記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

【ライブレポ】信頼と寂しさの名古屋2Days【BUMP OF CHICKEN】Sphery Rendezvous

楽しさと寂しさは同居する。
ひとつ曲が進むと、お別れの時間はひとつ近くなる。曲は聴きたいが、それが始まったら、その分演奏できる曲はひとつ少なくなる。

「セトリがだんだん削られていく…」

藤くんはそう表現した。観客の「やだー!」という声に、「それは俺が一番思ってる!」と感情をむき出しにして反応する。
2024年9月15日~16日、BUMP OF CHICKENの名古屋2Daysは、お互いへの信頼と寂しさを確かめ合う時間だった。
幸運にも、前週のベルーナドームに続き名古屋公演2日間のライブに浸れる機会を得ることができたので、少しだけ記しておきたい。

名古屋2DaysのPixmob

ライブ感想

2日続けてバンプのライブに参戦するのは初めて。
両日参加してみて思うのは、メンバーが毎回この熱さで、この日集った一人ひとりに向けて全力で音楽を届けようとしてくれることの尊さ。
その瞬間がすべて特別だと感じられる2日間。
演奏も演出も素晴らしかった。ベルーナドーム初日にやや気になった違和感は感じられず、進行もスムーズ。
スタンド席だったからか、照明やPixmobもより美しく感じられた。
ベルーナの過酷な暑さからも解放され、空調の効いた空間でライブを楽しめる幸せを嚙み締めた。

ボーカルの藤くんのアップがスクリーンに映し出されるたびに思ったのが、「首の筋肉すご…!」。全体的な身体は細身で華奢な印象なのだけれど、歌っているときの肩から首回りの筋肉の発達具合が半端なく、この筋肉群が力強く自由な歌声を生み出しているのかと感動する。

オープニングSE~「Sleep Walking Orchestra」

開演前から大陸系の民族楽器のようなSEが流れている。前週の埼玉の時は気付かなかった。
メンバーがメインステージに入場し、藤くんがギターを高く掲げると、「窓の中から」中間部のコーラスが繰り返される。そして一瞬のブレイク後、「Sleep Walking Orchestra」のオープニングに突入。
SWOの楽曲終了と同時に暗転し、左右の大きなスクリーンにの左に「BUMP OF CHICKEN」、右に「Sphery Rendezvous」のロゴがどんと映し出される。
この切り替わりが圧倒的な迫力で、ライブの始まりを強く感じさせる。

これは終演後の撮影OKタイムに撮ったもの

「Aurora」

歌詞替え
「勇気の眼差しで 次の足場を探してるだけ」
⇒「勇気の眼差し 次の足場を探してるだけ」

歌詞替えは様々な曲に散りばめられていて、その時その瞬間でおおっ…!となるのに、すぐ記憶から薄れていってしまう…。

「SOUVENIR」

スクリーンに表示された歌詞がバラバラと崩れて行って床に積み上がっていく演出。曲が進むにつれて歌詞の山もだんだん大きくなっていくのが印象的で楽しい。前週はサブステージ近くだったので、メンバーの演奏に集中していて気付かなかった。

「窓の中から」

最後の曲も容赦なくその時は訪れる。
声の限りに歌ったよね。
曲のラスト、終わるその瞬間にオープニング曲と同じ演出で、暗転からの左右スクリーンにロゴがバン!と映し出される。
ああ、終わったんだ…とその瞬間に改めて気付かされる。

「you were here」

おお…、この曲をライブで聴ける日が来るとは…!アンコールに「you were here」は本当に深く沁みる。

信じられないくらいにすぐ過ぎた
魔法の時間はすぐ過ぎた
(中略)
伝えたかった事 伝わったのかな
伝えたかった事ってなんなのかな
君の昨日と君の明日を
とても眩しく思う

「you were here」by BUMP OF CHICKEN

歌詞が今の気持ちそのもので、バンプとリスナーを繋ぐ切なさが共鳴する。

「ガラスのブルース」

歌詞替え
「生まれたことに意味があるのさ」
⇒「生まれたこと 意味 なるのさ」

藤くんの言葉集

「俺のこと、かっこよすぎって言った?それはさ、会いたい人に会えたからだよ」
ライブ中の藤くんのオープンマインドさがすごくいいよね。日常生活では思ったことをそのまま口にするってなかなかないから。

「周りがどんなふうに聞いてても、君は絶対に同調圧力に屈してはいけない」
ライブ中、好きなように曲を聴いてほしいという流れの中で話されたのだが、「どうちょうあつりょく」を噛んでしまい、「慣れない言葉を使うとこうなる」と照れていた。

「聴いてもらいたい曲がたくさんあるんだ」
これはStrawberryの前あたりだったかなあ。
今回のセトリを見ても、彼らがすべての楽曲を大切にしていて、その中からこのライブで聴かせるために厳選してきたものがここで演奏されていると分かる。

サブステージでの会話

ライブ前夜の食事の際、ヒロが小ライスを食べたが、もう少しライスが食べたくなり、追加で小ライスを食べたことを「ごはんコントロールがうまくいかなかった」「アンライスコントロール状態」と表現。
これに藤くんは、「ライスマネジメントがうまくいったからこそ小ライス2杯の判断ができたのではないか」「俺はライスヘッジできたかな」と愛のある返答。
これ、確か楽屋のケータリングで手羽先と天むすを食べたときの話だったと思うけど、別の日に味噌煮込みうどんを食べた話もしていて、もしかしたらその時の話だったかもしれない。2日参戦したら記憶が交錯してしまった。

2日目のアンコール後の言葉


「なんかメソメソしてるヤツいたな。
そっちにもいたな。メソメソしてるヤツ。
大丈夫、また会えるよ。生きてりゃまた会える。

28年バンドやってます。
28年間基本迷子なんだけど。
歌詞でもいっぱい言ってるけど。
君の呼んでくれる声が俺にとっての灯台です。
あそこに向けて歌を投げようと、そうやって28年間やってきた。これからだってそうするぜ。だからな、君な、元気じゃなくてもいいよ。生きててくれりゃ、そしたらまた会えるからさ。
BUMP OF CHICKENのライブに来てくれよ。
俺の歌が届いたってことをさ、俺たち4人の音楽が届いたって証拠をさ、こうやってここに来て見せてくれよ。
その時君がもし元気じゃなかったら、その目で見て確かめるといいよ。君のおかげで、こんなに力強く音出して歌ってるヤツがいるってことを確かめに来たらいいよ。
君が歌わせたんだ。今日の音楽は君がいたから生まれたんだ。君が受け止めてくれたんだ。今日はどうもありがとう。

元気でね。いや、元気じゃなくてもいいよ。
生きててくれりゃいいよ。生きてまた来てくれよ。BUMP OF CHICKENのライブにさ。会えたら元気になれるよ。俺も元気じゃなくてもステージに立つさ。君に会えるんだったらさ。
じゃあね、またね、おやすみ。」


藤くんの言葉を常に信頼できる、信じられると思う大きな理由のひとつは、その一貫性だ。
彼自身が考えている言葉を詞に乗せて歌を歌う。その歌詞と矛盾のない言葉をライブ中や最後のMCで観客に向けてまっすぐに話す。
彼が信じるブレのない真実に僕らリスナーは共感し、同調し、同じ場所で一緒に歌いたいと強く願うんだ。

終演後の会場

セトリ

2024/9/15「BUMP OF CHICKEN TOUR 2024 Sphery Rendezvous」名古屋公演(バンテリンドーム名古屋)

本編
0. オープニング「窓の中から」コーラス
1. Sleep Walking Orchestra
2. Aurora
3. なないろ
4. 車輪の唄
5. 記念撮影
6. 青の朔日
7. strawberry
8. 飴玉の唄
9. 星の鳥~メーデー
10. レム
11. SOUVENIR
12. アカシア
13. クロノスタシス
14. 木漏れ日と一緒に
15. 天体観測
16. 窓の中から
アンコール
1. K
2. you were here

by BUMP OF CHICKEN

2024/9/16「BUMP OF CHICKEN TOUR 2024 Sphery Rendezvous」名古屋公演(バンテリンドーム名古屋)

本編
0. オープニング「窓の中から」コーラス
1. Sleep Walking Orchestra
2. アンサー
3. なないろ
4. pinkie
5. 記念撮影
6. 邂逅
7. strawberry
8. 太陽
9. 星の鳥~メーデー
10. レム
11. SOUVENIR
12. アカシア
13. Gravity
14. 木漏れ日と一緒に
15. ray
16. 窓の中から
アンコール
1. スノースマイル
2. ガラスのブルース

by BUMP OF CHICKEN

今後演奏してほしい曲

今回のライブを経て、自分が希望する曲目にもう遠慮はいらないのだなと気付いた。「今回はアルバムツアーだから、演奏を望むのは難しいだろうな」と考えていた曲のうちのいくつかが今回演奏されたこともあるし、「車輪の唄」「レム」「太陽」は20年前のアルバム「ユグドラシル」に収められている楽曲だ。
2日目のアンコール「スノースマイル」は冬の曲だが猛暑日に演奏された。
アルバムに収録されているのは13曲で、ライブではアンコールも含めると18曲。2Daysのうちどちらかしか演奏されない曲もあるから、少なくとも5,6曲はアルバム以外から選曲される。
それだけあるなら、聴きたい曲は堂々と願ってもいいだろう。
せっかくなので、僕がまだライブで聴いたことがない曲で今後演奏してほしい曲ベストスリーを載せておこう。

  1. Stage of the Ground

  2. イノセント

  3. ゼロ

これらをこのツアー中に聴くことは難しいかもしれない。
でも、2年後にはバンド結成30周年だ。きっと記念ツアーが組まれるだろう。タイミング的に次のアルバムはまだ出ていないだろうから、これまでリリースされたすべての曲に演奏される可能性がある。
ステグラはぜひライブのオープニング曲として一緒に盛り上がりたい…!僕は2019年Aurora Arkからの新参リスナーなので、「WILLPOLICE」は体験していないのよ…。どうかお願いします…!

さいごに

ライブで彼らとともに過ごせる時間は限られている。
その瞬間にしか得られないすべてを漏らさず見て、聴いて、あらゆるシーンを受け止めたい。ライブの時間を少しでも濃密にしたくて、事前に楽曲を聴いておくのはもちろん、インタビューの映像を見たり記事を読んだりして少しでも彼らの想いに触れようとしている。
そうしてライブで演奏を楽しみながらも、お別れまでの時間が迫ってくるのを知っていて、同時に寂しく感じている。
きっと生きてまた会おう。できればお互いに元気で。
最後までお読みくださりありがとうございました。


ツアー初日、ベルーナドームのライブレポもどうぞ。

翌々週の大阪Day2レポもどうぞ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?