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ロジカルを突き詰めたその先にあるのは、「美意識」

hey佐藤さんとクラシコム青木さんの対談記事を取り上げて、今日で4日目になります。


1日目:ビジネスで気にするべきことは、「需要があるか」じゃなくて「供給できるか」

2日目:ビジョンを語る採用ブランディングは、混み合っている

3日目:自分がつくったプロダクトの1番のお客さんは、自分であれ


今日からは、対談記事の後半を取り上げます。


対談の後編では、クラシコム青木さんから「センス」についての話題が切り出されます。

青木
今までってセンスが良いもの、一般論でいえばおしゃれに見えるものって、「マーケットを狭める」って考えがあったと思うんですよ。
むしろ「ちょっとダサい」くらいのほうがマーケットは広がる、儲かるっていう流派があって。

いわゆる「洒落ている」と、多くの人には受け入れられづらいという風潮です。

ただ、そのあとに続けて青木さんは「センスや美意識みたいなものとビジネスの成功の相関関係みたいなものは、まさに今が過渡期で、流派が二分されているような気がするんです。」と言います。

これに対して、佐藤さんも同意だと答えます。

佐藤
「美しいから勝てる」とまでは個人的に思わないですけれど、勝つための十分条件として造形的な美しさやセンスは存在するはずです。

ぼくがこの「カッコいいものでも、多くの人に受け入れられる」例として真っ先に思い浮かべるのは、iPhoneです。

あれはむしろ、「カッコいいからウケている」とも言えます。

そのiPhneが発売されてから、今年で10周年です。ぼくが「デザイン思考」といった言葉とともに、「これからはデザインの時代だ!」といった話を聞くようになったのが5年ほど前なので、ビジネスの現場ではもう少し早くその考えが取り入れられていたとすると、だいたい10年前くらいです。

そういったことを考慮しても、ビジネスに効能や値段だけでなく、定量化・言語化しづらい「センス」も求められるようになったのは、やはり10年くらい前からでしょうか。

そうなるといまは、まさに青木さんの言うように過渡期の時代であるわけです。

そして、この「美しさ」も十把一絡げにできるものではなく、いくつかの段階を経ていると、佐藤さんは指摘します。

佐藤
Instagramを見ても「綺麗なもの」は供給が桁違いに多いですものね。
それ以外にも、ビジュアルの美しさは飽和しているといえます。

単に表面上の美しさは供給過剰に陥っていて、そこはもう既にレッドオーシャンだと。

佐藤さんは続けて、『ユーザーが「いいね」で相互に羨めまくる価値観へのカウンター』として、これからは「自分や友達が楽しんでいることを、観ているみんなも面白がっている」美しさがやってくると言います。

そして、この見解を青木さんがキレイにまとめてくれました。

青木
要するにチャーミングって、「それぞれの美しさ」ってことだと思うんですよ。

”デザイン”や”センス”、”美しさ”といった考え方が、ビジネスの現場にも取り入れられる以前は、ビジネスというものは「どれだけロジカルにものごとを突き詰められるか」が勝負でした。

そこに情や感性が入り込むのは、あってはならないと。

当時なら、その考え方が時代に合っていたのだと思います。

なにをすれば正解なのかが、ある程度みえている。なにが正解なのかが、それなりにハッキリしている。

こういった状況においては、手元にある情報をもとにロジカルに戦略を組み立てることが、いわゆる「成功」の秘訣でした。

しかしいまの時代、情報は洪水に洪水を重ね、テクノロジーも日進月歩しています。

そうなると、みんな同じような情報をもっていて、みんな同じようなものを作れるので、効果や値段では他者と差別化が図れなくなってくるのです。

ここで求められるのが、「それぞれの美しさ」ということです。

青木
人間がちょっとだけ合理的に判断しようがしまいが、差がそれほどつかなくなっている。(中略)
合理的に一生懸命考えたところで、うまくいかないものはあんまりうまくいかない。
だから極論として「自分らしくいこう」みたいなものが勝ち筋になっていく、というか。

自分でこの文章を書きながら、そういえばこの議論どっかで既視感あるなと思っていたら、もっと詳しい内容を本で読んでいました。

本では、ぼくがいまバーと書いた内容が、もっと客観的に説得力をもって語られています。

当時の感想ブログ:ロジカルシンキング命!は、もうオワコン


ロジカルな戦略が不必要になったというわけでは全くなくて、それを前提としたうえで、そこからさらに歩を進めるためには「美意識」が必要だよ、ということです。

対談記事の感想noteは、明日くらいで最終回な予感がします。もしくは明後日。


★最近だと『小さなチーム、大きな仕事』という本も面白かった


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