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日本が東京から学ぶことは、もう何もない

もう1ヶ月くらい前になっちゃったんですが、『関係人口という提案』というイベントに行ってきました!

関係人口とは、総務省のHPに載っている定義をそのまま引っ張ってくると、『移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域や地域の人々と多様に関わる人々』のことを指します。

平たくいうと、定住するほどガッツリ関わるわけじゃないけど、たまに観光するくらいの人よりかは深く関わる人たちのことを『関係人口』と言います。

ぼくは兵庫県の加古川市というところに住んでいるんですが、大学を卒業したら、来年からは東京に行く予定です。

ただ、加古川市、もう少し広くいうと関西は関西で友達がいて、かつ生まれてから20年以上過ごした地域として愛着もあるので、東京に行ったタイミングでスパッと縁が切れるのは、なんだか寂しいなぁという思いがあります。

そんなことをボンヤリと考えているときに見つけたのが、この『関係人口という提案』というイベントでした。

そしてゲストは、編集者の藤本智士(@Re_Satoshi_F)さんという方。

同じ名字、そして同じ兵庫県在住ということで、一歩的に親近感を抱いています。

ただ藤本さんについては、肩書は編集者となっているものの、ネット上の記事やTwitterでの様子を見る限り、本当にいろんな活動をされていて、正直どういう仕事をされているのか細かくは知りませんでした。

なので、今回生で話を聴けるということで、関係人口だけじゃなく、藤本さんについてもちゃんと知れるじゃんと思い、即決でこのイベントに申し込みました。

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藤本さんは、ジャニーズ・嵐のメンバーと日本各地を旅して、その様子を『ニッポンの嵐』という本にまとめた実績もある、すごい編集者の方です。

そういった本をはじめとして、『ローカル×編集』領域の第一線でずっと活躍され続けているので、今回のイベントにも登壇されました。

いままでたくさんの出版物やイベントを手がけてきた藤本さんですが、今回は秋田で発行されていたフリーマガジン『のんびり』についての話題が主でした。

藤本さんは、この季刊誌『のんびり』の編集長だったんですが、この雑誌を発行していた時期も、秋田に住んでいたわけではありません。

ずっと拠点は兵庫県に置きながら、秋田県の情報を発信していたのです。

これこそまさに、『関係人口』の典型的な例ということですね。

定住せずにしがらみがないよそ者だからこそ、提供できる視点やできることもある、という話などをされていたのが、印象に残っています。

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『藤本さんとローカル』についての話は、このイベント帰りに『魔法をかける編集』という藤本さんが書いた本を買ったので、その感想と絡めながら書きます。

今日のnoteの後半は、イベントでぼくが質問した内容と、それについての藤本さんの答えを、ぼくの解釈という断りを入れたうえで書きます。

ぼくの質問は『どうして東京がダメなんですか?』でした。

というのも藤本さん、普段の発言でもそうですし、当日のイベント中もそうだったんですが、やたらと東京をディスるんですね。

『いまは二拠点生活が広まってきてるけど、その片方がだいたい東京なのは気になる(=センスが微妙)』とか、

『我々が東京に学ぶことはもう何もない』とか。

こういうときって、『東京にもそれ以外の地域にもそれぞれ良さがある』みたいなバランスを取った発言をする人が多いので、そこまで藤本さんが言い切るのはどうしてんなんだろうと気になっていました。

そして、そこでの藤本さんの答えが、以下のものです。(あくまでもぼくの解釈だよ!)

『いまの東京が目指している姿は、これからの日本が目指すべき姿ではないからです。拡大・成長志向、数字至上主義。いまの東京でよしとされている価値観は、すべて高度経済成長期の価値観をそのまま引きずっています。でもこれからの時代、日本はそういった方向に進むべきではないので、ぼくはもう東京に学ぶことはないと思っています。』

そう答えてもらったあと『ちなみに、どうしてそういう質問をしたんですか?』という逆質問をもらいました。

そこでぼくは『東京は日本で一番、人もお金も情報も集まっている地域なので、とりあえず若い頃にもまれるなら東京が一番いいと思ってるからです』と答えました。

『そういう認識で東京に行くなら大丈夫です』というお墨付き(?)をもらったあと、続けて藤本さんはこんなことも話してくれたのです。

『やっぱり、そうは言っても超一流は東京にいます。なので、ぼくも超一流の人と一緒に仕事をするときは、その人と会うために東京に行きます。でも、東京には三流もたくさんいます。人もたくさんいて市場も大きい分、三流でもそれなりに食べていけるからです。』

これをぼくは『だから東京に行くのはいいけど、たくさんいる三流に埋もれるなよ。食べていけるからって、そこそこのレベルに安住するなよ』というメッセージとして(勝手に)受け取りました。

『東京=競争が激しい』というイメージを持っていたんですが、人がたくさんいるということは、それだけピンきり度合いも高まるという考え方もあるんだなと、これまでのぼくにはなかった考え方でした。

・・・

まあ、東京で働くのが正しいとか、地方で働くのが正しいとか、そんなのは一切ありません。

『正解なんてない。自分の選んだ道を正解にするだけだ!』なんてちょっと安めの自己啓発ワードを使う気もないし、そもそもこれから『一箇所に定住する』という考え方自体が、ひとつの選択肢でしかない状況になっていくかもしれません。

なのでぼくに関しては5年後10年後のことはまったく考えてないですが、いや、ちょっとは考えてるので想像つかないというほうが適切ですが、とりあえず来年からは藤本さんにたっぷりディスられていた東京で、もまれにもまれまくる所存です。

そのあとのことは、そのときになってから考えます。


▼東京で働くぞ!と腹をくくる前に、一瞬だけ関西で働こうかなと考えていたときのnote


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