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頭の中の小さな花火が夏を過去にしていく(普通って何?)
少しくらいアタマがおかしくないとやってられないよね、と思う
「アタマがおかしい」って言い方が悪いなら、「みんな」というのを信じないで、と言ってもいい
僕の周りにいる人はみんなそういう意味でアタマがおかしい
物理的に遠くに行ってしまった人も、最近軌道が近づいてきたかもしれない人も、昔から周りに居る人も
どこにも「みんな」なんて存在はいないのに、みんなそれを口にする
みんな我慢してるんだよ、とかみ
漫画家「松本次郎」-アタマおかしい人の言ってることに説得力がありすぎる。
大体軍国主義的背景、エログロ、アタマのおかしい人たち、という構成要素を持つ作品が多くて、荒めの絵柄で人を選ぶかもですが(正直私も最初、余り興味を惹かれなかったです)、何かの表紙に読んでみたら圧倒されて、それからお勧めの漫画家といえば、まず名前が上がる方です。
狂人や狂気を描いた(または描きたい)作品自体は多くて珍しくないかもですが、この作者の描くアタマのおかしい人たちが言うアタマのおかしい理屈に
「ルームロンダリング」 -赤と緑と。ジャケットが気に入れば間違いない可愛い映画。
暗めの表情、重めの前髪、赤と緑の服、時々ピカピカ光るアヒル。派手なシャツとウェーブの髪。全部可愛い。
スケッチブックに描かれている絵も可愛い。
タイトルとメインビジュアルだけで「観よう」って気持ちにさせる作品。(そして其処がツボだったら観て外さないと思う)
幽霊が見えるのにアヒルを抱えて事故物件を転々とする池田エライザ(かわいい)と、事故物件をロンダリングする怪しい不動産屋を営む派手派手シャツ
「天使のたまご」 -押井守監督の、後年のどの作品よりもストレートで美しい
「卵は割ってみなければ、その中に何が入っているかわからないものだよ」
シンプルな少年と少女の物語(と嘘をついてこういう作品を撮ると3年間仕事が無くなる)。
例えば小説の挿絵から本文を抜き去って形作られたような、予感が何かの外縁としてではなく、それ自体が核となっているような物語。
難解な物語と評されることもあるけれど、別に難解ではないと思う。
思わせぶりな外殻を開いてもそこには何もないから。
「夏至物語」 -ミニマルだけど、岩井俊二監督作品の好きな部分が全部詰まってる
「4時22分 きゅうりの食べすぎで、お腹をこわす
明日からはもう、きゅうりは一切食べないことに決めた」
破綻した日常の物語じゃなくて、破綻した世界が前提になっている物語。
そこに穏やかさとか美しさを見出すのを、時代性というのかもしれない、と思う。
友達に見せられたエヴァンゲリオン(リメイクされる前のやつ)とか、同じような雰囲気があると思うんですよね。
こういうの「終わらない日常」系っていうんだ
「ドニー・ダーコ」 -難解、と言われるけれど、謎解きはそれほど重要じゃないと思う。
「あと28日と 6時間と 42分と 12秒。それが 世界の終末までの残り時間だ」
僕が知る限り最も美しい映画のひとつ。「好きな映画は?」って聞かれていつも真っ先に出てくるのがこのタイトルです。
この映画はSFではなくてあくまで詩的なもの、という感じがする。
客観的・科学的な筋道を追うお話ではなくて、あくまでドニーの主観的な物語だ。
ここで描かれているのは、ドニーにとっての象徴、ドニーにとって
「惑星のかけら」 -万人受けはしないかもしれないけれど、コンパクトで綺麗でシンプルなお話だった。
好きな人は好きって感じで、僕は好きな人だった。
東京、とか渋谷っていのは具体的な一つの地名なのに、タイトルとか舞台になると急にアノニマスな地域性を持たない無名都市のようになってズルいなっておもう。
こういうの、サブスクの映画で沢山取り扱われたらいいのにな
「でー…左手が、こうゆいこさんの、右胸を…
「胸?」
「ガシッと男らしく鷲掴みにしています」
「えー…路上だよだってここ…」
「ええ…はい
「少女邂逅」 -ものすごく美しい映像と音楽と、つまらない台詞
もう本当にそれだけ
途中、画面が分割されて、視点も色も、主体も客体も綯い交ぜになっていく、繋がりというよりは未分化みたいな感じもすごく良かった
プロジェクターで壁いっぱいに映して観るか、小さなTVで部屋で1人で見るのがいいんじゃないかなと思う
声をミュートしてずっと部屋でかけておいてもいい
台詞もストーリーも、追う必要なんてない
(不安定なままで進んでいくストーリーも本当はちょっと良いけど、
「落下の王国」 -世界一美しい映画のひとつ。
「ザ・セル」のターセム・シン監督作品!というだけで何の前知識もなく観たけれど、それで充分すぎるくらいだった。
兎に角全ての色彩とシーンが美しい。
ほとんど異形と思えるくらい。
「ザ・セル」みたいにグロテスクなシーンはなくて、本当に何処も全部美しい感じだった。
敵の黒アーマー達も、結婚式で回る人たちも、全部が夢みたいに美しい。
「ザ・セル」に続き、都現美で回顧展が行われた石岡瑛子による衣装デザ
「π」 -最高にカッコいい音楽と映像!
敢えてのモノクロとざらついた画もちょうクール。
実際の理論にフィクションを混ぜて境界をあやふやにする怪しい筋立ても面白くて最高。
最大限に質のいい自主制作映画だし、巨大プロジェクトの作品では見られない妖しさと90年代の非現実感もマッチしてて素晴らしいし、個人のセンスの塊を削り出した勢いを持って居て本当に良い。
「ブラック・スワン」のダーレン・アロノフスキー監督の原点で、部分的には「マザー!」に
「クワイエットルームにようこそ」-削ぎ落とされた蒼井優が美しい
この作品の蒼井優は本当に美しい。
本当にそのためだけにといってもいい再視聴だったけれど、お話としてもよくまとまっているし、邦画に珍しく素直に心にくるものがあった。
(作品に従って記載するとして)希死念慮を表現するとしたら「本当、そんなつもりはなくてちょっとした事故なの」としか言いようがないだろうなと思う。
(繰り返しになるけど)この作品の蒼井優と「肉」のジュリア・ガーナーは削ぎ落とされた、何か