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英語を学ぶ充実感の正体

今、英語学習を続けていて感じることは、とても充実感があるということです。

昨日の投稿にも書いたように、毎日2時間の勉強をここ何ヶ月か続けてきて、徐々にスキルアップしていくのを感じています。ここで感じる喜びは、学生時代の「勉強して理解できるようになった」といった感覚とは異なり、より深い「習得できた」といった次元の感覚であり、それが充実感となっていると感じます。

今やっている英語学習は、ただ英単語を暗記し、リスニングを理解していくだけでなく、コミュニケーションという形で実践の場で活用できています。

フィリピンに住んでいると、お店に行って注文をするだけでなく、ガードマンに軽く何かを伝えるだけでも英語を使う必要があります。日本にいると頭を使わずとも注文できるし、一言何かを伝えることもできます。当たり前ですが、日本語が伝わらないフィリピンではそれらを、一旦脳内で全て英語に置き換えた上で伝えることになります。

バイリンガルの人はどちらも自然に、頭を使わずとも反射的にできるのでしょうが、まだそのレベルに達していないので、毎回毎回脳内で翻訳しています。

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僕は高校時代、大学の附属校に通っていたことから、大学受験をせずに大学に進学しました。高校時代はあまり熱心に勉強をしてきませんでした。大人になるにつれて、どこかで「勉強したりなさ」という感覚を抱くようになり、後悔とまでは言わないけれど、もう少し基礎的な勉強をしておきたかった、という思いがあります。

高校1年生の頃に挫折を味わって以来、ずっと逃げていた英語学習を、それから10年を経て再び挑むことで、意地とか根性みたいな自分を奮い立たせる気持ちもあります。しかし、勉強していくうちにその気持ち以上に、実践の場で活かせる、ということへの喜びが強くなっていった感覚があります。

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福沢諭吉の書籍『学問のすゝめ』では、「実学」こそが大切だと説いています。どんな学問にせよ、身につけた知識を実際の現場で使い、経験することに意味があり、知識の経験と応用こそが本当の学問であるとしています。

そこに照らし合わせると、僕が今実践している英語学習はこの「実学」なんだと思います。机上で学ぶ英単語やリスニングなどの「知識」を、フィリピンの街中という「現場で使い、経験」しています。伝えるメッセージも、ただ英文を丸暗記しているわけでなく、単語や文法を組み合わせて、自分なりに「応用」しています。

この学問を通して、やっとその知識が自分のものになったと言え、僕が感じた充実感につながったと言えるでしょう。また、高校時代の挫折は、この実際の現場で使うことがなかった故に起こったことなのかもしれません。

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学習について、もう少し深掘っていきます。古代中国の書籍『論語』の一説に以下のようなものがあります。

子曰、學而不思則罔、思而不學則殆。
子曰く、学びて思わざれば則ち罔(くら)し、思いて学ばざれば則ち殆(あやう)し。

『論語』巻一「為政第二」の第15

「孔子が言うには、本などを読んで勉強をしていても、考えなければ知識は混乱するばかり、考えてばかりで読書も勉強もしなければ、独断ばかりに陥ってしまう」といった意味があります。

「勉強して考える、考えて勉強する」というプロセスを経ていかないと、それらは意味がないどころか、悪い方向に進んでいってしまいます。たしかに現代でもよくある事例だと思います。学生時代たくさん勉強して難関大学に合格したのに、勉強することしかしてこなかったゆえ、自らの将来像を掴めず、大学時代に挫折を味わってしまう人。自分が正しいと思い込み、何の助言を聞かないまま施策を進めていき、経営不振に陥るワンマン社長。これらはこのプロセスが欠けていたことによって起こったことだと思います。

結局のところ、勉強することや知識を得ること自体が目的になってはいけない、ということです。学習と思考を繰り返すことに価値があり、本来の目的があるのだと感じました。

僕の英語学習は、机上の勉強(学習)を活かし、フィリピン人とどのようにコミュニケーションが取れるかを考え(思考)ていき、またコミュニケーションを取る中で何につまずいたのかを考え(思考)、それらを調べていく(学習)ことで、初めて学習の目的を成し、スキルアップしていくことで充実感が得られる、ということです。このままの調子で勉強を続けていくことで、より高みを目指せる気がしています。

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学生時代からこれらのことがわかっていれば苦労しなかったとは思いますが、今こうして実践の場があるということに感謝しつつ、これからもこの充実感を武器に、どんどんスキルアップをはかっていきたいなと思いました。

勉強は楽しいし、考えるのも楽しい。でも、それらを繰り返して、学んだことが自分の血となり肉となっていく工程はもっと楽しい。今日も温故知新な一日を過ごしています。

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