見出し画像

東京の生活史、を読んだ。

遂に読了、1216p。

150名にも及ぶ語りを、ただひたすら聴取し文字に起こし編まれたもの。読書から実益的な見返りを求める人には、全くオススメできない。特にタイトルから社会学的な何かを期待していると、自分のように肩透かしを喰らう。

出版社からのコメントが本書の説明ズバリなので引用する。

一般から公募した「聞き手」によって集められた「東京出身のひと」「東京在住のひと」「東京にやってきたひと」などの膨大な生活史を、ただ並べるだけの本です。解説も、説明もありません。ただそこには、人びとの人生の語りがあるだけの本になります

筑摩書房

これだけの大作は「読んだことがある」という経験を得るだけでも十分だろう。それは登山になぞらえれば、最もメジャな富士山と似ている。ただし本書を読むという行為は、海抜0mから歩き始め、富士山の頂を踏むのと同義なのではないだろうか。

仮に東京という土地が我々の日常意識に作用する「東京性」なるものがあれば、松澤くれは氏のコメントが最も的確だったと思う。


この記事が参加している募集

読書好きが高じて書くことも好きになりました。Instagramのアカウントは、kentaro7826 です。引き続きよろしくお願い申し上げます。