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「値段」の決まり方

ものの値段って、一般的には『需要と供給の関係』で決まると言われます。

経済の勉強を始めたときに、一番始めに出てくる概念ですね。

あの曲線が2本交わっているやつ。


それで、『需要と供給』に影響を与える要因って、たくさんあると思うんですけど、たとえばメジャーなものでいくと『サービスの質』です。

サービスの質が高いから、需要が高まって、値段が上がる。


あとは『希少性』。

なかなか手に入らなかったり、作るのが大変で大量には作れなかったりして、供給が少なくなり、値段が上がる。

たとえば、松茸とかフカヒレとかキャビアとかって、それ自体は別に味がなかったり、特別おいしい!ってわけではなかったりすると思うんですけど、なぜあんなに値段が高いのかっていうと、『サービスの質(=おいしさ)』よりも『希少性』が値段に影響を与えていると言えます。


細かく言えば他にもいろいろあると思うんですが、大別するとこの2つ。

だと思っていたんですが、最近『あともう1カテゴリあるな』って思いました。


それは、『買い手を選別するため』に値段を調整するというカテゴリです。


ぼく、先月バーテンダーの林さんという方にインタビューさせていただくにあたり、林さんのこれまでの著書や記事を読んでいました。


そのなかで、どの本か記事で見かけたかは忘れてしまったのですが、バーでは、地域やお店のコンセプトによって『チャージ料(≒席料)』が大きく違うそうです。

たとえば、林さんがバーを営んでいる渋谷では、チャージ料が500円くらいのところもあるそうなのですが、銀座のすごい高級そうなバーだと、チャージ料だけで2,000円くらいかかることもあるのだとか。

でもこれって、銀座のバーのほうが渋谷のバーの何倍もサービスが充実していたり、銀座のバーのほうが何倍も席数が少ないわけではなく(もちろんそういった要因も影響を与えてはいますが)、一番大きな要因として『(たかが)チャージ料(ごとき)に2,000円を払えるお客さんだけの空間にするため』という意図があります。

2,000円をそこで払えるというのは、たぶんめっちゃお金持ちだったり、絶対に口説きたい相手がいるなどの勝負の場面だったりする可能性が高くて、結果的にそのお店が作りたいであろう、『落ち着いた居心地の良い空間』を作りやすくなります。


あとは『空間』ではないですけど、関連するところでいくと、筋トレなどのパーソナルサービスや、有料オンラインサロンなども『そこにそれだけのお金を払う覚悟のある人だけを集める』という意味で、『金額』が決まっている側面があるのではないでしょうか。

たとえば筋トレのパーソナルサービスって、変な言い方になりますけど、『トレーナーの教え方が良かったから健康的な体になれた』っていうのだけじゃなくて、『お金を払ったから元を取らねばと思って励んだ結果、健康的な体になれた』という側面もあるはず。

『有料(その金額であること自体)に、意味がある』とも言えるかもしれません。

あとは、有料のオンラインサロンであれば、『どれくらいそのオンラインサロンが有益な情報があるか』だけではなくて、『どれくらいの熱量をもったコミュニティにしたいか』にも左右されると思います。

別に値段をいくらにしたところで、運営者側のできること(=サービスの質自体)は変わらないですが、値段を上げたり下げたりすることによって、参加者のスタンスのバラツキが変わってきます。

値段を下げて加入のハードルを低くすれば、それだけ熱量のバラツキが大きくなりますし(絶対にこのサロンでなにかをつかんでやる!っていう人と、とりあえずROM専で情報が欲しいだけの人の両方が混在する可能性が高くなる)、値段を上げれば、めっちゃ熱量の高い人しかいなくなります。


ということで、値段って、『サービスの質そのもの』だったり『希少性』だったりだけじゃなくて、『購入者を選ぶため』によっても、左右されることがあるのではないかなという話でした!


▼林さんにインタビューさせてもらった記事も、合わせて読んでください!


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