見出し画像

【写真展やったら泣いた話】#ソーヤング個展「余命百年」【個展はいいぞ】

こんばんわ、ケンタソーヤングです。

ケンタソーヤング御尊顔です。嘘です。友人の稲松です。

改めまして、ケンタソーヤングです。
去る2022年9月19日(月祝)〜25日(日)にかけて、原宿atelierYにて個展「余命百年」を開催しました。その会期をかけて月曜日にこれを書いているわけですが、会期中、ほぼ毎日12時間在廊してたのもあってなんかお腹がずっと痛くてトイレと友達だし、元々の文章の拙さと学力の低さも手伝って、読みにくい文章になってしまいますが、ぜひ読んでもらえたらなあ、と思って筆を、いやはやPCで書いていますのでその辺ご容赦くださいませませ。


個展「余命百年」DM。デザインはモデル兼デザイナーのブンちゃん。

会場となったAtelier Yは友人であり、僕が師匠と勝手に崇めている福島裕二のギャラリー。個展を決めた経緯については、個展の会場の最後にも置いたあとがきから。



私は写真家としてこれまで10年ぐらい前から数度に渡り個展を開いてきた。主に友人の経営する横浜は山下公園近くのカフェとバーであったが、これまでに5000人近いお客様に恵まれて、その頃から「写真展を開くことこそが写真家の本質であり本懐である」なんて思える様になった。

個展には莫大な時間と資金がかかるものであるが、来場するお客様が僕の写真を見て楽しそうにしてくれたことを嬉しくて、家系が火の車でも個展はやる!と決めてやっていたし準備は楽しかった。

コロナ禍になってこの三年は個展を控えてきた。なんだか人集めが億劫、というか臆病になっていた時期でもあったし、それなりに仕事が忙しかったし、気が進まないのはあったのかもしれない。

今回の個展を決めたのは2021年の秋頃だった。
ちょうど一年前。「このところ個展をやっていないな」という気持ちと、前述した写真家の本懐について考えて、師匠と仰ぐ福島裕二の後押しをあっての決断であった。が、正直に言って今回の個展の準備はとてもとても苦しいものになった。

「個展をする」と決めてから発表までの勢いはあったものの、今回の展示作品のセレクトが、とてもとても苦しかった。仕事の忙しさと機材のトラブル、MacBook Proが壊れるなどにも苛まれたとか、「本懐」から一旦離れてしまうと、なかなかに戻れないとか、言い訳ばかりが自分の中に湧いてくるのだ。本当に大人になるほどに、自分と向き合う時間は、辛く苦しく短いくせに長い。ようやく新しいPCの環境が整い、個展の準備を進められる8月後半にこれを書いているわけだが、その時の心境は「いっそやめて逃げてしまいたい」だった。

そんなこんなだが、今回、写真家として個展をやったことには後悔はない。そう、いつだって、僕はそんな自分の弱さに対して全力だったから。「逃げてしまいたい」と思ったことも、「逃げなければ、力になる」のだ。

個展をやることは、写真家の本懐である。
これを改めて感じることが出来て、
また僕は写真家として大きくなると思う。

ここに来場下さった皆様には、心から感謝しかありません。最後まで読んでくれて、僕の写真を楽しみにしてくれたことにも、ありがとうの気持ちを込めて。そして、逃げてしまいたくなった時に、僕を支えてくれた友人達、そしてギャラリーを貸してくれた敬愛する福島裕二氏にも。

本日はありがとうございました。
2022.09.19 ケンタソーヤング
 

・・・・・・まあ、こんなにいいデザインで作ってもらったのに、めっちゃ誤字があってだな。家系じゃなくて家計な。お客さんに指摘されたワイ恥ずかしい。ラーメンかよ野菜マシマシにしたいわ。

ってことで、写真家として考えて考えてて、この個展にこぎつけた感じですが、いや本当に作るのは逃げたいぐらいセレクトが大変で大変で。個展印刷リミットギリギリまで現像は止めてて(それでも優先しなくちゃいけない案件とかあったけども)毎日数時間セレクトオブセレクトな日々だった。
なんならキャンプに逃げてたもん。全部投げ出して、そのままずっとキャンプしてたいって思ってたぐらい。

まあ、キャンプで撮った写真を入れてしまうのも僕らしい行為ではあるけども


いやでも書いた通り、個展をやることは写真家の本懐とは思っていて。
背中を押してくれたのが福島裕二なわ家で。Twitterのspaceで話していて、「個展をやらないと“合同展示しかできないやるになるよ?」って言われてて、いやほんと確かに、って思ったのは大きかったかな。

裕二とは(裕二を呼び捨てできるのは多分僕だけだけど)、彼のマネージャーだった(現在は広報担当)のご飯ちゃんことモデルの飯田みなみ氏が僕と友人だったことから繋がっていったひと。何度も彼の個展に足を運んで話をくたびに(いやほんと話長いんだけど)彼の写真に対する情熱の深さに影響されていったのは確かで。

毎晩20時過ぎに現れるふぐすまさん。語り出すと止まんねえのね。

よく裕二から「ケンタの写真は、大したことはない。プリントは下手だし、写真の技術も普通。でもケンタには、“情熱がある“から、良い」と。いやほんと確かに。僕の技術なんて全然だし、レタッチなんてできないしそんな時間もないし、写真の上手さでいうと普段から全ての時間を写真に全振り出来るモデルちゃんたちの方がうまいと思ってる。

でも、そんな自覚のある僕が個展をやるのは、「写ってくれたモデルちゃんたちに感謝を返したい」という意味合いが強くて。シルバーウィークの途中で、東京カメラ部さんなど大きな展示も同期間に開催している中で、集客としては予測よりも少なくて、台風の影響で大雨だったりのもあって、平日はちょっと寂しい感じの時間もあったんだけど、(土日はその代わりとっても多かったのね)「撮った子を展示物にする」ことは僕自身にとって、とっても意味のあることで。

撮ったものをプリントすることは、写真を具現化する行為。
データではなく、プリントを見ることで、撮られた子、撮った自分が、
その楽しかった時間をいつでも思い出すことができる。
データは永久には残らないし、電気がなくては見れないもの。
プリントされたものは(紙が劣化することはあっても)、
永久に想い出やその撮った時間を残すこと。

初期段階で作ったレイアウト図。結局搬入の時に調整してこれと違うことになったけども。

辛かったセレクトも、逃げずに繰り返し行っていくことで、より洗練されていく。自分を対話して、どんな見せ方をすれば考えていくことで、自分をより知れるし、自分がこれからどうしていけばいいのか見えてくる。

個展は写真が上手くなる。
と、ソーヤングは強く思うわけです。

こんなにもたくさんの人達、著名なフォトグラファーにもたくさん遊びに来てもらえて幸せです。

僕がいろんなカメラマンや作家と繋がったのは、僕が個展を今までにたくさんやってきたからです。(企画展主催も入れるとすごく多いけど)みんな、僕に対しては、裕二と同じように「ケンタは写真は下手。でも情熱がある」って思ってもらってるって勝手に思ってます。

ハセオさんが送ってくれた花。めちゃくちゃ光栄すぎる!

閑話休題。

今回見せ方もめっちゃ悩みました。
プリントを業者さんに投げたらプリント上手くできるかな?とか思って見積もったらいや無理じゃん出せませんwって金額でぶっ飛んで、自宅でプリントすることにしたんですが、額とかどーしよーとかね。


悩みに悩んで自分と対話して時々逃げてキャンプしてたどり着いたのが、カラーで7色のマット紙。一枚2000円ぐらい。18枚作ったから消費税入れて4万円ぐらい。(いや、1000円ぐらいかと思ってたよ、ちょっと舐めてた)世界堂で発注したら大体4日で作ってくれて。セレクトしてプリントしたものをカラーコーディネートしながら嵌めていったんだけど、これが結構好評でとても嬉しかったです。

カラーコーディネートって一口に言うけど、モデルの服や肌の色に合わせただけじゃないんですよ。僕が勝手に思っている「その子のイメージカラー」に合わせていった部分もあって。雪の写真に赤マットを合わせて違和感を演出しつつ、質問が来るのを待ってみたりね。


ちゃんと文脈がある並びに気付いてくれた人もいて嬉しい。

レイアウトはめっちゃ考えましたよ。写真との距離ってすごい大事なので。空間演出は僕の十八番なのですが、今回は巡回出来る作りにしてみました。何周もしてくれた人もいましたね。感謝感激!


あと、写真展は写真を見る場でもあり、交流の場でもある。という自分の考えは反映させたくて。あえて今回のテーマではない作品やポートフォリオやブックも用意してみました。写真見る行為と交流する行為は、喧騒と静寂を両立させて演出しなくちゃいけないんだけどね、それについては、Twitterのフォロワーさんがまとめてくれたのこちらへ。大きい写真は永瀬さんではなくてマリアムっていうフランス人です笑

メインビジュアルのカラー版。めちゃくちゃ気に入ってる。

交流もできる距離感ってのが、これ結構、重要で、写真展はその作家に会いにいく場所でもあるので、その人が在廊することで、写真を見る空間や距離を塞いでしまったりお客様が閲覧者の邪魔をしては元も子もありません。写真展には空間の演出がとても重要なのです!!!!(大きな声で)

交流でも出来るように一部テーブルを用意しました。久しぶりにじんちゃんに会えました。

写真展を質を決めるのはお客様です。そのためのは、みんながちゃんとみれて、そして交流もできる「デザイン」が必要なのです。そうしたバランスを考えてデザインした空間でそれぞれの自由な楽しみ方ができること。これを演出したかった。僕の展示に足を運んでくれた人には笑顔になってもらいたい、楽しかった思いを残してほしい。そのためにできる事を考えていきました。

裕二から借りたガチャガチャ
ポップを作ってくれたのは僕の彼女です。ありがとう。

ガチャガチャを用意したのも、楽しさの演出から。写真じゃなくてガンプラが当たるっていうね。あとは昔作った僕の写真のマグネットやコーヒー。ゆっくりしてもらいつつ、交流したり、楽しめるギミックを入れる演出を欠かさなかった。

ガチャでチェキが当たる!ってのもしました。

今まで経験した体験型と交流型と鑑賞型の写真展の良さをそれぞれ演出できたと思っています。嬉しかったのが、飯田みなみちゃんからDMで楽しすぎて時間やその場で感想をつたえるの忘れちゃったって言ってくれたこと。

人は人を呼んでくれます。
楽しかった感想は、伝わっていくもの。
それぞれの楽しみ方を保証することが大事!

受付やってくれた神対応モデルの皆様。本当に感謝しかない!

十年ぶりに会うモデルやカメラマンさんたちも来てくれたの。
さながら同窓会のような雰囲気で。本当に感謝しかなくて。
懐かしいメンツでまた何か面白いかことできたらいいなって思います。

載せきれない友人たち、尊敬する人達が来てくれました。


・・・・会期の最終日、最終時間をやや延長したんですが、
その最後の時間にね、来てくれたんです。
二年ぐらい前に、僕と関係が切れていたモデルちゃんが。

原因は彼女のドタキャンが続いたこと。僕がその時にちょっと怒ってしまってね。それで関係を失っていたんですが、彼女は僕に会いに来てくれた。そして僕に直接謝ってくれたんです。
「あの時はすみませんでした」って言ってくれたんです。

いやもうね、全然許してたし、その時の僕も言いすぎてたって思ってたぐらいだったけど、
直接謝りに来てくれるなんて、普通にできますか???
彼女が僕の個展を見に来るまでの道のりでどんな思いだったのか。
それを考えるだけで、涙が出てきます。

「ケンタさんの方が泣きそうですね」って言われちゃったんだ。
まったく、生意気な子だなんて愛しいんだって思ったよね。

僕、これだけで、色々苦労して展示やった甲斐があったって思いました。
なんて素晴らしい体験を僕にくれたんだって思いました。
最高の時間を、ありがとう( ;  ; )って思います。


僕に関わってくれてる全ての皆様に、心からの感謝を込めて。

長くなりましたが、これからもケンタソーヤングをよろしくお願いします!!!



この記事が参加している募集

カメラのたのしみ方

ありがとう御座います!!これからの励みになります!ハゲ散らかすほどに感謝してます!!!