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「web会議」は疲れる

オンラインで会議をする機会、めっちゃ増えたと思います。

「移動時間がなくなって良くなった!」とか「目的の話が終わればすぐに切れる!」とかって、全体的に好評な感じですが、とはいえやっぱり「オンラインでのコミュニケーション」と「対面でのコミュニケーション」には、それぞれ絶対にしかない良さがあるわけで。

逆に言えば、「対面でのコミュニケーション」にしかないメリットも、絶対にあるんです。

というか、逆にオンラインでの会議のほうが圧倒的に良いのなら、そこまで普及しきっていなかった理由がありません。

「オンラインでの会議のほうが効率的なのは分かっているんだけど、とはいえ対面での会議のほうが〜」というのがあったから、なんやかんやで対面でのコミュニケーションが残り続けているはずです。


それできょうは、その「対面での会議のほうが〜」の「〜」に関するところなのですが、結論から言うと、まあけっこういろんな表現で言いつくされている内容ではあると思いますが、やっぱり対面でのコミュニケーションで良いのは「空気感」というなんともあやふやな情報を摂取できるところだなと思います。

改めてその良さについて考えたのは、ぼくの入社する会社で人事をやっている人と話しているときに、「オンラインでの面接は対面よりも労力がかかる」と言っていたことでした。

それで、そう言えば、ぼくがお世話になったゼミの先生も、オンラインで卒様式をやったときに、「webでのコミュニケーションは疲れる」的なツイートをしていたことを思い出したのです。

n=2ですけど、2人の人がこれだけの短期間に同じことを言うって、絶対に「慣れ」以外のなにかの要因があるなと思って、考え始めました。


それでまあ、結論は最初に書いた通り「空気感」がキーワードになるんですけど、「映像」っていうそれなりに情報量の多いメディアに対して、数十分から1時間くらい、かなりの「能動的」なスタンスで接し続けるって、かなりの情報量を摂取することになると思うんですよね。

それが、web会議の「疲労感」につながっているのではないかと。


少し違う具体例でいうと、例えば同じ「映像」でも、テレビやYouTubeって、基本的には流し見というか、「一言一句聞き逃すまい...!」みたいなスタンスでは見ないので、「映像×受け身」の組み合わせになります。

これは、そこまで情報が入ってこないので、長時間見ていても、そんなに疲れません。

「テレビやYouTube」と「web会議」の中間の位置するものが、「映画やVR」なんだと思います。

テレビやYouTubeよりも集中してはいるけど、別に映像の向こう側にいる相手とコミュニケーションをとるわけではないので、ぶっちゃけ、ちゃんと情報を取り入れようとはしますが、別に見逃していたり、聞き取れてなかったりしていても、支障はありません。

そういう意味で、スタンスとしては受け身よりも「能動的」かなと思います。

だから、限度的には1~2時間くらいというか、映画って長くても2時間30分くらいだし、VRなんかは長時間やると酔うって話も聞きます。

そして、web会議の場合は、相手とコミュニケーションをとる必要があります。

だから、相手の言っていることや考えていることを正確に理解しなけれはいけません。

そのため、めっちゃ「能動的な」スタンスで、画面に向かいます。

平たく言えば「常に集中し続けている」ような状態なので、たぶんもってマックス1時間くらいだと思います。

それ以上になると、たぶん多くの人は脳のキャパが溢れ出て、情報を整理できなくなってしまうのではないでしょうか。


そして、ここからがそれをふまえたうえでの「対面での会議の良さ」の話になるのですが、対面の場合、たぶんぼくたちがweb会議の際に映像を通して必死に取り入れようとしている相手の情報が、「受動的に」入ってくるのだと思います。

摂取している情報量自体は多いのだけど、そこまで集中力を要さないので、感じる疲労感がそこまで大きくないのではという仮説。


「web会議では遮断されているのではないか」という「空気感」は、目で見たり耳で聞いたり、鼻で嗅いだりするものではないですよね。

若干フンワリとした言い方になってしまいますが、「肌で感じる」という表現が一番近いと思います。

しかもその空気感という情報は、可視化されていないけど、その場でのコミュニケーションにおいて、質も量も膨大な、大事な情報なのではないでしょうか。

web会議では、遮断された「空気感」の情報を別の情報で補おうとして、目や耳を総動員として、カメラを通して伝わってくる情報を、できる限り摂取しようとします。

この高い集中力を要求されることが、web会議後のなんとも言えない「疲労感」につながっていたのではないかと。


対象が「空気感」というなんともスピリチュアルっぽいものだけに、エビデンスで示すことが難しいんですけど、ぼくの直感的なものも含めて、あながち間違ってはないのではと思っています。

リプをくれたお二人の内容も概ね同じものだったので、3人中3人大枠で合意していたら、たぶん大丈夫。


ただ、逆に言えば「web会議」にはweb会議にしかない良さ、冒頭にあげたような、総称して言うと「効率」の面では圧倒的に便利です。

その一方で、対面での会議だって、これからweb会議がどんどん合理的なツールになればなるほど、「非合理的な」コミュニケーションの手段として残っていくと思います。

それぞれの良さを踏まえたうえで、場面に応じた使い分けが大事ですね!


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