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双葉郡消防士たちの311、孤塁を読んだ。

忘れていけないのは戦争だけではなく、数々の自然災害だ。

コ口ナ禍のオリンピックが終わり、広島と長崎の原爆投下の日を経て終戦記念日が過ぎ去った。そんな時に手にした1冊で思い出した。そう、まだ東日本大震災の傷は全く癒えていないのだ。

東京オリンピックは復興オリンピックだった「はず」だが、いったいどれだけの人がそれを意識していたのだろうか。正直に申し上げると、自分も殆ど覚えていなかった。良い意味でも悪い意味でも、人間はそんなものだ。

ただ、本著のように当時の生々しい記憶を呼び起こす記録は、何かに麻痺したような、都会にヌクヌクと暮らす我々こそ意識して触れなければならない事実だと心の底から思う。

いったい自分たちは誰を、何を守っているのか。存在意義すら分からなくなるような先行きの見えない日々と理不尽な境遇。それでも、そこに「孤塁」として居続けた男たちの生き様は、激しく自分の胸を打った。

東京から後日駆けつけたハイパーレスキューなどがメディアから注目されたいっぽう、双葉郡の消防士たちの活躍はほぼ日の目を見なかった。無償の愛で活動を続けた彼らの人間讃歌を、本著を通じて刮目されたい。

福島原発にまつわるルポルタージュ/ノンフィクションについても、実際に私が拝読した作品を紹介させていただく。日本人として、決して忘れてはならない事実がここにある。

念のために申し添えるが、日本各地で発生した様々な自然災害の記憶も同様に、我々の日常の傍にそっと携えておかなければならない。被災地の1日でも早い復興を心より祈念します。今週もご安全に。


読書好きが高じて書くことも好きになりました。Instagramのアカウントは、kentaro7826 です。引き続きよろしくお願い申し上げます。