見出し画像

AR時代はすぐそこ ~あらゆる物に情報が埋め込まれる時代

樹脂にQRコードを埋め込む技術

マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームが、3Dプリンター印刷物に見えないQRコードを埋め込む技術「InfraredTags」を開発したそうです。

「可視光を通さず、赤外線をある程度透過する樹脂素材を選択。そして、物体の出力時にエアギャップを設け、QRコードを作った。」

とのことで、驚いたことに一つの樹脂材料で実現可能なようです。記事を読む前はデュアルエクストルーダ対応の3Dプリンターで印刷するのかと思っていました。

MITの動画も下記に公開されています。

赤外線を感知できるカメラで撮影すると読み取り可能とのことで、原理的にはスマホで読み取ることもそれほど難しく無いように思います。

普通の樹脂に見えないQRコードを埋め込めると、美術館やショッピングなどで空間デザインを損なわずに商品に情報を持たせられるため、訴求の幅が広がりますね!

IoTデバイスによる赤外線読み取りのハードルは低い

赤外線機能は古くから携帯端末に搭載されており、最近は搭載機種が減ってきています。古くは携帯端末同士の近距離データ通信として搭載されてきた赤外線ですが、Wi-FiやBluetoothに置き換わりました。ただ、近年はスマート家電でリモコンとして使いたい需要などもあり、搭載された機種も少し出始めています。

赤外線は技術的には枯れており、IRモジュール(赤外線機能を持った部品)は体積も小さく消費電流も少ないです。ただ、赤外線でQRコードを読むにはIRモジュールを二次元的に動かして読む必要があるため、どちらかというとカメラが赤外線に対応していく可能性が高いでしょう。

スマホカメラというのは元々赤外線を感知するような能力はありますが、フィルタでカットされています。写真を撮るに当たって可視光領域外の光は邪魔以外の何物でもないためです。実はフロントカメラ(顔が写る方のカメラ)などは画質重視でないためフィルタが甘く、赤外線が見えたりすることもあります。

つまり、例えばIoTデバイスの多くに搭載されているカメラ映像の一部のフレームだけ赤外線感知に使うような仕込みができれば、追加デバイスも無く埋め込まれたQRコードが読めるようになる可能性は高いと思います。

ARの世界へ一歩広がりが見えた

余談ですが、LEDに情報を入れて携帯端末のカメラで読める技術も結構前からあったりします。
これも液晶や間接照明など、光に情報を入れることができます。

こういった今まで街にあるモノに情報を埋め込める技術はARの世界で真価を発揮すると思います。

ARを普及させるには「意識的に携帯端末を向けたり近くを通ると携帯端末に情報が表示される」では弱いです。

「歩いて目線を向けるだけで情報が入って来る」ようにできるとARの世界が近づいてきます。歩いているだけの人に広告を出せるなら、あらゆるオブジェクトに情報を埋め込むモチベーションが高まるからです。

駅前のモニュメントや待ち合わせ場所のオブジェは皆がチラっと見ますよね?

皆がARデバイスをつけていて、渋谷の忠犬ハチ公や札幌時計台を見ると広告が出るとしたら。。広告料はとても高いものになるでしょう。

また、今はChromeやSafari等で使われているリスティング広告を街中のオブジェクトでできるようになったら、さらに面白くなります。同じ店舗を見ても人によって異なる広告が表示される、なんていうこともモバイル通信網がある今の日本なら簡単にできます。

眼鏡型デバイスをかけて歩いているだけで物体から情報を取得し、AR情報が浮かび上がってくる未来はかなり近づいていると思います。

技術的には十分に可能なのであとはコスト、デバイスの使い勝手、無線通信の安定性があと一歩といった所でしょうか。
時が来て人々が許容できる装着感のデバイスが登場すれば、一気に普及すると思います。

もう少し脱線すると、充電は基地局から共有される未来も、少し時間軸は後ろですが遠くは無いでしょう。

※本記事のタイトル画像はFreepik - jp.freepik.com によって作成


おわりに

画像1

3Dプリンタの新技術について記事を書き始めたのですが、ARに役立つ未来が見えてきました。

最後まで読んで頂いてありがとうございましたm(_ _)m
おわり。

いつも読んで頂きありがとうございます🥰 サポートは記事のやる気に直結します!主にマガジンに設定しているテーマを強化していきますので、応援よろしくお願いします🦌