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ジョージアに来て7ヶ月が経って

東欧なのか西アジアなのか、定義が曖昧なジョージアという国ですが、どちらも正解なのでしょう。

アジアとヨーロッパの境目と言われているトルコのイスタンブールよりは東に位置しているものの、旧ソ連の影響を強く受けているためヨーロッパという認識が間違っているわけではありません。

一般的に言われる東欧はロシアやウクライナ、モルドバのような旧ソ連構成国を指す印象があります。対して西アジアは中東からトルコといった非キリスト教国の印象があります。

文化的には東欧、位置的には西アジア、それゆえどっちつかずとなっているのがジョージア(そして近隣のアゼルバイジャン、アルメニア)といった国かと思います。

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この国に来て7ヶ月が経ち、来た当初抱いていた印象とはまた違うものを持つようになりました。

首都トビリシは、ヨーロッパでもアジアでもあるカオスな印象を持ちました。

目抜き通りであるショタ・ルスタヴェリ・アベニューは、ヨーロッパ調の荘厳な街並みが立ち並び、気品な欧州文化を感じられます。しかし、トビリシ中央駅(ステーション・スクエア)近くには、路上で野菜や肉を販売するアジアンな市場が広がっており、熱気のある東南アジアの雰囲気を感じられます。

同じ都市でも場所によって受ける印象が変わり、今思うとそれらを楽しみながら生活を送れたことが良かったと感じています。

人々は優しいものの、無愛想だったり全然仕事してくれなかったり、二面性のある印象を受けています。

そんな日々を送っていくうちに、この国をアジアとかヨーロッパといった枠組みに括るものでもないのではないか、と思えてきました。

確かにヨーロッパっぽさとアジアっぽさは感じるものの、よくよく見ていくとそのどちらも王道のど真ん中を行っているわけではないと感じます。

たとえばヨーロッパ調の街並みといっても、パリのイメージよりはモスクワに近く(行ったことはないけれど)、また街ゆく人々はどこか田舎っぽさすらも感じられます。

アジアンな市場も、本場にある油の混じった匂いはしなく、すっきりした印象すら抱くことがあります。

そういった点を見ていくと、この国はヨーロッパとかアジアという括りではない「ジョージア」という固有の文化があることを認識するようになりました。

一般的な住宅街を歩いた時も、トビリシ以外の都市に行った時も同様の印象を感じています。

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この国の居心地の良さは、この独特の空気感ではないかと思っています。

サービス業の接客態度はお世辞には良いと言えないものの、それでも許してしまいます。街並みには、おしゃれなファッションに身を包んだ人と芋っぽい田舎臭さの人が共存しています。

それらを微笑みながら日常のものと受け止められている状況に、ふと小さな楽しさを感じます。

発展途上国ながら、首都にいても経済の急速な発展は感じない。この状況が、かえって日本の田舎にいるような落ち着きを感じてしまいます。

いろんな要素がこの国を構成しています。

それはこの国の風土のこととか、歴史的なこととかいろんな理由があるのでしょう。それらを全てひっくるめて今のこのジョージアという国の居心地の良さに繋がっていると思います。

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もちろん何かに分類することで物事を把握しやすくなるし、たとえばアジアといっても各国でそれぞれ違う印象を受けることは知っています。

しかし、そういった概念すらも飛び越えた何かをこの国に感じています。

僕が以前住んでいたフィリピンは6ヶ月に満たなかったため、半年以上同じ国に滞在するのはこれが人生で初めてです。

長く滞在することで、当初は気づかなかったこの国の実態を感じるようになってきました。改めて海外生活は楽しいものです。

ジョージアの生活も残り僅かとなりました。今のこの一瞬を大切に残りの日々を過ごしていこうと思います。


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それでは、また明日お会いしましょう!

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