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レッドオーシャンが、「希少化」を招くこともある

きょう、初めて「ペア読書」というものをやりました。

オフィシャルなやり方がどんな感じなのかはわからないのですが、とりあえずきょうは、共通の1冊を、2人それぞれ30分くらいでパーっと読んで、そこから30分くらい感想を言い合うみたいな感じでやりました。

30分読む箇所は、事前に目次を読んで、お互いに違う箇所になるように決めます。


ちなみにきょうのペア読書の題材として扱ったのは、『仕事に効く教養としての「世界史」』って本。


それで、一緒にやったのは会社の先輩の後藤さんって人なのですが、後藤さんが読んだ章が「中国の歴史」みたいなところでした。

30分、お互いに読み終わった後に、後藤さんからの「中国の歴史」に関する話を聴いてたのですが、そのなかで面白かったのは、「周という国が、周辺の国からすごいと思われたとき」に関する話でした。


当時、「周」という国が栄えていて、しばらくすると凋落します。

それに伴って、周で働いていたインテリな役人たちが、地方へ天下りみたいなことをしたそうです。

ここで結論を言うと、この、元々は周で働いていた、インテリ役人たちが、地方へ散らばったタイミングで、ようやく「周ってすげえ...!」となりました。


どうして、周が栄えていた実際のタイミングではなくて、落ちぶれた後に、「周ってすげえ...!」となったのかと言うと、当時は、中央で勤めているインテリな人たちしか、文字が読めなかったからです。

そのため、周が全盛期に、周辺の国へ送っていた書物を、周辺の国に住む人たちは、読むことができませんでした。

読むことができなければ、実際に周がどんなことをしているのかや、どれくらい権力があるのかを、知ることができません。

力がなくなって、周から優秀な人たちがいなくなったことによって、時間差で周のすごさが知れ渡る現象って、とても面白いなと思いました。


と言うのも、実はこの現象って、他のところでも起きているんじゃないかなと思っています。

例えば、いま、YouTubeチャンネルを開設する人が増えて、「動画編集」をする人が増えたと思うんですけど、ぼく個人的には、動画の編集者が増えたことによって(=動画編集者の供給が増えたことによって)、逆に、(本当に実力のある人という前提ですが)動画編集の「値段」って、上がった人もいるんじゃないかなと予測しています。


めっちゃ前に、たぶん茂木健一郎さんだったと思うのですが、「その分野やスキルの凄さを本当に理解するためには、最低でも、その分野やスキルを60%以上は身につけなければならない」っていう話をしていました。

これって、実際にやってみたことによって、その分野やスキルの難しさを理解できて、そしてその分野で第一線でやっている人の凄さを、理解できるようになるってことなんだと思います。

本来は、その分野に飛び込む人が増えたら、「供給」が増えるので、市場原理的に言えば、「値段」って下がるはずです。


でも、そこで飛び込む人が増える(=その分野に最低限の理解はある人が増える)ことによって、その分野で本当に実力のある人や、本物のスキルを身につけている人は、逆にその凄さが理解されて、価値が上がるってパターンも、十分にあるなと思いました。


きょうのnoteの最初の例で出した、周の話で言うと、実際には周の国の力は落ちてるので、ちょっとだけ事情が変わるんですけど、とは言え、「文字を理解できる人が、地方にまで広がったことによって(しかもその現象は皮肉にも周の力が落ちたことによって起こった)、周の偉大さが認識されるようになった」って、とても面白い現象だなと感じます。


後半に出した動画編集の例で言えば、動画編集をする人が増えたことによって、編集スキルがコモディティ化するという危機感を感じるよりかは、ちょっとかじった人たちをびっくりさせるくらいに実力を磨くことで、逆に新規参入を喜んで受け入れるみたいなことも、できるのではないかなと思いました。


以前に

というnoteも書いたのですけど、逆に言えば、「動画編集が流行っているから!」と言って飛び込むと、ずっと前から動画編集を好きでやっていた人たちの「栄養分」になっちゃうんですよね。


この「レッドオーシャン化を歓迎する力、レッドオーシャンになりそうなところに飛び込まない見極め力」って、大事だなという話でした。

本物の実力を身につけて、レッドオーシャンを迎え撃つ!

最後まで読んでいただいて、ありがとうございます!!!すこしでも面白いなと思っていただければ「スキ」を押していただけると、よりうれしいです・・・!