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「ファン」と「投資家」の違い
『個の時代』と言われて久しい。
理由のひとつには『資金調達方法の多様化』が挙げられる。
個人の影響力や専門性を数値に可視化して現金化するサービスが、2年前くらいからたくさん出ている。
ただ、こう言ってはとっても失礼だけど、あんまり長続きしているサービスが見当たらない。
ぼくの情報収集能力が低いと言われればそれまでだし、ローンチ当時の過剰な盛り上がりではなく、その後の着実なコミュニティづくりのほうが本来目指していた姿だと言われてもそれまでなんだけど...
ただ、どうもやっぱり『名もなき個人を引き上げる』というよりは、これはもう言い古されていることだけど、結局『名のある個人の知名度や影響力が可視化されただけ』に終始してしまっている感が否めない。
それはなんでなんだろうということを考えていて、先日こんなツイートをした。
「地下アイドルを応援すること」と「スタートアップに投資すること」は似て非なるもので、その最大の違いは「化けることへのインセンティブ」。
— 藤本けんたろう/ゴーストブロガー (@Kentaro_Fujimo) May 22, 2019
前者は人気者になったら、自分との距離が遠くなり寂しくなって終わるけど、後者はちゃんと金銭や目利きに対する信用などのリターンがある。
それで、「地下アイドルが化けること」にインセンティブを付与しようとしてるのが、「VALU」であり「タイムバンク」であり、最近だと「フィナンシェ」。
— 藤本けんたろう/ゴーストブロガー (@Kentaro_Fujimo) May 22, 2019
ただ、VCにとって金銭やレピュテーションは明確なリターンになり得るけど、純粋なファンにとってそれらに強い動機が働くは少し考えるところ。
ツイート中の『地下アイドル』は『名もなき個人』のひとつの例なんだけど、要は応援する側に『名もなき個人』が大成することによって得られる『金銭的な見返り』をあんまり求めてないんじゃないかということ。
VC(ベンチャーキャピタル)は、投資した先のベンチャー企業が成功することによる金銭的なリターンに、大きな魅力を感じてるけど、名もなき個人を応援する人たちにとってはそこはあんまり重要じゃない気がする。
この構造だと(通常のVCの場合だと)、上場や買収という成果があったときに、その株を手放してお金を得る。
それはつまり、『関係性が薄くなる』こととほぼ同義なのだ....
それは、名もなき個人を名もないころから応援している人にとって、一番避けたいことなんじゃないだろうか。
かと言って、その株なりトークンをずっと持っているままでは、流動性が高まらないし(≒その個人の価値が上がらないし)、人によってはそもそも初期から目をつけて応援してた意味も再考せざるをえなくなるし、インセンティブの仕組みがうまく機能してないんじゃないかと思う。
だからなんだというか、別にぼく自身もすごい解決策を持っているわけじゃないんだけど、ただ応援したいひとの純粋な『応援したい気持ち』は本物だし、応援している側もその気持をなんらかの形で表現したいという動機はあるだろうから、それが自然に応援される側のひとのパワーになるような仕組みが必要だなと思う。
というか、まあ例えばグッズを買うとかCDを大量購入するとかはそのひとつの例なんだけど、もうちょっと汎用性のある仕組みとして必要だなという感じ。
もうちょっと考えます。
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