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人生で初めて汚部屋の大掃除をした~前編~

夕方のニュース番組を見ていると、たまにゴミ屋敷や汚部屋の特集取材が流れている。
片付けができないゴミ屋敷住人の大半は中高年の独身男性で、隣人からの苦情や行政の指導が入っても本人は頑なにモノ(ゴミ)を捨てることを拒み、大抵は改善に乏しいまま終わって次の報道ニュースへと切り替わっていく。また最近は、発達障害らしき女性が片付けできずに一人暮らしで住む部屋を汚部屋化させてしまうパターンも報道されるようになった。

彼らの家を見た視聴者はいったいどんな感想を抱くのだろう。多くの視聴者はあまりの汚さに慄然とし、軽く引きながらも怖いもの見たさでついついチャンネルを止めて見ているのだろうか。
僕の場合はゴミ屋敷や汚部屋の特集が流れると、「なんだ全然普通じゃん」と思う。それどころか謎の対抗意識が生まれて、「いや俺の家のほうが上だわ!」とすら思う。そう、何を隠そう僕もまた正真正銘の汚部屋住人なのである。

noteでは意識高い(?)ような投稿をよくしている僕だが、実はれっきとした社会不適合者だ。長年一人暮らしをしているものの生活力は全くないし、一般常識や社会のルールが全然わからないままいい大人になってしまった。おおよそ真人間やマトモな大人という名称とは対極に位置する人間である。
そんな僕にも少々の見栄があって実名で汚部屋を晒すことは躊躇していたのだが、最近知った『ガールズバンドクライ』という女の子5人組のロックバンドを描いた青春アニメにちょっとハマって感化され、主人公の井芹仁奈ちゃんのように「全部を晒して生きてやるーー!!」と叫んでみたくなったので、地元の友達2人に頼んで汚部屋を大掃除したこの際、思い切って汚部屋の様子も載せてやろうと思う。

18歳で一人暮らしを始めた頃から掃除をした記憶がほとんどなく、ゴミや汚れが目立ってきても「まあいいや」と放置した結果、気がつけば汚部屋住人の仲間入りを果たしていた。必要に迫られて二度の引越しを経験しているが、新居に移っても「今度は汚部屋にしないぞ」と胸に抱いた初心は2秒で忘れて、数ヶ月も経てば立派な汚部屋になっていた。

10年以上住んでいる今の部屋は、過去最強の汚部屋に育っている。いい加減に環境を変えたくて引っ越したいと考えながらも部屋の掃除をしないと退去できないことを思うと鉛のように重い腰が永遠に上がらず、ベッドに呑み込まれたまま途方に暮れていた。
そんな長年育ててきた汚部屋であるが、先日ついに転機が訪れた。キッカケはLINEでの些細なやり取りだった。

高校時代のボクシング部同級生が集まるグループラインに消防の点検にやってきた人を追い返した話をネタ的に呟いたら、掃除をしに来てくれる運びになった。金は請求されたけど。

さすがにもう嫌でも気づくけど、僕は一人じゃ部屋を片付けることさえできない人間なんだろう。病院の検査ではADHDじゃないって診断されたんだけどおかしいな……
自分でできないことは人の手を借りることも必要なのかもしれない。うん、まあ人間って社会的動物だしね。助け合い、支え合って繁栄してきた生き物なわけで、苦手なことは得意な人が代わりにやればいい。なんちて。

もう一人参加することになって日程も決まり、先週土曜日に3人で掃除をすることになった。

8月10日、土曜日。
埼玉から神奈川までわざわざ家の掃除のために朝から車で来てもらった。
朝8時に家のインターホンが鳴った。
「はい」
「遠藤?」
「おう」
僕がドアを開けると埼玉からはるばる来た2人は思わず大声をあげた。
「うわっ」「きったねえ!!」「いや、これヤバいだろ!!」
……写真見せたやん。
「さ、やろうか」

……遠藤、ちょっとそこ立ってて。
いや写真とか今いいから、と言いつつちゃんとポーズを取る僕。

まずは廊下からゴミをまとめる。足場の確保だ。2人とも土足でずかずかと上がっては床にあるものを容赦なくゴミ袋に詰め出す。

徐々に物を捨てていき……

廊下がここまで綺麗になりました!

その間に僕は風呂場を洗う。出たゴミを溜めていく浴槽は後回しでシャワールームのみ。

片付けたお風呂場に、集めた廊下のゴミをどんどん投げ込んでいく。

ワンルームなのに半端じゃないゴミの量……!!

お昼にはいったん休憩して3人で蕎麦屋に寄る。

蕎麦は美味かったな。来てくれたお礼に奢った。また行こうかしら。
それから掃除用具の買い出しを済ませて家に戻った。

飛び出してるのはクイックルワイパー

廊下があらかた片付くと、いよいよ部屋の掃除に取り掛かった。

部屋はこんな感じ。

カニいるじゃん! となったが、よーく見るとクモだった

カニ(クモ)は放っておいて掃除を続ける。
通販で届いた段ボールをまとめて、着ていない洋服は捨てていくと、ゴミ袋がみるみるうちに溢れていった。出たゴミ袋を全て部屋の一角に集めたところで今日は終わりにした。
半日近くかかった一大イベントになってしまった。

ドヤ

しかし疲れたなぁ〜。慣れないことをすると疲労困憊になるよね。
なんで僕はここまで掃除ができないのだろうか。仕事で掃除をする分にはちゃんとできているんだけどな。……多分。

実名でパーソナリティを詳細に明かす汚部屋住人はかなり希少だと思う。
僕が先陣をきって人となりを明かすことで、どういう傾向や嗜好の人間が汚部屋住人になるのかを一例として示せれば、偏見をなくしたり注意喚起になったりと他の人の役に立つかもしれないので、今回は身を挺して晒そうと思う。

僕の場合、診断ではASDやADHDといった発達障害じゃないし、健康には気を使ってるのでセルフネグレクトをしているつもりもない。ただとにかく面倒くさいのだ。結果が想像できる作業に興味が湧かない性格によるものじゃないかと分析している。ワクワクしないじゃん、掃除って(笑)
そしてセルフネグレクトと対極の自己肯定感の高さなのか、生活力が低い方が天才らしくていいと片付けできない自分を少し気に入ってしまっている。いや、まあ部屋が綺麗なら綺麗に越したことはないけれど。
性格は内向的だけど社会的に孤立しているわけでもない。あー、でも家に人を呼べないから(何人か呼んだことあるけど)、孤立しているようなものなのかなぁ?
MBTI(正確には16Personalities)は生粋のINTP。現実感に乏しく身の回りのことに無頓着だとは書いてあったな。
別に実家は汚くないし、僕の部屋も特に汚れてはいなかった。あんまり掃除をした記憶はないけど、物に執着があるわけでもないから散らからなかったんだと思う。

ザッとパーソナリティを書くとこんな感じか。こういうタイプの人が他にもいたら、目指すべきはミニマリスト一択だと思う。あと最新家電に頼ることかな。僕も金次第では少し無理してでも揃えようと思う。

ではまた。(続く)

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