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日本に帰ってきて思い出した記憶

日本に帰国してから、この1年間がすっぽりなかったかのように、元のぐうたらした生活をしてしまっています。

なんとか気分転換をして、今はここからまた再び頑張っていきたいという気持ちがあります。

とはいえ、家ではいつもテレビが点いていてしばしば見入ってしまいます。

そんな中、ふとテレビで大分の温泉地に関することがやっていました。

日本でも有数の温泉地として知られる大分県は、日本全国から多くの観光客が訪れることで知られています。

ただ、僕にとっては、母の出身地という認識が強く、小さい頃から何度か祖父母に会いに行った場所という記憶があります。

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僕の祖父は転勤族であったことから、母は小さい頃に何度か転校を経験しています。

そのため、出身地に対する思い入れは強くはありません。

だから、一般的な人たちの帰省に比べたら回数は少なかったと思います。

それでも、僕は小学生の頃、祖父母に会いに大分を何度か訪れていました。

祖父母の家があったのは、大分県の別府。温泉街まで歩いていけるようなところです。

大分空港でレンタカーを借りて、車で別府へ行っていました。

当時、別府が温泉街として有名であることは全く知らず、また東京に住んでいたため、別府が観光地であるということも認識していませんでした。

人が多くいてもそれを当たり前のものだと思っていました。

そんな小学生の僕は、しばしば鼻血を出していました。

大分の夏は暑く、僕は鼻血が出やすい体質だったため、毎日のように鼻から赤い筋を垂らしていました。

多い日には一日に2回も出していたことがあります。

そんなことがいやだったので、僕にとって大分はあまり好きな場所ではありませんでした。

東京でゆっくりしていた方が楽しいのに。

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僕がまだ小学1年生で、今はもうほとんど記憶が残っていない頃のことですが、ひとつ鮮明に覚えていることがあります。

それは『千と千尋の神隠し』。

言わずと知れたジブリ映画の超大作です。

2001年7月に全国に公開されてから大きな反響を呼び、映画館が連日満席になるほどの大ヒット作になりました。

結果的に長い間日本歴代興行収入第1位を達成することになった作品です。

僕にとっての「千と千尋」の思い出は、大分ととても結びついています。

というのも、初めてこの映画を見たのが、大分の映画館だからです。

その時の映画自体に対して思ったことは全く覚えていないものの、その反響は覚えています。

街中に映画のパンフレットやグッズを持っている人がおり、僕自身もいくつかのぬいぐるみをねだって買ってもらっていました。

もうあの頃のぬいぐるみはないものの、当時の熱狂的な「千と千尋」ブーム、そして僕の鼻血とも結びついた大分の思い出。

それらがリンクして、ふと僕の記憶に蘇りました。

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もう祖父は亡くなり、祖母は伯母がいる神奈川に引っ越しているため、今大分に行ったところで僕が会える人はいません。

しかし、形がなくなっても、僕にとって大分という場所がひとつのアイデンティティになっているような気がします。

東京に生まれ育ち、(国内では)東京でしか生活したことのない僕の、ささやかな地方都市との接点です。

ふと、そんなことをテレビを見て思い出しました。




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それでは、また明日お会いしましょ

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