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「飽きる」と「伝わる」の根比べ

いまは1~2年前の全盛期ほど言われなくなった、というか、もういまそれ前提で議論がされているから、言葉として出てくることが少なくなったのかは分からないですけど、やっぱり企業にしても個人にしても、ブランドにしても、自分たちの「思想」や「価値観」を発信することは大切です。

思想とか価値観とかって言うとちょっと大げさになってしまいますが、ぼくは、単にその企業だったり人だったりが、いま考えていることや感じていることを外に向けて伝えるだけでも、それが結果的にその企業や人の「思想」や「価値観」そのものになると思っています。

それで、そういった発信や、実際に自分たちが大事にしている指針に沿った事業活動を続けていくことによって、その思想や価値観はより強固なものになっていくのです。

そして、そういった思想や価値観、指針なんかを、ビジネス用語っぽい感じで言うと、「ビジョン」や「ミッション」「バリュー」といった言葉で言い表すことも可能です。


企業経営においては、この「ビジョン」や「ミッション」、そして「バリュー」なんかが、社内外に対して、どれほど浸透しているかが大事。

ただ、自分たちの大切にしている考えを経営者が伝えていくにあたって、ひとつの課題になるのが、「経営者自身が、自分の思想や価値観(を語ること)に飽きてしまうこと」だと言われています。

聞いている従業員側が、「もうそれは分かったよ」と感じてからが、ビジョン・ミッション・バリューを浸透させていくにあたってのスタート、なんて言葉も聞いたことがあるのですが、それくらい、経営者は根気強く伝え続ける必要があるのです。

ただ、まあ言われてみればそうだよねってこの話はなるのですが、実際に話す側になると、けっこう大変だろうなと思います。

自分にとっては、新鮮味はまったくないことを懇々と伝え続ける必要があるますし、逆に受け手からは「もうまたかよ〜」みたいな表情をされることだってあるかもしれません。

そういった大変さを乗り越えられるくらい、自分のなかで信じていることだからこそ、結果的に浸透するし本物のビジョンやミッションなのだと言えるのかもしれませんが、とはいえ、大変そうなのは大変そうですよね。


唐突に話は変わるんですけど、ネットフリックスのアプリを分析した人が、「ネットフリックス、いろんなページでしつこいくらいに"30日間無料"を謳ってた」といった旨のツイートをしていました。

きょうの冒頭の話と、このネットフリックスの話から言えることは、「本当に伝えたい大事なことは、何回も繰り返し伝えないと、なかなか伝わらない」ということです。

悲しいかな、みなさんも情報を受け取る側の気持ちを想像してほしいのですが、人って、一気にそんなたくさんの情報を受け取ることは難しいですよね。

あと、人ってやっぱり基本的には自分のことが大好きだと思うので、他人の話なんて、そこまで聞いていないし、忘れやすくもあるのです。

つまりもう、「何かどうしても伝えたいメッセージがあるときは、根気強く伝え続けることが大事」ということ。


なんできょう、このnoteを書こうと思ったのかというと、ぼく今月からいまの会社に正社員として入社して、マーケティングの部署に配属されたんですね。

それで、ぼくたちのwevnal(ウェブナル)という会社は、「BOTCHAN(ボッチャン)」っていう、チャットボットの自社サービスを開発しています。


チャットボットって、まあ情報感度の高い人たちにとっては「ふーん」って感じになる人も多いと思うんですけど、日本全体で見たときには、まだまだ「チャットボっトって何?食べられるの?」っていう状態の人も多いんですね。

だからぼくたちは、そういった人たちに対してはまず、「チャットボっととは〜」という感じの、大前提のところから伝えることになります。

これって、一見「知ってることを話す/書くだけだから楽じゃん」ってことになるのかもしれないんですけど、実際に4月からマーケティング部署でBOTCHNAに関する情報発信に力を入れるなかで感じたのは、「自分自身が知ってる内容を、何回も伝え続けるの大変」ってことです。

それに、大変さを増している要因として、「発信する側は何回言ったか分からないくらい同じ話をしているけど、それぞれの受け手にとっては1回目」ってケースが多いこと。

例えば、社長が社内のメンバーに向けて、会社のビジョンを毎週語るのは、受け手側も何回も聞いている前提で「それくらい大事なのだ!このビジョンは!」って言い方ができます。

この「発信する側と受け手側の、その情報に対する接触度」みたいな観点で言うと、こっちは相手が1回目で仮にボッチャンの話に興味を持ってくれた場合、その興味に合わせてこっちもテンション上げて対応することが求められます。

本当は、おう何回も同じことを話してて、自分のなかではなんの新鮮味もないのに。


ただ、でもやっぱり、自分(たち)が本当に伝えたい大切なメッセージは、それくらい徹底的に粘り強く発信し続けることしか、選択肢はありません。

逆に言うと、そんな何百回、何千回も言う前に飽きる程度の熱量であれば、そもそもそのビジョンやミッションに対して、その程度までしかなかった、という風にも言えます。


と言うか、社内向けの人たちに対して(=普段からコミュニケーションをとっている)ですら、もういいよ、、としつこがられるくらい伝えることが必至なのだから、社外に向けて発信している内容なんて、何千回、何万回と同じことを伝え続けることが大事なのです。

これからも、根気強くコツコツと発信していきます!

最後まで読んでいただいて、ありがとうございます!!!すこしでも面白いなと思っていただければ「スキ」を押していただけると、よりうれしいです・・・!