瀬崎 健

神奈川県在住の会社員。仕事内容は外食のSCM(サプライチェーン・マネジメント)。 SC…

瀬崎 健

神奈川県在住の会社員。仕事内容は外食のSCM(サプライチェーン・マネジメント)。 SCMに関する学び・気づきをアウトプットしていきます。

マガジン

  • SCM概論magazine

    "サプライチェーンマネジメント"とは何か?その全体像がわかるように、主要論点を記事にしていきます。

最近の記事

SCM用語:MRP

MRPは、製造業において資材や部品の必要量を計算することです。 Material Requirements Planningの略で、資材所要量計画と訳されます。 製造に必要な原材料を、適正な在庫水準で必要な分だけを発注するために、必要量を計算します。 製品の生産計画数に、部品表(BOM)やレシピ数量をかけ、歩留まりや安全在庫を考慮し、所要量を計算します。 所要量としてまず気を付ける必要があるのが、いつまでの分を計算するかです。 一般的に、次回の発注が納品する日までの使用量

    • SCM用語:BCP

      BCP(Business Continuity Plan)とは、ビジネス継続計画の略で、 不測の事態が起こった場合に、迅速に重要な業務を復旧・継続させるための計画を指します。 災害・サイバーテロ・パンデミックなどが起こることを想定して、事前に対応を作成しておく、ということが根本的な考え方になります。 何が起こるかわからないから、何も準備しない、ということでは、何かが発生してしまった時の初動が遅くなってしまいます。 ある程度のケースに備えて、在庫や生産能力に余裕を持たせておく

      • SCM用語:バリューチェーン

        バリューチェーンとは、企業が商品・サービスを提供するまでに付加価値をつけていく活動のつながりを表す言葉です。1985年にマイケル・ポーター(Michael Porter)の著書『競争優位の戦略』(Competitive Advantage)の中で提唱されました。 バリューチェーンの特徴として、 ①企業内部の活動に焦点をあて、他社は含まない ②活動を主活動と支援活動に大別している ③付加価値の創造に着目している があり、サプライチェーンとは範囲・論点が違う言葉です。 マイケ

        • SCM用語:ブルウィップ効果

          ブルウィップ効果とは、サプライチェーン上の小さな需要の変動が、上流の段階に行くにつれて次第に影響が大きくなってしまうことです。 ブルウィップとは牛追い鞭のことで、小さく鞭を振っても大きくしなる様からきている言葉です。 例えば、原材料産地⇒工場⇒物流センター⇒店舗というサプライチェーンがあったとして、店舗でいつもより10個多く売れたとしましょう。 この時に、サプライチェーンの各段階の人は欠品してしまうと問題になるので、物流センターに40個多く入荷させ、工場は80個多く生産計

        SCM用語:MRP

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        • SCM概論magazine
          34本

        記事

          SCM用語 : デカップリング・ポイント

          デカップリング・ポイントというのは、サプライチェーン上で製品が「見込み生産」から「受注生産」に切り替わるポイントを指します。 言い換えると、どこで在庫を持つかという点のことです。 このデカップリング・ポイントは、SCMにおいて非常に重要な概念です。 まず、在庫というのは、顧客にモノを届けるにあたって、クオリティ・コスト・納期に大きく影響を与えます。 クオリティを優先すれば、コストや納期がかかってしまい、コストを抑えようとするとクオリティが低くなってしまう、ということはよくあ

          SCM用語 : デカップリング・ポイント

          SCM用語 : 部分最適・全体最適

          部分最適とは、サプライチェーンや企業内の各部門がそれぞれの目標や効率を追求することを指します。 例えば、生産部門が生産効率を最大化するために大量生産を行い、物流部門が輸送コストを最小化するために大量輸送を行うような状況です​​。 それによって、各部門が自分たちの効率や利益を最大化するように動くことが、部分最適である状況です。 一方、全体最適とは、サプライチェーン全体や企業全体の効率を最優先に考え、全体として最も効果的な方法を追求することです。 全体最適では、各部門が連携して

          SCM用語 : 部分最適・全体最適

          SCM用語:延期・投機

          サプライチェーンマネジメントにおける「延期」と「投機」とは、どの段階で投資をするのかを表す用語です。 どこに在庫を置くか決めるデカップリング・ポイントをサポートする用語になります。 延期(Postponement):できるだけ販売に近いタイミングで製造や投資を行うこと。投資時期を遅らせるというイメージで「延期」となる。基本的にローリスクローリターンを狙っている。 投機(Speculation):できるだけ販売より前のタイミングで製造や投資を行うこと。投資を早く行うことで、

          SCM用語:延期・投機

          SCM用語 : サプライチェーン・マネジメント

          サプライチェーン・マネジメント 【supply chain management】サプライチェーン・マネジメントとは、原料から消費の終了までのサプライチェーン(供給の連鎖)を全体最適に管理することです。 サプライチェーン・マネジメントはSCMと略され、 そのため、各サプライチェーンの全体の品質・コスト・納期などについて計画と実績を管理し、サプライチェーンを管理するITシステムの構築や運用管理、改善を行います。 SCMの大きな特徴として、サプライヤーも含めた全体最適を目的とする

          SCM用語 : サプライチェーン・マネジメント

          SCM用語 : サプライチェーン

          サプライチェーン 【supply chain】サプライチェーンとは、供給の連鎖のことで、原材料から、消費者に届くまでの全過程のつながりを指す言葉です。原材料の生産、輸出入、物流・保管、販売などの流れ全体を表します。 1982年にボーズ・アレン・ハミルトン社のコンサルタントであるケイス・オリバー(Keith Oliver)が初めて「サプライチェーン」という用語を使ったとされています。

          SCM用語 : サプライチェーン

          SCM基礎能力 まとめ

          過去5回にわたって、サプライチェーンマネジメントを行うにあたっての、基礎能力について書いてきました。 私が考える5つの能力は、 ①実務能力 ②企画力 ③戦略的思考力 ④コミュニケーション力 ⑤プロジェクト管理力 の5つです。 今回は、これらがどういうつながりなのか、どういう視点でこの5つに絞ったのかについて書いていきます。 SCMとは何をすることなのか?まずは、サプライチェーンマネジメントとは何をすることなのかを考える必要があります。 そうしないと、SCMに必要な能力を考え

          SCM基礎能力 まとめ

          SCM基礎能力⑤ プロジェクト管理力

          サプライチェーンマネジメントに必要な基本能力を整理するシリーズの第5回目です。これが最終回になります。 SCMを行う人が身に着けておくべき能力として、 ①実務能力、②企画能力、③戦略的思考力、④コミュニケーション力、⑤プロジェクト管理力 の5つが大事だと考えており、今回はプロジェクト管理力について取り上げます。 プロジェクト管理とはSCMとはサプライチェーンの最適化であり、基本的にはずっとあり続ける実務について改善を行っていくことになります。 つまり、終わりがないということ

          SCM基礎能力⑤ プロジェクト管理力

          SCM基礎能力④ コミュニケーション力

          サプライチェーンマネジメントに必要な能力をまとめていくシリーズの第4回目です。 今回はコミュニケーション力を取り挙げます。 SCMはサプライチェーンの全体管理を行うことです。 サプライチェーンを構築する全部門が対象になります。 そして、ロジスティクスとSCMの違いは、ロジスティクスは社内の物流最適化を指し、SCMはサプライヤーを巻き込んだ最適化を意味しますので、社外との調整も行う必要があります。 ですので、コミュニケーションの力が必要になってきます。 コミュニケーションと

          SCM基礎能力④ コミュニケーション力

          SCM基礎能力③ 戦略的思考力

          サプライチェーンマネジメント(SCM)を行うためにどういう能力が必要かをまとめていくシリーズ第3弾です。 今回は「戦略的思考力」について取り上げます。 戦略的思考力とは、文字通り戦略的に物事を考える力のことです。 SCMとはサプライチェーン全体を適正にマネジメントすることですので、マネジメントの能力が必要になってきます。 ではマネジメントというのはどういうことでしょうか? 日本では「管理」という訳を当てはめられやすい「マネジメント」という言葉ですが、単に管理するだけでは売

          SCM基礎能力③ 戦略的思考力

          SCM基礎能力② 企画力

          SCMに必要な能力として前回実務能力を取り上げました。発注、生産管理、物流管理、販売に関しては一通り簡単な実務ができることが必要であるという考えです。 それにより、各部門と対等以上に渡り合えることができ、かつ現場のキーマンともつながりを持てるという趣旨になります。 今回は、2つめの必要能力として企画力を取り挙げます。 企画とは、仕組みやルールを作ったりシステムを導入したりといった、提案・改善を行うことを指しています。 SCMとは業務ではなく企画活動であるサプライチェーンマネ

          SCM基礎能力② 企画力

          SCM基礎能力① 実務能力

          これまでサプライチェーン・マネジメント(SCM)についていくつか記事をかいてきましたが、ここから何回かSCMを行う人の基礎能力について整理していきます。 SCMは、企業が商品やサービスを消費者に届けるための一連のプロセスを最適化する管理手法です。 このプロセスには、調達、生産、流通、販売などの各段階が含まれ、これらの段階を効率的に管理するためには、様々な能力が必要になります。 その中でも、まず実務能力が重要だと考えております。 今回は、SCMを担う人材の「実務能力」の重要性

          SCM基礎能力① 実務能力

          SCMと財務的視点

          サプライチェーンマネジメント(SCM)は、製品やサービスの流れを最適化することによって、企業間の効率を高め、コストを削減し、顧客満足度を向上させることを目指します。このプロセスには、調達、生産、流通、販売などが含まれ、これらの活動を通じて、最終的な顧客に価値を提供します。財務的視点からSCMを見ると、主な焦点はコスト削減、キャッシュフローの最適化、リスク管理にあります​​。 経営におけるキャッシュフローの重要性 企業経営におけるキャッシュフローの重要性は非常に高く、企業の健

          SCMと財務的視点