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アンネ・フランクは聖人君主ではなかった

シンガーソングライターのケティです。
今は私は『アンネの日記 増補新装版』を読んでいます。アンネの書いた日記を、そのまま翻訳をしているだけの本です。
小学生の頃にアンネの伝記を読んだり、ドキュメンタリードラマを見たことはありましたが、日記だけを集めた本は初めてです。
600ページある分厚い本で、まだ全部は読み切れていないのですが、自分が想像していたアンネ像と結構ギャップがありました

私の中で勝手にアンネ・フランクは平和を愛する聖人君子だと思っていたのですが、日記の内容はドイツ人や、同じく隠れ家に潜伏している仲間、家族の悪口、悪口、悪口
「お母さんは暗いことしか言わないからウンザリする」、「お姉ちゃんは自分の意見を言わない」、「デュッセルさん(潜伏仲間)ほど心の狭い人はどうせま生まれつきそんな風にできてるのに違いありませんから、決して直ることはないでしょう」、「ファンダーン夫妻(潜伏仲間)の子供じゃなくて良かった」など、色んな人の悪口が多く出てきます。 

日記の中には同居人とのイザコザを詳細記してあるのですが、簡単にまとめると、アンネは隠れ家の中でも1人だけ明るくて、戦争が終わったらあれがしたいこれがしたいと、明るい未来を夢見てそれを口にしていました。
そうすると精神的に追い込まれて(現代で言うところの)鬱状態になった大人たちはアンネに対して「子供の言うことだ 」などと嫌味を言います。
アンネ以外の全員が鬱々としている中、アンネだけキラキラしているんです。アンネは蚊帳の外にされてしまいます。

アンネはネガティブな話が嫌いでしたし、自分が子供扱いされることはきっとそれ以上に大嫌いで、つい言い返してしまいそこで喧嘩が始まります。こんなことの繰り返しです。

また、しばらくするとアンネは隠れ家仲間のペーターと恋人関係になります。その時も、アンネの家族は、アンネに対し、ペーターに近づきすぎるなと警告をしたり、嫌味を言ってきます。恋人との関係を家族にグチグチ言われるのってストレスですよねぇ。ましてや同居してる訳ですから……。

恐らく同じ状況下の中で、自分たちがこんなに辛いのに、アンネとペーターはその中でも恋をして人生を謳歌しているのを妬ましく思っていたのだと思います。例え家族であっても、そういった嫉妬心はあったと思うのです。

自分がアンネと同じ状況だったとして、マイナスなことばっかり口にして言ってうちひしがれるのではなく、アンネと同じように明るい未来を夢見て、それを口に出し、辛い状況下でも楽しく生きる術を見い出せる人になりたいと思いました。
これは、大人側が子供(アンネ)を見習うべきであったと思います。

アンネは実は結構喧嘩早くて、自分の意思をしっかりと持っているが故に、人と衝突しやすい性格だったんだろうなーと、日記を読んでいて思いました。

是非皆さんも、アンネフランクの日記の原文を読んでみてください。
現実は小説のように美しくない。けれども、それを隠す必要は全くないと思っています。


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