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おかんのせいで太った

1年の東京生活を終えて、去年の9月に兵庫の実家へ帰ってきた。

それ以来、この4ヶ月で3~4kg体重が増えた。

理由は明白で、ご飯を食べるようになったからだ。

東京に住んでいたときは、ご飯を買うお金も食べる時間も、そもそも作る能力もなかった。

朝はペットボトルの水を一口だけ飲んでインターンへ行き、昼は前日の深夜に20%オフで買った売れ残りのスティックパンを仕事しながら食べ、夜は布団の上で半分寝ぼけながらグミを食べていた。

足りないお金と時間と栄養分は、全部エナジードリンクでまかなった。


休学期間が終わって実家に帰ってきてから、高校球児のころを彷彿とさせる食いっぷりで、とにかく食べまくった。

どれだけ食べてもぼくの財布からお金は1文たりとも減らないし、どれだけ食べてそのあとに眠くなっても、そのまま寝ればいい。

できたての温かいご飯を毎日食べられるって、こんなにも自分の幸せなのかって思った。


そしたら案の定、体重が激増。

季節的にも夏から冬になって、汗をかきにくくなったこともこの現象に拍車をかけた。

帰省当初、あんなにありがたかった母の手料理を、すこし忌避するようになった。

そんなにお腹が減ってないから自分の部屋にいるのに、ピコンと鳴り響く『ご飯できたよー』のLINE。

東京時代の食生活を、『自由』という名前で美化しはじめていた。


どうすれば、『母の手料理』と『ぼくのスリムボディ』に折り合いがつけられるかを思案していたとき、ふと思った。

『でもこうやっておかんの作ったものを毎日食べられる生活も、長くてあと1年くらいか...』

ぼくはいま、大学3年生だ。

卒業して就職したら、勤務地がどこであれ、一人暮らしを始めることになるだろう。

そうなれば、もうおかんの料理を食べる機会なんて、それこそお盆と正月くらいしかなくなるのではないか。

家族5人で食卓を囲むこの何気ない時間は、そう遠くない未来にものすごく貴重な『非日常』になるのではないか。

そう思い始めた。


『どうすればおかんの料理を食べないようにするか』

じゃなくて

『どうすればおかんの料理をお腹いっぱい食べても健康的な身体でいられるか』

を考えよう。

間食をやめよう。

定期的に運動しよう。


そう言えば、小学校に入学して一番最初に先生から褒められたことは、

「藤本くんは『いただきます』と『ごちそうさま』の言葉に、本当の感謝がつまってるね」

だったな。

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