時流は「読む」でも「乗る」でもなく、「掛ける」もの

Withコロナとは、Afterコロナとは、みたいな議論が盛んですよね。

今回のCOVID-19によって、世の中にどういった変化が起こるのかを考えること自体は、めちゃくちゃ大事。

ただ、下の動画のなかで家入さんが言っていて、なるほどなと思ったんですけど、「コロナによってこういう風に世の中が変わるから、こっちの方向に行こう！」って、もう遅いんですよね。

>スナック箕輪／『お金、場所、会社から解放されるコロナ時代にどう生きるか』

たとえば、今回の状況を受けて「よし！EC事業に参入だ！」と思っても、すでに何年、何十年も前からEC業界でお互いにしのぎを削ってきた既存プレイヤーがわんさかいるわけで、ここから新規で参入しても、なかなか勝ち目がありません。

EC事業が伸びているからといって、そこで増えたパイの恩恵を授かれるのは、このタイミングで新たに入ったプレイヤーではなくて、既存のトッププレイヤーです。

同じく動画に出ていたdelyの堀江さんが、「こういった変化の時代だからこそ、何をするかじゃなくて、何をしないかが大事」という旨の発言をしていたんですけど、まさにそうだなと思いました。

あと、箕輪さんは「このご時世には何を言ってもポジショントークになるから、逆にここで有利なポジショントークをできるポジション取りが大事だなと思った」って言ってたんですけど、これもここまでの話と、同じような文脈だと、ぼくは解釈しました。

引き続きECの例を出すと、例えばいまここで楽天の三木谷さんが「みんな三密を避けて徹底的に家に引きこもるべきだ！」と発言したとします。

それでまあ、「ECモール運営してる人のポジショントークだ！」と批判する人もいると思います。

ただ、それはもうなんというか、ぼくもあんまりまだきれいには言語化できてないんですけど、楽天がここまでECが普及する未来を信じて、実際にECモールを運営してきたのは事実です。

だから、「ポジショントークだ！」となんだと言われようが、たぶん楽天側からしたら「そうですけど何か？」みたいなスタンスだと思うのです。（楽天はあくまでも一例です）

あと、ポジショントークとはまた少し違いますが、「結局はここまでの積み重ねとの掛け算が大事だよね」みたいな文脈の話で言うと、例えばそれこそ箕輪さんが「いまは普段超忙しい人も家で暇してるから、捕まえやすい」って、何日か前にツイートしてました。

そして実際に箕輪さん、本田圭佑さんとオンラインで対談してるんですけど、それってこれまでの積み重ねがある箕輪さんだからこそ、できたことです。

極端なことを言うと、いくら本田さんが家にいるからって、本田さんからの信用がないぼくがDMで「インタビューさせてください！」ってお願いしたって、それはスルーされて終わりです。

もう、家入さんが「結局は自分の信じたことをやることが大事」って言ってて、もうきょうの話はそれに尽きちゃうのですが、世の中がこう変わったからとか、こう変わるだろうからって思ってからそっちに動いても、すでにそこには、ずっと前からその道を信じて突き進んでいる、ムキムキの既存プレイヤーがたくさんいます。

だから結局、自分の信じる、というとすごくざっくりしちゃうのですが、内発的動機に基づいた道を突き進むなかで、たまたま時流と重なるときがきたら（例えば今回の楽天とかZoomとか）、そのときは一気にアクセルを踏む、みたいなのが戦略としては正しいのかなと思いました。

ただ、こういった話を書いていて思うのは、この「勝負はこれまでの積み重ねで半分決まってるんだよ」系の話って、SNSでは圧倒的にウケが悪いんですよね。

なぜなら、それを言われたところで、「じゃあどうすればいいんだよ！」とモヤモヤする人たちが、一定以上存在するから。

それだったら、「Withコロナではこうすることが大事です！」「Afterコロナの世界はこうなります！」を高らかに謳った方が、「おお！そう変わればいいのか！」という、わかりやすい指針にはなって、ウケます。

でも、たぶん、個人・法人問わず、生存戦略的な観点でいくと、きょうのメインで書いたような「これまでの積み重ねとの掛け算が大事」的な説の方が有力です。

そうなると、どうするべきなのかというと、「次の新しい波が来たときに、本田圭佑さんと対談させてもらえるように、いまからコツコツやっていこう」一択。

言い換えると、いままでなんの積み重ねもしてきていない人が、いきなり「本田圭佑もちょっとは暇してるだろう」と思って、対談を申し込んでもムリなので、諦めます。

あるべき動き方は、今回の反省を次回以降の仕込みに生かす、です。

Withコロナ、Afterコロナの理解と予測はめちゃくちゃ大事ですが、そういった「波を読む」こととはまた別で、日頃から「自分の軸」みたいなものに根ざした積み重ねを、コツコツをやっていくことが大事だなという話でした！

目先の結果に走り過ぎない。