描こう
第3章 ジャンプ作家アンケート
第4章 悩んだら「やれるところから、好きなように」に戻ろう
第5章 デジタル作画のコツ――ミウラタダヒロ先生に訊く!
第6章 アナログ作画のための道具選び――四谷啓太郎&田代弓也両先生が語る!
回答掲載作家(五十音順)
芥見下々先生(『呪術廻戦』)/尾田栄一郎先生(『ONE PIECE』)/久保帯人先生(『BLEACH』『BURN THE WITCH』)/吾峠呼世晴先生(『鬼滅の刃』)/佐伯俊先生(『食戟のソーマ』作画担当)/篠原健太先生(『SKET DANCE』『彼方のアストラ』『ウィッチウォッチ』)/白井カイウ先生(『約束のネバーランド』原作担当)/空知英秋先生(『銀魂』)/田村隆平先生(『べるぜバブ』『灼熱のニライカナイ』)/附田祐斗先生(『食戟のソーマ』)原作担当)/筒井大志先生(『ぼくたちは勉強ができない』)/出水ぽすか先生(『約束のネバーランド』作画担当)/藤本タツキ先生(『ファイアパンチ』『チェンソーマン』)/堀越耕平先生(『僕のヒーローアカデミア』)/松井優征先生(『魔人探偵脳噛ネウロ』『暗殺教室』『逃げ上手の若君』)/矢吹健太朗先生(『To LOVEる-とらぶる-』シリーズ 『あやかしトライアングル』)

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特に面白かったのは第2章の「2ページ漫画を描こう」でした。

コマ割りを練習するために、2ページの漫画をたくさんかくとよいと書かれています。お題がありました。

①下校中の男子2人組(学生)。ひったくり犯を見つけて捕まえる。(捕まえ方は自由)
②会社をクビになった人(男性でも女性でもOK)公園で落ち込んでいる。公園にいた子供が心配してくれる。励ましとしてクワガタをもらい、ちょっと元気になる。(p51)

これをジャンプのマンガ家さんがネームを書いているんです!!
白井カイウ先生(約束のネバーランド原作担当)
空知英秋先生(銀魂)
附田祐斗先生(食戟のソーマ原作担当)
筒井大志先生(ぼくたちは勉強ができない)

ネームと解説が記述されているのですが、これが面白い。

キャラの外見から、内面や性格がイメージできるように設計されていますし、迫力がすごい。お題の内容をただクリアするだけではなく、絵とセリフで「決め」にきています。

中でも一番好きなのは、白井カイウ先生が書いたお題②のネームです。「子供がクワガタをクビになった人に渡す」に別の意味付けをしていることです。これがすごい素敵でした。「なぜ渡すのか」と「なぜ元気になるのか」という問いにこたえきれる意味付けがありました。


本書を読んで、キャラのセリフや表情はすべてデザインされてるってわかりました。嬉しいときに、目が吊り上がっているのは変ですし、走った後に息が切れていないことも変です。

行動と表情と動きは連動しているはずです。

ので、違和感を感じさせないために、自然な動きをしている必要があります。身近に感じられるような動き・表情はロジカルに考え、キャラの全体像やストーリー展開は独自な発想と取材でつくられていくものなのかな。

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描きたいイメージ(思考)が先にあって、整理されていると
よいんだなって、思える読書体験でした。

ジャンプで成功している人の、クリエイティブな思考の一端を知ることができて、とてもよい時間を過ごせました。

最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。





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