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スキャプラプレーン ♯投球障害予防

オーバーヘッドスポーツの障害予防

投球動作、投球障害を考えていく上で知っておきたい内容になります

前回の投稿でお話ししたゼロポジション(見てない方はご参照ください)とスキャプラプレーンを知っておくことで、肩関節への負担を軽減できるかもしれません。

 投球だけでなく、オーバーヘッドスポーツを行う方、または指導する方に知識があれば、トレーニングや指導においてゼロポジションやスキャプラプレーンを意識することで、効率の良い動作の獲得、障害予防につながると考えています。

スキャプラプレーン.002

スキャプラプレーン

では早速説明していきます

 スキャプラ(肩甲骨)プレーン(面)なので、スキャプラプレーンとは肩甲骨面とも言われます。

 肩甲骨は胸骨(肋骨)の上に位置し、肩甲胸郭関節と呼ばれる機能的な関節機能を持ちます。

 機能学的関節とは、いわゆる一般的な関節とは異なり、滑膜組織がなく解剖学的関節の機能を補助する関節のことです。

肩関節とは 広義の肩関節では以下の5つの関節の複合体であり、肩複合体とも呼ばれます

解剖学的関節: 肩甲上腕関節、肩鎖関節、胸鎖関節

機能的な関節: 第二肩関節(肩峰下滑液包)、肩甲胸郭関節

 解剖学的なところは難しいので話を戻しますw

スキャプラプレーン.004

 肩甲骨は胸郭の上にあるため水平面に対してやや角度を持つ形となります。その肩甲骨の向く角度が前方に30°程度傾いてると言うことです。

 スキャプラプレーンは関節包や靭帯と言う関節構成体のバランスが安定し、肩甲上腕関節への回旋ストレスがかかりにくいポジションといわれます

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 腕を挙げる時にスキャプラプレーン上で行うことが効率的であり、この面を外れて上腕だけが後方にシフトしてしまうと腕はスムーズに挙がりません。無理に挙げようとすると肩をすくめるなどの代償運動が起こったり、肩後方に位置する筋の過剰な収縮を起こしたします。また、肩の前方には過度な伸張ストレスが加わって故障の原因につながる可能性があります


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Hyper angulation 

 この代表的な動きが、投球時のテイクバックで見られる水平外転の増大になります。以下の図をご参照ください。

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スキャプラプレーン.007

 投球動作は全身が連動した動きであり、下肢・体幹で産まれた運動エネルギーの上肢、手からボールに伝達していく作業になります。その際に、関節や筋肉へのストレスが少なく、効率よくエネルギーを伝達できるポジションがゼロポジションといわれています。

 負担が少なく、効率的な動きとなればやはり障害予防に繋がっていきます。

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最後に

 最後に、ゼロポジションについても30°ー45°など範囲があり、個人差もあります。絶対のこの位置と言う場所は存在しません。

 また、挙上角度や、姿勢により肩甲骨の位置も変化していくためその変化していくポジションでゼロポジションに近い位置をキープできる能力が重要だと考えます。

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