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東京マラソンからの考察「心理的レジリエンス」 #293

おはようございます。
さぁ今日から3月だ!と思ったら昨日から3月でした。森下です。
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昨日は東京マラソンのエリートが開催され、大迫選手が日本新記録で日本人トップでゴールしましたね(全体で4位)。

ということで、東京オリンピック代表の残り1枠に王手となりました。(来週の琵琶湖マラソンの結果次第)

今回のレースではオリンピック代表の残りひと枠を懸けたレースで選手のかける思いも強いレースだったかと思います。

そんな中でも、大迫選手は終始落ち着いていて、周りのペースに惑わされることなく冷静にレースを展開していた印象を受けました。

心はホットに頭はクールにです。

引用:フジテレビ

今大会で注目されていた大迫選手、井上選手、設楽選手レースの5kmごとのラップの推移が出ていました。序盤は日本記録(オリンピック設定記録)を上回るペースの展開。

トップ勢についていく井上選手、それを追いながらも無理はしない自分のペースで走っている大迫選手。

井上選手は自分のペースより早い展開なので必然的に苦しい場面に直面します。(日本記録を切るにはハイペースでどこまで耐えられるか、賭けに出たのかもしれません)

大迫選手は井上選手に離されはしましたが、冷静に自分のペースを保っていましたね。

一見、前に出ている井上選手が心理的に優位に立っているように見えますが、井上選手はトップ勢のスピードについていっている、つまり受動的な状態。心理的な主導権を握っているようで握っていないのです。

一方で大迫選手は、離されはしているものの自分のペースを守ってどこで勝負を仕掛けようか探りながら走っています。

自分のペースを自分自身でコントロールしている主体的な、主導権を握っている状態です。

主導権を握られている状態では、相手がいることで成り立ちますから苦しい場面で離されてしまったり、追いつかれたりすると、一気にペースが崩れ心理的疲労が襲いかかります。

主導権を握っている状態は、自分主体ですから相手がどのようなペースで走っていても冷静に対処することができます。

相手が苦しい場面でペースをあげることもできるし、冷静にペースを守って淡々と走ることだってできます。つまり心に余裕を持ちながら冷静に走っているので、それが後半の粘り強さに繋がってきます。

ペースをコントロールされているか、自分でペースをコントロールしているかによって後半の踏ん張りが変わってくるんですね。

興味深いのが30kmから35kmの間。設楽選手と井上選手はペースが下がってそのままどんどんペースが下がり続けていますね。

オリンピック設定ペースに届かなくなった途端、ガクッとペースが下がってしまいました。

体力的にもキツかったこともあるでしょうが、精神的に折れたところが大きいかと思います。

オリンピックに出るという結果にこだわりすぎたがために、オリンピックに出るには必要な基準タイムに届かないと頭によぎった瞬間「もうダメだ」という気持ちが出てきてしまったのでしょう。

それに対して大迫選手は一度はペースが落ちたものの、またペースを持ち直しています。

一旦は離されて「ちょっとやばいな」と思ったものの、今できることつまり「自分のペースで走る」ということを意識して、ペースを持ち直しています。

前の選手のペースが落ちてきたので、ペースをあげて勝負をかけたということもインタビューで話をしていました。

しんどい場面でそういう冷静な判断をできるのも、今なにをすべきなのかが明確だからです。

しんどい場面で、崩れかけた心を立て直していく力を「心理的レジリエンス」と言います。

苦しい、しんどい、やばい、もうだめかも、と思った時に、どう気持ちを切り替え、集中し、立て直せるかが大切です。

レジリエンスを強くするためには、目標を明確にすることや想定外を想定内にするための準備、自分なりのプランや工夫、成功イメージの情報収集、をしていくことが重要です。

今を受け入れ(感情、状況)、目標達成するためにはどうすれば良いか、自分が成長するためには何をすればいいのか、クールに判断して決断しなければいけません。

これは普段からトレーニングをして積み上げてきたものだと思います。
インタビューでも「キャパシティ」「コントロール」と言う言葉が出てきていましたし、対策は練っていたということから、今回のような高速レースのシュミレートも行っていたでしょう。

38km地点では勝利を確信したけど、意識すると固くなる(勝利を)意識しないで走ったとありました。最後まで自分を冷静にコントロールし続けた大迫選手の見事な走りでした。

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森下健(もりしたけん)
1986/10/31 埼玉県三郷市出身。
学生時代は水泳に没頭。専門種目はバタフライ。現在はトライアスロンにハマっている。青春真っ只中。
奥様と息子(3歳)の3人家族。横浜在住。
家族、仕事、趣味についてとりとめなくつらつら書きたいと思います。



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